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<第3回>大容量通信が可能にする未来のヘルスケア

  • 2017年3月16日
  • 腕に着用したウェアラブルデバイスが様々な生体情報を収集する

  • 「hitoe」はウェアとして商品化された

  • NTTドコモが開発した、足の裏からアセトンを計測する装置

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 身体に装着して利用する情報端末・ウェアラブルデバイスが、私たちの生活に定着しつつある。腕時計型の「アップルウォッチ」や、ゲームと連動した「ポケモンGOプラス」などは身近な存在になった。ウェアラブルデバイスの特徴は、違和感ない動作で情報をやり取りできること。その一方で、日常のヘルスケアをサポートする機能も大きな魅力といえる。

 腕時計型のデバイスで一部の機種に搭載されているのは、歩数計や心拍数センサー、加速度センサーなどのセンシング技術。長時間身につけられるツールならではのメリットを生かして、様々な生体情報を収集できる。身体の状況を計測したデータを、スマートフォンに送信して管理することによって、健康状態の変化などを“見える化”することが可能になったのだ。

 腕時計やリストバンド型の端末よりも自然で、衣服と一体となったデバイスも生まれている。東レがNTTと共同開発した機能素材「hitoe」は、超極細な繊維のナノファイバーに、電気を通す高分子化合物である導電性高分子を織り込ませ、高い導電性とフィット感・耐久性を実現した。シャツとして着用することで、心拍数などの生体信号を無意識に近い状態で測定することができる。商品化された「hitoe」製ウェアは、トレーニングや労務管理などの分野で活用されており「hitoe」で筋電位を測定する研究も進んでいる。

 このように様々な生体情報を継続的に計測できるデバイスは、将来的にはリアルタイムに身体の状態を可視化することによって、ヘルスケアから次の段階への応用が期待されている。例えば、個人では認識できないような身体の異常をいち早く発見することで、予防医療に貢献することができるかもしれない。さらには健康への意識づくりを促進し、社会保障費の増大といった社会課題の解決につながるのでは、と夢は広がっていく。

 健康診断は1年に1回という人も多いが、自分でも健康チェックが日常的にできて、収集できる情報の数と頻度が増えれば、生活習慣病の予防や改善にもつながるだろう。個人のデータをスマートフォンやクラウドに蓄積した“ライフログ”から、微細な変化を人工知能(AI)が判断することも可能だ。

 さらに、大勢の人のライフログをクラウドに集めて、ビッグデータを活用したヘルスケアのサービスも期待される。例えば、生体情報を過去の症例などとマッチングさせることで、最適な対処法を導き出すという活用方法。医療行為の範囲や個人情報の扱いなど、法的にクリアすべき課題もあるが、QOLの向上に大きく役立つはずだ。

 そのためには、健康に関する膨大なデータのやり取りが必要となる。カギを握っているのは、ネットワークの容量拡大に対応した次世代の移動通信システム「5G」だ。様々な情報をほぼリアルタイムに通信できるようになることで、一人ひとりの健康を見守り続けることが実現する。

 健康を判断する測定項目の中でも、ダイエットなどをサポートするとされているのが、皮膚から放出される生体ガスの一種で、脂肪代謝の指標となるアセトンだ。NTTドコモは、体重計のスタイルで足の裏からアセトンやエタノール、水蒸気を計測し、スマホに結果や健康アドバイスを表示する装置を開発。ウェアラブルデバイスでアセトンを測るための研究も進んでいる。

 アセトンの測定など、センシング技術は想像以上の進化を遂げようとしている。その判断をするAIの精度を上げるために必要なのは、ビッグデータの蓄積だ。身につける物のIoT化に伴う多種多様なセンシングと、大容量通信を可能にする高度な通信基盤。その両輪が、未来の私たちの健康をサポートしていく。

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