今日からランナー

フルマラソンの前にハーフや10キロ大会に出るべき?

  • 山口一臣
  • 2017年4月21日

私が30km走をよくやる駒沢公園のランニングコース

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 サブ4(4時間切り)までのロードマップのつもりだったが、実はここまで書いてきたのはサブ4ではなく、初フルマラソンまでのロードマップになっていることに気がついた。そこで今回はまず、初フルからサブ4までのイメージを先に書いてみる。

【第11段階】初フルの目標は、とにかく完走することだ。この場合の完走とは、制限時間内(6時間~7時間)にフィニッシュすることを言う。途中で歩いてしまっても、時間内でゴールにたどり着けば良しとする。次の目標は、歩かずに42.195kmを走り切ることだ。ここまでは、「速く走る」ことより「長く走る」を意識することになる。そうして、歩かずにフルマラソンを完走できるようになったら、いよいよ「速く走る」ことを意識する。そのための練習を重ね、徐々にタイムを縮めていくというのが、サブ4までの基本的な段取りだ。

 フルマラソンを6時間以内で完走するには1km当たり8分半で走ればいいが、サブ4をするには5分40秒で走らなければならない。私の場合、初フルがネットで4時間52分51秒だったから、キロ約7分ペースだった。ここから、1km当たり約1分20秒縮めるまでに約2年3カ月かかったことは前回、書いた。

 初めてフルマラソンを完走した時は、まさか自分がサブフォーランナーになれるとは思ってもいなかった。かろうじて5時間を切ることはできたが、そこまでで精いっぱいだ。さらに50分以上速く走るなどというには尋常じゃないと思ったものだ。だが、時間をかけてそれなりの練習をすれば、私のような者でも達成できる。具体的な方法については次回、詳しく書こうと思う。

 ただ、一つだけ指摘しておくとやはり練習量=走った距離がモノを言う面はある。とりあえず完走だけなら月間100kmいくかいかないかでも大丈夫だが、サブ4を狙うとなると100km~150km以上は走りたい。そんなイメージで練習できれば、意外とクリアできるものなのだ。

【第12段階】再び話を初フルに戻す。よく聞かれるのが、初めてフルマラソンを走る前にハーフマラソンや10kmマラソンの大会に出た方がいいかどうかという質問だ。前回紹介した『マラソン1年生』の作者、たかぎなおこさんも初フル(JALホノルルマラソン)に出る前に、段階を踏むように10kmの大会を2回、ハーフの大会を2回走っている。私も職場の先輩に「まず、ハーフに出た方がいい」と言われた記憶がある。

 だが、結論から言うと「どちらでもいい」というのが私の答えだ。なぜなら、フルマラソンとハーフマラソンはまったく別物の競技だからだ。

 私自身、先輩の教えを無視していきなりフルを走った。その後もフルの大会ばかり出ていた。初めてハーフのレースに出たのは初フルから数年後だ。ハーフはハーフで面白いが、フルマラソンとは全然違う。フルマラソンは自分が持っている走力ポテンシャルを42.195kmにどう配分するかのマネジメントが勝負になる。具体的には後半の30km過ぎにどこまで走力を温存しているかということだ。一方、ハーフマラソンはそんなことを考える間もなくゴールする。だから、スタートから目いっぱい突っ込んだ走りをすることになる。

 なので、レースの雰囲気を体験したり、練習の一環ということでハーフや10kmの大会に出たりするのはもちろんいいが、必ず通過しなければならないというものではない。

【第13段階】その代わりに、フルマラソンの前に最低1回はやった方がいいとされているのが30km走の練習だ。私も初フルの前に1回やったし、いまもレース前には適宜取り入れている。初心者にとって30km走の意義は、まず距離に対する恐怖心が克服できることである。ゆっくりでも30kmを走り切ったことがあるという経験が、42.195kmを走り切る自信になる。

 もうひとつは30km地点での身体の状況(疲労や筋肉痛など)を体験によって知ることができることだ。フルマラソンには「30kmの壁」という言葉があるように、30kmから先の12kmがいちばん苦しい。その苦しいゾーンに入る直前の身体の状況を知っておくことは意味がある。「だったら練習でも42km走ればいいじゃないか」と思うかもしれないが、これはやめておいた方がいい。本当に苦しい最後の12kmは本番にとっておくものだと、先輩に教えられた(笑)。

 ただ、30km走は体へのダメージが大きく、疲労回復にも時間がかかる。なので、レース本番の1カ月前、遅くとも3週間前には済ませておくのが鉄則だ。(以下、次回)

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PROFILE

山口一臣(やまぐち・かずおみ)

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1961年東京生まれ。ゴルフダイジェスト社を経て89年に朝日新聞社入社。週刊誌歴3誌27年。2005年11月から11年3月まで『週刊朝日』編集長。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。その後、朝日新聞出版販売部長、朝日ホール総支配人を経て14年9月からフォーラム事務局員。16年11月30日に朝日新聞社を退社。株式会社POWER NEWS代表取締役。2010年のJALホノルルマラソン以来、フルマラソン17回完走! 自己ベストは3時間41分19秒(ネット)。

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