男の服飾モノ語り 山本晃弘

ビジネスマンのバッグ、人気の形、色、サイズ

  • 山本晃弘
  • 2017年5月25日

 このコラムでは、ビジネスマンのバッグについて何度も取り上げてきた。例えば、欧米では女性用のアイテムと考えられていたトートバッグをビジネスで最初に使いはじめたのは、日本の男たちであること。定番色であるブラウンをしのぐ勢いで、ネイビーのバッグが売れていること。自転車通勤に限らず、リュックサックが通勤バッグとして市民権を得つつあること。かくのごとく男性のバッグには、スーツと同様に、あるいはそれ以上に、さまざまなトレンドが生まれてくる。今回も、昨今のトレンドをいくつかピックアップしてみよう。

(写真1)かぶせ型と呼ばれる形が、いま人気。横420ミリ、縦300ミリ、マチ130ミリ。ブラック。6万6000円/ファーロ(セルツリミテッド 03-3448-1330)

 まず、最近人気の形。それは、かぶせ型と呼ばれるバッグである。トートバッグはカジュアルすぎる、ブリーフケースは堅すぎる。そう考えるビジネスマンのニーズから、人気が高まっていることが想像される。(写真1)は、かぶせ型バッグの典型。フェミニンな雰囲気に見えるが、それがかえって柔らかさを求める時代の空気感に合っているようにも思えてくる。フラップを上げると開口部が大きく開き、荷物の出し入れがトートバッグ同様に楽なのもいい。

(写真2)グレー、もしくはグレーとベージュとの中間色であるグレージュが人気のカラー。横430ミリ、縦330ミリ、マチ170ミリ。グレージュ。5万円/トフ&ロードストーン(T&L 03-6455-5520)

 次に、人気の色。前述したネイビー人気は、すっかり定着して、すでにバッグの定番色となった感がある。そしていま、トレンドになりつつある色がグレー。それも、黒と見まがう濃いチャコールグレーではなく、ライトグレーやグレーとベージュの中間色であるグレージュといわれる色だ。男性の服飾にとっての三原色が「ネイビー、グレー、ブラウン」であることを考えると、バッグの色としてグレーに焦点が当たるのは、遅かったぐらいかもしれない。(写真2)はトレンドカラーのグレージュで、しかもかぶせ型のバッグ。ファッションに敏感な上級者のビジネスマンにおすすめしたい。

(写真3)レザートートも人気色のグレーを選べば新鮮。横450ミリ、縦300ミリ、マチ140ミリ。ライトグレー。6万8000円/ファーロ(セルツリミテッド 03-3448-1330)

 トートバッグの人気は、ここにきて盛り返している。スマートな縦型トートが一時トレンドになったが、やはり使い勝手がいいのは、開口部の広い横型。(写真3)のようなライトグレーのレザートートは、ビジネス用途にはもちろん、週末のカジュアルシーンで使っても大人っぽくてステキだ。

(写真4)ブリーフケースは、薄マチ、小型に注目。横370ミリ、縦280、マチ60ミリ。ダークグレー。3万8000円/トフ&ロードストーン(T&L 03-6455-5520)

(写真5)「トープ」と呼ばれる、茶色がかったグレーも人気色。横350ミリ、縦270ミリ、マチ70ミリ。トープ。4万8000円/ペッレ モルビダ(ウエニ貿易 03-5815-5720)

 いまビジネスシーンで最も多く使われているレザーブリーフにも、新たな傾向が生まれている。それは、「小ぶりで薄マチ」というトレンド。10センチから15センチのマチをもつバッグが多いなかで、(写真4)のバッグのマチは6センチだから、薄さは一目瞭然である。(写真5)もやはり、マチが7センチと薄型。ベージュ系のきれいなカラーを、このブランドでは「トープ」と呼んでいる。金具パーツに真鍮(しんちゅう)を使うブランドあり、同素材レザーのネームタグをつけるブランドあり、いずれも劣らず、細部へのこだわりが感じられる。「ディテールコンシャス」もしくは「パーツコンシャス」であることが、昨今人気のあるバッグの共通条件といっていいだろう。

(写真6)バッグインバッグとしても使えるスマートポーチが注目されている。横285ミリ、縦190ミリ、マチ30ミリ。ネイビー。3万円。レザーのブリーフケース。横410ミリ、縦300ミリ、マチ95ミリ。ブラック。8万2000円/ペッレ モルビダ(ウエニ貿易 03-5815-5720)

 新しいアイテムとしていま注目を集めているのが、(写真6)でブリーフケースのそばにあるスマートポーチ。財布よりも大きくて、クラッチよりも小さい。これまでも、小物を入れるバッグインバッグとして似たアイテムはあったが、スマートポーチという呼び名で独立したカテゴリーと考えられるようになったのは最近のこと。実はこのアイテム、最初に使いはじめたのは女性のビジネスパーソンのようだ。ランチタイムにスマートフォンとお金を入れて出かけるためのバッグとして使われるようになり、スマートポーチというネーミングとなったと推測される。確かに、どのようにスマートフォンを持ち歩くかは、男性にとっても悩みどころ。ジャケットの内ポケット、それともパンツのポケット? いずれもスーツのシルエットを乱すことになるので、おすすめしない。ましてや会社と個人のスマートフォン2台持ちとなると、持ち歩く姿は、もはやスマートとはいえなくなる。そのように考えてくると、男性ビジネスマンにもスマートポーチが流行することは容易に想像がつくのである。

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PROFILE

山本晃弘(やまもと・てるひろ)「アエラスタイルマガジン」(朝日新聞出版)編集長

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「アエラスタイルマガジン」(朝日新聞出版)編集長。男性ファッション誌「MEN’S CLUB」や「GQ JAPAN」などの編集を手がけた後、2008年に朝日新聞出版の設立に参画。季刊誌「アエラスタイルマガジン」を創刊し、ビジネスマンに着こなしを提案。同時に、さまざまなメディアで展開するファッション企画の制作を手掛けている。

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