森秀光 お金のセオリー

収益の大部分が投資家に分配される不動産投資信託(REIT)

  • 森秀光
  • 2017年5月31日
  •   

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 REIT(リート)とは、「Real Estate Investment Trust」の略で、不動産投資信託のことです。投資家から集めた資金をもとに、主に不動産に投資し、購入した物件の賃料収入や、物件の売買で得られた収益を投資家に分配する商品です。

 日本のREITは「J-REIT」(ジェイ・リート)と呼ばれ、2017年4月末時点で58銘柄が証券取引所に上場しており、市場全体の時価総額は約12兆円となっています。J-REITの保有不動産は、主にオフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテルの五つに分類され、用途別では「オフィス」の割合が多く、所在地別では「東京」が中心となっています。

 J-REITの最大の魅力は、利益の90%超を分配すれば法人税が課税されず、収益のほとんどが投資家に分配される仕組みとなっていることから、相対的に高い利回りが期待できることです。2017年4月末時点でのJ-REITの平均予想分配金利回りは3.87%ですが、東証一部株式配当利回り(1.70%)や、10年国債利回り(0.02%)と比較すると高い水準となっています。

 また、実物不動産と比べて、少ない資金(数万円)から購入できること、分散投資が可能であること、そして流動性が高いことがメリットです。REITは上場株式と同様に取引所で売買できるため、換金性に優れているといえます。価格は、証券会社、J-REIT、証券取引所のホームページなどで確認できます。売買の手数料は、株式と同じです。購入するには、証券会社に口座を開設し、証券会社を通じて行います。

 注意点は、不動産特有の価格変動リスクがあることです。REITが保有する物件の賃料収入が減ったり、保有物件の価格が低下したりすることで、分配金や価格が変動する可能性があります。また、REITは借り入れや債券発行によって資金調達していることが多いため(総資産に対する有利子負債の割合は平均約44%)、金利変動によっても価格や分配金が変動するリスクがあります。

 不動産は株式とならんでインフレ(物価上昇)に強い資産の代表例です。不動産への投資は、株式・債券などへの投資とは異なる特性があるため、リスクを分散する上でも有効です。資産形成を目的として長期で保有するなら、低コストで分散投資が可能な、東証REIT指数連動型のETF(上場投資信託)や投資信託がおすすめです。

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PROFILE

森秀光(もり・ひでみつ)

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1966年生まれ。一橋大学経済学部卒業。1990(平成2)年に野村證券(株)入社後、主に個人富裕層向けの資産運用アドバイス、企業オーナー向けのコンサルティング業務に従事。2011年より森オフィス(株)代表取締役として個人向け資産コンサルティング業務に従事。中立的な立場から、有価証券だけでなく、不動産、自社株、相続・事業承継など、多様な側面から資産の分析を行い、最適な解決策を提供することを目指している。主な著書に「超低金利・大増税時代の資産防衛戦略」

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