男の服飾モノ語り 山本晃弘

「ヒューゴ・ボス」に見る、大人カジュアルのキーポイント

  • 山本晃弘
  • 2017年4月27日

(写真1)スーツにクルーネックニットで、大人カジュアルが完成する。スーツ13万5000円、クルーネックニット(参考商品)/すべてボス

  • (写真2)スエードのジャケットにも、クルーネックニットを合わせると上品になる。ジャケット17万3000円、クルーネックニット(リネン100%)2万6000円、パンツ(参考商品)/すべてボス

  • (写真3)トレンドカラーであるベージュを重ねたトーン・オン・トーンの着こなし。ジャケット11万5000円、クルーネックジャージー(コットン100%)2万1000円、パンツ3万9000円/すべてボス

  • (写真4)同系色に1色だけ差すとしたら白がいい。ジャケット6万5000円、クルーネックジャージー(参考商品)、パンツ2万9000円/すべてボス

  • (写真5)クルーネックニットは、パンツに「イン」するのが正解。ニット(リネン100%)2万6000円、シャツ2万1000円、パンツ2万7000円/すべてボス

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 ヒューゴ ボスは、ドイツを代表するファッションブランドである。1923年に設立、そのブランド名は創業者Hugo Ferdinand Bossの名に由来する。彼らの代表的なアイテムでもあるスーツは、モダンでクラシカルかつ洗練されたスタイルで、インポートのデザイナーブランドが好きなビジネスマンから高い支持を集めている。また、かつてはF1のマクラーレンチームを、そして今ではメルセデスAMGをスポンサードしていることもあって、モータースポーツと親和性の高いブランドとしても知られる。

 しかし、ここ数シーズンのコレクションを見てくると、じつはカジュアルスタイルの提案も巧みなブランドであることに気がつく。上質な素材、長く着られるベーシックなデザイン、やりすぎていないトレンド感。「大人が週末に着るべきカジュアルとはかくあるべし」というスタイルが、数多く提案されているのだ。加えて、コストパフォーマンスに優れているのも魅力といえる。そこで、2017春夏のボスが提案するスタイルから、大人カジュアルの着こなしポイントを探ってみた。

 夏のスタイルにトレンドを取り入れるために、今シーズン、まず買うべきはクルーネックニット。そう断言していいほど、このアイテムは各ブランドから提案されてヒットしている。「夏にニット?」と思うことなかれ。ニットを着るとTシャツよりも大人っぽくなり、シャツよりもカジュアル感が出て、いい具合にまとまるのである。リネン素材や強撚(きょうねん)のコットンを選べば、肌触りもよく、カットソーやシャツのように汗ばんだ肌に張りついたりすることがないのもいい。

 (写真1)のようなスーツでも、インナーのシャツをクルーネックニットに替えるだけで、大人カジュアルのスタイルが完成する。パートナーとレストランに出かけるような週末にふさわしい、きれいめカジュアルの着こなしである。リゾートに1泊2日のショートトリップに出かけるのであれば、(写真2)のようにスエードのジャケットにクルーネックニットを合わせることをすすめたい。レザーアイテムやミリタリーテイストのアウターも、クルーネックを合わせた途端、大人っぽく見えるという効果があるのだ。

 コーディネートに使う色の数を少なくするのも、大人カジュアルのポイント。(写真1)であればネイビーとブルーのグラデーション、(写真2)であればトレンドカラーのベージュとペールピンクのグラデーションである。同系色でまとめることを意味する“トーン・オン・トーン“という言葉は、タレントなどの着こなしを手がける人気スタイリストも、よく口にするキーワードのひとつ。ビビッドに反対色を使ってしまうことの多いカジュアルスタイルにおいて、これを心がけるだけで誰でもスタイリッシュになれるというわけだ。(写真3)のようなジャケット×クルーネックのジャージー×パンツといった基本的なアイテムのコーディネートであっても、ベージュのトーン・オン・トーンにするだけで、こんなにも大人っぽく見えてくる。

 もし、同系色にもう一色違うカラーを加えるとすれば、白を差すのが夏のカジュアルの基本。(写真4)が、その好例である。ネイビーのジャケットにネイビーのクルーネック、そこに白のデニムという具合。ネイビーに限らず、白というカラーは引き算の効果でヌケ感を演出することができる。(写真2)(写真5)のように、足もとに白スニーカーを合わせるのが大人カジュアルの鉄則となっているのも、そんな理由からであると考えられる。

 ピンクのシャツにピンクのクルーネックニット、ボトムスはベージュのパンツ。(写真5)もまた、典型的なトーン・オン・トーンの着こなしだ。このコーディネートを題材に、もうひとつ、大人カジュアルの分岐点となるチェックポイントを挙げておこう。ニットをパンツに「イン」するのが正解か、パンツの外に出すのが正解か。トレンドに敏感であるならば、「イン」するのが正解。じつはニットだけでなく、Tシャツやポロシャツも「イン」するのが今どきのスタイルである。これをすんなり受け入れられるか否かは、ファッション感度年齢のバロメーターになるといっても過言ではない。感度の高い上級者になると、いったん「イン」して、少しだけ「アウト」することで、こなれ感を出す着方の工夫をしている。カジュアルだからザックリと着ればいいと単純に考えず、着方を少し工夫してみることで、さらにランクアップが果たせる。

 カジュアルの着こなしは、スーツの着こなしよりも難しいという声を聞くことが多いが、それほど難しく考える必要はない。コーディネートするキーアイテムを決める。使う色数を少なくする。着方を工夫する。こういった最低限のルールを覚えさえすれば、あなたもおしゃれになれるのである。

※掲載した商品は、すべて税抜き価格。
※お問い合わせ先はすべて、ヒューゴ ボス ジャパン03-5774-7670

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PROFILE

山本晃弘(やまもと・てるひろ)「アエラスタイルマガジン」(朝日新聞出版)編集長

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「アエラスタイルマガジン」(朝日新聞出版)編集長。男性ファッション誌「MEN’S CLUB」や「GQ JAPAN」などの編集を手がけた後、2008年に朝日新聞出版の設立に参画。季刊誌「アエラスタイルマガジン」を創刊し、ビジネスマンに着こなしを提案。同時に、さまざまなメディアで展開するファッション企画の制作を手掛けている。

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