本音のマイホーム

吉祥寺や横浜、西宮北口や梅田が「住みたい街」上位に居続ける意味

  • 山下伸介
  • 2017年6月7日
  •   

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 少し前になるが、「住みたい街ランキング2017年版」(リクルート住まいカンパニー調査)が発表された。興味のある方はホームページをご覧いただくとして、この手の調査の結果を見るときに注意したいことがある。それは好きなタレントの人気投票などと同じで、「ネームバリューがある街」が票を集めやすいということだ。調査タイトルは「住みたい街」だが、実際には住み心地の良さが反映されるより、地名が広く知られているイメージがいい街が上位にきやすいのだ。

 こう言ってしまうとマイホーム選びの参考にはならなさそうだが、実はそうでもない。イメージがよい街として人気上位にくる街は、実際の住み心地がどうあれ、住みたいと考える人が多い、住宅ニーズが手堅い街といえる。そして将来にわたって住宅ニーズが高ければ、その街にある住宅は相対的に資産価値が維持されやすくなる。

 したがって、資産価値重視でマイホームを選ぶ人にとって、「住みたい街ランキング」は参考になりうる。ただ、ランキングの見方にコツがある。

 資産価値は「今」ではなく「十数年~数十年後の評価」が大切になる。この調査はいわば街の人気投票なので、それこそ住宅とは関係なく、ある年、話題の商業施設やスポットができた街がたまたま注目を集めて突然上位にランクイン! なんてこともある。しかし注目すべきは、そうした瞬間風速的なトピックではなく、何年たってもランキング上位に居続ける「地名を見飽きた街」だ。それらの街こそ、イメージの良さが広く確立していて将来的な住宅ニーズも期待できるのだ。したがって、資産価値の観点でランキングを見るコツは、単年の結果でなく過去から最新までの人気の継続性を見ることだ。

 そんなわけで、調査元のホームページでさかのぼれた2009年から2017年までの8年度分(2011年は未発表)のランキングを調べてみたら、全年度でトップ10入りした街は、実は関東に二つ、関西に二つしかなかった。

 その街とは、関東が「吉祥寺」と「横浜」、関西が「西宮北口」と「梅田」だ。過去10年弱の期間だが、常にトップ10内をキープしているこれらの街の人気はすでに確立していて、これから先も手堅い人気、住宅ニーズが期待できると考えていいだろう。

 惜しくも1度だけトップ10入りを外した街は、関東では「恵比寿」、関西では「夙川」「神戸三宮(三宮)」「岡本」で、これらの街も同様のニーズが期待できそうだ。

 また、筆者がもうひとつ着目したのは、4~5年前に初めてトップ10入りし、その後、現在まで連続してトップ10入りを継続している街があったことだ。関東では武蔵小杉、関西では、千里中央と江坂だ。これらの街に共通しているのは、再開発された街ということだ。現時点ではまだ、東西各2強ほど人気が確立したとは言い切れないものの、今後そうした位置づけの街に成長する可能性は十分ある。

 住みたい街ランキングは、最新の結果が注目されるものだが、過去のランキングも合わせて眺めてみると、さまざまな気づきが得られる。資産価値重視派の方もそうでない方も、暇なときに閲覧してみてはいかがだろうか。

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PROFILE

山下伸介(やました・しんすけ)エディター&ライター

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京都大学工学部卒。株式会社リクルート入社。2005年より週刊誌「スーモ新築マンション」の編集長を10年半務める。これまで優に1000名を超える住宅購入者、検討者の実例を見てきた経験から、損得では語れない住まい選びの勘所に詳しい。2016年に独立し、住宅関連テーマの編集企画や執筆、セミナー講師などで活動中。一般財団法人住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー運営委員(2005~2014年)も務めた。ブログはこちら

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