女子アスリート応援団

自慢の筋肉は広背筋、今は恋より筋トレ アームレスリング・竹中絢音さん

  • 2017年3月28日

アームレスリング・ジュニア世界王者の女子高生・竹中絢音さん

  • 相手の手を握るときから勝負は始まっている

  • 最大限の力を引き出すため、あらゆる筋肉を鍛える

  • 2016年世界選手権で闘う竹中さん(右) 画像提供:侍~SAMURAI~

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 腕相撲のように互いの手を握りあい、「レディ……ゴー!」の合図と同時に一気に相手をねじ伏せるアームレスリング。倒すか倒されるかのシンプルな競技だが、「一瞬の勝負の中にたくさんの駆け引きが凝縮されている奥深さが魅力です」と、アームレスリングジュニア世界王者の女子高生・竹中絢音さん(17)は言う。身長154センチと小柄ながら出る大会出る大会で相手を「瞬殺」する破格の強さ。もはや女性では相手にならず、練習相手はもっぱら屈強な男性ばかりだ。

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強さの秘密は「握り」にあり

 アームレスリングの試合では、体重別にクラス分けされ、ライトハンド・レフトハンドのカテゴリーに分けられる。競技台に固定されたエルボーパッドから肘(ひじ)を浮かさないなど共通ルールの下、毎年開催される世界選手権を始め、莫大な賞金が出るプロのトーナメントも各地で行われていて、特にロシアやアメリカでの人気が高い。

 連戦が当たり前のトーナメントでは、がっちり組み合って力と力の勝負を続けるとスタミナの消耗が激しい。多くの選手は手を組む「握り」の段階で優位に立ち、一瞬で勝負を決めにいく。相手の手のひらが上を向くように固められるかが肝要で、そうされると相手は腕に十分な力を入れられない。そこを一気に決めるというわけだ。

 実はこの「握り」のテクニックこそが、彼女の強さの秘密。親指と人さし指の力を使って、自分が優位に立てる位置へ相手の手を握りこむのが抜群にうまい。アームレスリングは高い位置に手を固定できる側が有利なため腕の長い欧米人に分があるが、「それでも、『握り』で固めて私の腕の高さまで下げさせることができれば勝てるんです」

 練習を繰り返すうちに硬くなった手のひらと、厚みを増した親指も「握り」でプラスに働く。「手がやわらかいと、相手の握りやすい位置に指を入れられてしまうんですが、硬ければそうされずに済む。この硬い手も、私の強みです」

父と2人、最強を目指す

 アームレスリングに興味を持ったのは、師匠である父親の影響だ。東海三県の腕相撲チャンピオンになったことをきっかけに本格的にアームレスリングに取り組むようになった父が、仲間たちと楽しそうに力比べする姿を見ているうちに自然と始めていた。

 10歳の時に父に連れられて初めて参加した大会で女子一般の部3位に入賞すると、試合という真剣勝負でしか味わえない勝つ喜びに目覚めた。2014年、15歳で出場した全日本選手権では55キロ級、60キロ級において利き腕のライトハンドだけでなく、レフトハンドでも優勝。2015年、2016年には世界選手権ジュニア(18歳未満)55キロ級で連覇。その実力を見込まれて招待された、年齢制限のないプロの世界大会では準優勝に輝いた。現在、その世界大会でのリベンジに向け、週5、6日、1日最低3時間はトレーニングに励む。「自慢の筋肉は広背筋」「今は恋より筋トレ」と体づくりに夢中で、得意なフォームに持ち込むために必要な腕橈骨(わんとうこつ)筋の強化に燃えている。

 18歳になる今年の世界選手権は、シニアの部にエントリーする予定。常に自分より強い相手に勝ち続けることが最強のアームレスラーの道へつながると信じ、父と二人三脚で腕を磨く。

(文・渡部麻衣子、写真・小林浩志)

    ◇

竹中絢音(たけなか・あやね) アームレスラー。1999年6月生まれ。岐阜県出身。「侍~SAMURAI~」所属。将来の夢はプロのアームレスラー。「高校卒業後はアームレスリングメインで活動できるような就職先を考えています」

 校庭の鉄棒を使って筋トレをすることもある竹中さん。一生懸命懸垂に励む姿に、友人たちも「がんばって!」と声をかけてくれるという。強さは学校中に知れ渡っていて、文化祭では挑戦者が押し寄せたが、男子高生40人を立て続けに返り討ちにした。「挑まれたら、やっぱり倒しちゃいますよね」

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