モーターサイクル・リポート

TEAM無限の新型EVマシン「神電六」が今年もマン島TTに挑む

  • 河野正士
  • 2017年4月21日

テストに参加したジョン・マクギネス選手(中央右)、ガイ・マーチン選手(中央左)、開発ライダーの宮城光氏(左)、そしてチーム監督の宮田明広氏(右)

 昨年、フルモデルチェンジしたTEAM無限(M-TEC)のEVレーシングマシン「神電 伍(しんでん・ご)」と、そのテストの様子を紹介した。その後「神電 伍」は、マン島TTレースの電動バイク部門/TT-ZEROクラスにおいて、ブルース・アンスティ選手が優勝。同クラスにおいて三連覇を達成した。

 そして今年3月に開催された東京モーターサイクルショーにおいて、TEAM無限は2017年のマン島TTレース/TT-ZEROクラスに参戦する最新EVマシン「神電 六(しんでん・ろく)」とチーム体制を発表。

テストを行ったTEAM無限の新型EVレーシングマシン「神電 六」。前年モデルから基本コンポーネントに変更は無いが、外装類は一新された

 今年のマシンは、昨年から大幅な変更を行わず、熟成を進め性能を高めたという。またライダーは、12年のTEAM無限/TT-ZEROクラス初参戦時から「神電」を駆るイギリス人ライダー/ジョン・マクギネス選手に加え、今年はマン島をはじめ多くの公道レースで好成績を収め、その個性的なキャラクターと言動で人気を博していたイギリス人ライダー/ガイ・マーチン選手が新加入した。

昨年のマン島TTにおいて、練習走行では終始トップタイムをマークしていたジョン・マクギネス選手。しかし決勝では走行中にエマージェンシーストップボタンが誤作動するトラブルに見舞われた。その後レースに復帰したものの結果は惜しくも4位に。今年はタイトル奪還に挑む

ドキュメンタリー映画『CLOSER TO THE EDGE/マン島TTライダー』で、その中心人物としてマン島TTに挑むライダーの象徴となったガイ・マーチン選手。昨年はマン島TTに参加しないと表明し話題となったが、今年はホンダおよびTEAM無限と契約し復帰。TT-ZEROクラスには初参戦となる

 その新型マシン「神電 六」とジョン・マクギネス選手&ガイ・マーチン選手の公開テストが、4月10日に千葉県/袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された。

 マクギネス選手は来日直前に行われた、地元イギリスで参戦するレースの事前テストで転倒し左手を負傷。またテスト当日は、前日まで降った雨の影響で、路面に水たまりが残る午前のセッションをキャンセル。しかし午後からは、ややペースを落としてニューマシンを確認していた。またマーチン選手は、今回が初テスト。ゆっくりと確かめるように周回を重ねていた。

 新型マシン「神電 六」はボディーデザインを一新するも、前モデルから車両重量が2kg軽くなった以外はスペック上の変化はない。しかしモーターを制御するECUが進化。開発ライダーを務める元WGPライダー/宮城光氏の言葉を借りると、モーターの出力特性が上質になった、という。

テスト走行を行うガイ・マーチン選手。今回、初めて「神電 六」をライディング。ゆっくりとかみしめるように周回を重ねていた。写真=TEAM無限

 マーチン選手は、マン島TTレースで優勝はしていないが何度も表彰台に立つ実力派。昨年は“マン島TTには参戦しない”と表明したことから、ガイ・マーチンがマン島TT引退、と世界のレースファンのあいだでそのニュースが広まった。今回の復帰に関してマーチン選手は「自分はやはりバイクでレースをしたかった」と復帰の理由を語り、EVレースという新しいチャレンジにも「大いに楽しみにしている」という。

 一方マクギネス選手は、手のけがでペースを上げられないままでのテストだったと前置きしながら、新しいマシンについては「ボディーデザインの変更でライディングポジションも変わってしまった。もう少し乗り込まないと正確な違いは言えないが、それでもライディングポジションがコンパクトになり、シート周りもスリムになったことでマシンが軽く感じる。スクリーンも大きくなり、マン島でのレースではライダーにとってもマシンにとっても、すこし楽になるだろう」と語った。

 今後は、さらに細部をテストした後、イギリスで走行テストを行い、マン島入りの予定だ。マン島TTレースは5月27日からスタート。「神電 六」が挑むTT-ZEROクラスの決勝は6月7日だ。

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PROFILE

河野正士(こうの・ただし)ライター

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二輪専門誌の編集部員を経てフリーランスのライター&エディターに。現在は雑誌やWEBメディアで活動するほか、二輪および二輪関連メーカーのプロモーションサポートなども行っている。ロードレースからオフロード、ニューモデルからクラシック、カスタムバイクまで好きなモノが多すぎて的が絞れないのが悩みのタネ

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