キャンピングカーで行こう!

速報! 規格外の小型とデビューしたての軽キャンパー

  • 文 渡部竜生
  • 2017年4月26日

 日本独自の自動車規格、「軽自動車」は四輪自動車としては最も小さいカテゴリ。その軽自動車をベースにしたキャンピングカーも大人気です。今回はそんな人気の軽キャンピングカー(軽キャンパー)の中でも、最近登場してきた変わりダネ車種をご紹介します。中には23日(日)にデビューしたばかりの車種も!

日本の技術の粋を集めたクルマ

 キャンピングカーに限らず、軽自動車には次のような魅力があります。

・車両本体価格が安い
・税金や保険料など、維持費も安い
・高速道路料金が安い
・燃費が良い
・車体が小さく、取り回しがラク

 これらの特徴をメリットに感じる人にはぴったりのクルマといえるでしょう。

 現在の規格(1998年10月に規格改定)では、

・全長3.4m以下
・全幅1.48m以下
・全高2m以下
・排気量660cc以下
・乗車定員 4名以下
・貨物積載量 350kg以下

のすべてを満たしている四輪自動車を軽自動車と定義しています。

 これらの条件のひとつでも超過していれば、そのクルマは小型自動車となります。小型自動車になると、前に紹介したメリットのうち、保険や高速道路料金などのメリットがなくなります。

 さて、そんな軽自動車にキャンピング設備を架装したのが、これまた日本独自の軽キャンピングカーです。

 キャンピングカーの架装をほどこしたからといって、軽自動車として守るべき規格に変わりはありません。つまり、軽自動車ベースにもキャブコンはありますが、全長、全幅、全高、乗車定員、貨物積載量、すべて前述の数値内に収まっている必要があります。

 もちろん、普通乗用車にくらべてコンパクトな車両ですから(そこが魅力でもありますし)、内部に本格的なキッチンや水回りを搭載する余裕はありません。その分、各社とも工夫を凝らしてなるべくゆったりした就寝スペースを確保するよう努めています。

あえて規格をハミ出した「レジストロ」

軽自動車の規格枠を超えたミスティック社「レジストロ」は見た目もかわいい。なんだか幌(ほろ)馬車みたいだ

 前段で説明した通り、軽の枠組みを外れてしまってはランニングコスト面でのメリットがなくなってしまいますから、規格の枠内で作られるのが一般的な軽キャンピングカーです。ところが、あえてその枠からはみ出したクルマが誕生しました。今年2月、幕張で開催されたジャパンキャンピングカーショーでデビューした、ミスティック社のレジストロです。

 ベース車両は、トヨタ・ピクシス トラック(ダイハツ・ハイゼットトラックのOEM車)。そこへ同社が得意とするアルミパネル構造のボディーを架装してあります。

「レジストロ」の室内。運転席頭上のバンクベッドと居室をあわせて、大人2人、子供2人の就寝定員を確保した

 特徴はなんといっても、他に類を見ない、かわいらしいデザイン。ボディーサイズは全長が3.85m、全幅1.77m、全高は2.5m。ベースは軽自動車ですが、すべてにおいて、少しだけ規格を外れていて、このサイズ感は全長こそやや短いものの、マツダ・ボンゴやトヨタ・タウンエースをベースにしたコンパクトキャブコンとほとんど同寸法です。

 普通に考えれば、なぜあえてボンゴやタウンエースではなく、軽トラックをベースに選んだのか理解に苦しむところです。だって、経済的メリットが少ない上、動力性能だって低くなるのですから。

 もちろんそこには、同社ならではの理由・哲学がありました。

 ミスティック社には先輩モデルとして、ラウンドしたルーフ形状が特徴的なJ-cabin Mini Wという、軽自動車用トラックキャンパーがあります。

 トラックキャンパーとは、トラックの荷台部分に居室となるパーツを組み合わせるタイプのキャンピングカーで、車両と居室部は一体になっていないのが特徴です。つまり、使わないときは居室をはずして、トラックとして使用できるのです。

 このJ-cabin Mini W、2016年にはグッドデザイン賞を受賞するなど、とくにデザインを重視するユーザーに人気の高い商品。ですが、ベースとなるトラックの乗車定員が2名なのが難点でした。

運転席側から後部を見たところ。カントリー調の内装が目を引く車内は細部までこだわった丁寧なつくり。室内高も1630mmと充分な広さだ

 そこで「軽自動車なら運転できるけど……」という人。特にシニアや女性の声にこたえるかたちで、軽自動車の規定枠をはみ出してでもゆったりとした空間を可能にしたユニークなクルマを誕生させたのだといいます。

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 ベース車両が軽であっても、規格外ですから、乗車定員は5名。ベッドスペースも、大人2人、子ども2人分を確保しています。ランニングコスト面でのメリットが薄いとはいえ、コンパクトキャブコン並のサイズ感ながら、より燃費が良い。など、このクルマ独自のメリットもあり、2月のデビュー発売以来、問い合わせが相次いでいるといいます。

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PROFILE

渡部竜生(わたなべ・たつお)キャンピングカージャーナリスト

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サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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