【バーゼルワールド2017】<5>スイスのトップブランドとジャパンメイド

  • 2017年4月21日

メイン会場のホール1、1階フロアのほぼ中央に位置するオメガのパビリオン=佐田美津也撮影

 機械式腕時計の黄金時代は1950~60年代とされるが、この頃に作られたアンティークウォッチのケース径は、3針モデルで大きくても35ミリ程度。レディースモデルかと思わせるほど小さい。2014年のバーゼルワールドで発表された資料によれば、メンズのケース径は40~43ミリが主流とされていたので、腕時計は圧倒的に大きくなったことになる。

 1970年代のクオーツショックを経て、機械式時計は80年代後半に劇的に復活。いわゆる「デカ厚」がトレンドになったのは90年代後半からとされる。それまで大型時計がなかったわけではないが、機械式が高級時計として再認識され、社会的な地位や財力、趣味嗜好(しこう)や個性なども表現する重要な小道具になったことが背景にあるといえそうだ。高価な時計をあえて身につけるのは時間を知る以上の意味や価値があるからで、そこに「見られる」要素も加われば、ケースサイズが大きくなっていくのは必然的な進化とも考えられる。

 ところが、5~6年ほど前から薄型化・小型化が目立つようになってきた。それでも前述したように主流は40ミリ台だったが、今年になって38~39ミリのモデルが顕著に。欧米に比べて手首の細い人が多いアジア市場を重視したともいわれる。

 それだけでなく、オメガでは人気定番のクロノグラフ「スピードマスター」で38ミリ径の新作をユニセックスモデルとして追加した。レディースモデルはメンズとは逆に大型化してきたという意見もあるので、38ミリのケース径は男女双方から折衷した絶妙のサイズ感といえるだろう。地域性に対する配慮だけでなく、女性層の需要拡大という目的も担っているわけだ。

 今年のバーゼルワールドは、機能はもちろんとして、袖口にフィットするエレガントなケースサイズやカラーリングなど、より市場特性に密着すると同時に、ウォンツを様々に刺激するイノベーションが特徴的だったとまとめられるかもしれない。

 「バーゼルワールド2017」の第5回(最終回)として、スイスと日本の代表的なトップブランドから要注目の新作を紹介する。

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