今日からランナー

壁を破るには自分のペースを知ることから

  • 山口一臣
  • 2017年5月12日

いまはなき国立競技場でトラック練習(後列右端が私)

  • 東京マラソンでの初サブ4を目指して試走した時の写真

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 前回に引き続き、サブ4までのロードマップだ。

【第14段階】フルマラソンを歩かずに完走できるようになったら、いよいよサブ4(4時間切り)を意識した練習を始めることになる。それまでは「長く」走れるようになることが重要だったが、ここからは「速く」走ることも考えなければならない。私のように低レベルからスタートしたランナーは、初フル完走後は大会に出るたびにタイムが縮まる経験をするはずだ。私も、初フルではギリギリ4時間台の成績だったが、アレヨアレヨと言う間に4時間30分台で走れるようになっていた。

 だが、本格的にサブ4を目指すきっかけになったのは2012年の東京マラソンで4時間7分2秒という望外な記録が出たことだ。4時間切りまで「あと7分ちょい」という数字に、もしかしたら自分もサブフォーランナーになれるかもしれないと強く思った。とはいえ、7分を短縮するには1kmあたり10秒近く速く走らなければならない。自己流で、ジョギング中心のそれまでの練習だけでは壁があった。速く走るための練習を、意識して取り入れなければならなかった。

【第15段階】そのための第一歩は自分のペースを知ることだった。ペースについては連載11回目でも書いたが、要するに1kmを何分で走れるかということだ。1km走るのに6分かかれば「キロ6」というような言い方をする。一般にサブ4に必要なペースはキロ5分40秒と認識されている。1kmを5分40秒で走れば、計算上、フルマラソンを3時間59分06秒で走り切れることになるからだ。前述の東京マラソンの記録を42.195kmで割るとキロ5分49秒ということになる。なので、以後、1kmあたり9秒時間を短縮することが目標になる。

 正直、それまでの私はペースも考えずにやみくもに走っていたように思う。ペースが測れるGPS付きのランニングウォッチ(ガーミン)を買ったのもサブ4を意識してからだった。自分のペースを把握するため、距離が正確にわかる陸上トラックでの練習を取り入れるのもいいだろう。

【第16段階】速く走るための練習(スピード練習)とは、言い換えると肉体に少し強めの負荷をかける練習である。負荷をかけることで筋力と心肺機能を発達させ、速く走れるようになるという理屈だ。代表的なスピード練習には「インターバル走」と「ペース走」がある。インターバル走は息が上がるくらいのスピードで1km~2km疾走した後、ゆっくり走って呼吸の乱れを整えること(リカバリー)を交互に行う練習だ。

 現状の自分のフルマラソンの平均ペースがキロ6分だとしたら、疾走時はキロ5分半で走ってみる。キロ5分半で1kmを走り切ったら200mジョギングして息の乱れを整える。疾走時はハアハア・ゼイゼイ言いながら実力よりかなりハイペースで走ることになるが、1km走り切ったら200m休めると思うと意外と頑張れるものなのだ(でも、無理は禁物)。そうしてこの練習を何度も繰り返すことで、あら不思議、やがてキロ5分半ペースでも、以前よりかなり楽に走れるようになるのである。

 キロ5分半の疾走が楽に感じられるようになったら、さらにスピードアップする。そのスピードに慣れたら、さらにアップ……というよう、徐々に走れるスピードを上げていく。

 ペース走は、インターバル走などで獲得したスピードを維持しながら、一定ペースでまとまった距離(20km程度)を走り切る練習だ。この組み合わせで、平均キロ5分40秒でフルマラソンをゴールできる走力を身につけるのだ。スポーツ経験豊富な人はあっという間に達成できるかもしれない。そうでない人は何年かはかかるはずだ。私は初フルから3年かかった。

 でも、焦らず、無理せず続ければ、必ず、誰にでもできると思っている。(以下、次回)

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PROFILE

山口一臣(やまぐち・かずおみ)

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1961年東京生まれ。ゴルフダイジェスト社を経て89年に朝日新聞社入社。週刊誌歴3誌27年。2005年11月から11年3月まで『週刊朝日』編集長。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。その後、朝日新聞出版販売部長、朝日ホール総支配人を経て14年9月からフォーラム事務局員。16年11月30日に朝日新聞社を退社。株式会社POWER NEWS代表取締役。2010年のJALホノルルマラソン以来、フルマラソン17回完走! 自己ベストは3時間41分19秒(ネット)。

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