キャンピングカーで行こう!

ちょっと変わったキャンピングカー・ベース車両に注目!

  • 文 渡部竜生
  • 2017年3月15日

英国軍御用達のランドローバーをベースにした、英国ドモービル社製のキャンピングカー。キャンプというより野営という言葉がしっくりくる?

  • 可愛らしい外観が人気のルノー・カングーをベースに、日本のホワイトハウス社がポップアップルーフでキャンパーに仕上げたKANGOO POP。ヨーロッパ車らしいオシャレさが魅力だ

  • 明るいナチュラルカラーのインテリアも洗練された雰囲気。ホワイトハウス社製・KANGOO POP

  • ミスティック社のバルテオはトヨタの大型ワゴン、ヴェルファイアをベースに採用。あえてポップアップルーフを設けず、元のフォルムを守った

  • 高い走破性で人気の三菱・デリカD;5をキャンパーにした、ケイワークス社のD:5クルーズ。堅牢な足回りは、ウィンタースポーツ好きのユーザーにもお薦め

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 今回はキャンピングカーのベース車両について考えてみましょう。国産キャンピングカーのベース車両といえば、定番的なクルマがいくつかあります。バンコン(ワンボックスバンなどをベースとした車両)なら、トヨタ・ハイエースや日産・キャラバン。キャブコン(トラックなどの運転席〈キャブ〉を残し後部を架装した車両)ならトヨタのカムロードあたりを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、それ以外のクルマをベースにしたキャンピングカーも、もちろんあります。定番と、それ以外。どんな違いがあるのか、考えたこと、ありますか?

なぜ、商用車が多いのか

 キャンピングカーのベース車両といえば、商用車ベースがほとんどです。それは、次のようなメリットがあるからです。

■メリット
1.架装に必要な積載量の余裕がある
 クルマの総重量は設計上、ある程度決まってきます。もちろん車種によって最大重量は違いますが、商用車は1kgでも多く荷物を積むために、内装もなるべく簡略に、軽量に作ってあります。架装を前提としたキャンピングカーにとっては理想的な条件です。

2.車両の価格が安い
 商用車そのものはいわば「素材」。キャンピングカーの価格はその上に架装代がかかります。キャンピングカーとして適正な価格にするためには、ベース車両の価格は安い方がいいのは当然ですね。

 もちろん、メリットの影にはデメリットもあります。

■デメリット
1.没個性。
2.インパネ周りなどのデザインが機能優先で高級感に欠ける。
3.経済性優先で走行性能に余裕がない。

 つまりは、見た目の美しさ、流行感、走る楽しさ、といった「遊び」の部分は皆無ということ。物を運ぶクルマですから、頑丈で燃費が良いことが最優先というわけです。もちろん、社外パーツなどで補える部分も多少はありますが、「普段使いと兼用したいので、もう少し高級感が欲しい」、「人と違ったキャンピングカーが欲しい」といった、個性を求めるニーズには応えきれません。

 そこで「高級感」や「個性」を求めるユーザーさんに人気なのが、商用車ではないベース車両のもの、というわけです。

非・定番ベース車両はどう違う?

 商用車ではないクルマ、つまりは乗用車をベースにすることになります。どう違うかといえば……

・車両総重量に対して、積載量が小さい
 貨物のためのクルマではありませんから、たくさん積むようにはできていません。なので、その分、居室部分の装備はなるべくシンプルに、軽くする必要があります。

・内装に高級感がある分、室内スペースが狭くなる
 内装に厚みを持たせてある分、数cmのこととはいえ、室内は狭くなります。

・商用車よりも乗用車のほうが、価格が高い。

ということになります。

 実際、キャンピングカーのベース車両として人気のクルマを見てみましょう。

【国産車・ミニバン系】
 トヨタ・エスクワイア、ホンダ・ステップワゴン、日産・セレナあたりが人気。これらはファミリーカーとして、乗用車としてもよく見かける車種です。乗用車マーケットでも、今一番人気のゾーンなので、各社が激しい販売競争を展開しているジャンルでもあります。

 そのため、ハイブリッドや自動ブレーキシステムなど、先端技術の投入も盛んです。それでいて、商用バンの日産・NV200やトヨタ・タウンエースなどと変わらないサイズで、それなりの室内スペースが確保できるのも魅力です。運転の取り回しがコンパクトで、誰にでも運転しやすい工夫がされている点も、特に女性に人気なようです。

【外車系】
 個性的で高級感があって……というなら、輸入キャンピングカーにする、という選択もあります。昨今の輸入キャンピングカーの定番ベース車両としては、ヨーロッパならフィアット・デュカト、アメリカ車ならフォード・トランジットか、メルセデスベンツ・スプリンターが主流ですが、あえて個性派を挙げるならば、フォルクスワーゲン・T6。ルノー・カングーあたりでしょうか。

 T6は伝統的なヨーロッパ製バンコンとして人気が高く、内装も外観も高級感があります。装備ももちろん充実していますが、価格は約1000万円と、決してお手頃とは言えません。

 カングーは商用車ですが、さすがのフランス製、かなりオシャレな小型バンです。こちらは仕様によって価格は異なりますが、290万円ほどからとかなりお手頃。

【四駆系】
 個性的、をどの方向に振るかにもよりますが、よりワイルドに、というなら四駆系はどうでしょうか。

 ランドローバー・ディフェンダーは元々、英国軍が採用するなど、ハードな使用に耐える本格4WD。キャンピングカーというより「冒険車」に近い感覚です。走行性能はもちろん折り紙付き! ルックスも個性的で目立ちます。お値段は880万円から。

 機能を取るか、価格を取るか。機能の中でも、走行性能か、燃費か。居住空間か、装備の充実か。どこを重視するかによって変わるキャンピングカー選び。人気の上昇に伴って、それだけ選択肢が増えてきたともいえるでしょう。

 今後どんなクルマが登場してくるか、ますます楽しみです。

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PROFILE

渡部竜生(わたなべ・たつお)キャンピングカージャーナリスト

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サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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