女子アスリート応援団

左サイドバックで「なでしこ」定着を狙う サッカー・北川ひかるさん

  • 2017年6月6日

浦和レッドダイヤモンズレディースの北川ひかるさん

  • 細い足だが、シュートは強烈。「速いシュートを打つのに必要なのは力じゃないんです。ボールを蹴(け)るときに、脚の振りのタイミングを合わせられるかが重要」

  • 屋外での練習や試合が多いにもかかわらず、雪のように白い肌。「全く焼けないんです」。瞳の色素も薄いため、「ハーフ?」と聞かれることも多いという

  • プレナスなでしこリーグ第1節 日テレ・ベレーザ対浦和レッズレディース戦 撮影2016年3月 (C)URAWA REDS

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 保育園の頃からボールを追いかけ、20歳になった今もサッカーに夢中。なでしこリーグの強豪、浦和レッドダイヤモンズレディースでプレーする北川ひかるさんの子ども時代の思い出は、ほぼサッカーで埋め尽くされている。「おままごとなんかもやっていたらしいんですが、それは全く覚えてない。とにかくサッカーが楽しくて、男の子相手でも負けないって気持ちでやっていました」

北川ひかるさんの写真特集

 生来の負けん気の強さはプレーに表れる。持ち味であるアグレッシブさに加え、一対一の場面での勝負強さなどが評価され、今年3月に行われた国際大会で初めてサッカー日本女子代表(なでしこジャパン)に招集された。結果は6位に終わったが、左サイドバック(SB)として出場し、小学生の頃からの夢だった代表デビューを果たした。

アカデミーで見いだされたSBの才能

 いわゆる「サッカーエリート」。地元・石川県の小学校を卒業すると、日本サッカー協会がトップ選手の育成を目的に運営している中高一貫のJFAアカデミー福島へ。母の薦めで受けたそうだが、「全国から女の子だけでも130人がセレクションを受けて、合格者は5、6人」の超難関を見事くぐり抜けた。単身福島へ引っ越して、寮生活がスタート。朝練をして、昼は近隣の公立中・高に通い、夕方からはまた練習という、サッカー漬けの6年間を送った。

 アカデミー時代も今も、数少ない左利きのプレーヤーであることが彼女の大きなアドバンテージだ。左サイドからの攻めに有利に働く利き足を武器に、入学当初は前線のフォワード(FW)としてバリバリ点を取りにいくことが多かった。転機は15歳のとき。「対人の強さや攻撃力を評価されて、左SBをやってみないかとアカデミーの監督から言われたんです」

 勝ち気な性格もあって、「もっと攻撃に参加したい」と最初は不本意だったが、プレーしていくうちに守備のおもしろさ、ボールを奪う楽しさを知る。「ディフェンダー(DF)でありながら、一気にオーバーラップして得点を狙えるSBは、足が速く、持久力もあり、さらにシュート力もある自分に合っていました」

 エリートぞろいのアカデミー内でも常にトップ選手として活躍し、U17ではW杯優勝を経験。2016年、早稲田大学に進学すると、かねてより誘いを受けていた浦和レッドダイヤモンズレディースへの加入も決めた。

金メダルが両親への親孝行

 3月の国際大会出場時に右足中指を骨折して戦線を離脱していたが、リハビリも順調にこなし、完全復帰の日は近い。「感覚はまだ戻ってない部分があるので、試合出場はもう少し先になる」と話すが、焦りはない。ピッチ外から観戦したこの3カ月は、いい勉強になった。「他のSBのプレーを見ていると、自分ならあの場面でどうするかとか考えさせられることばかり。見ることでの学びは大きかったです」

 今、一番かなえたい夢は東京五輪での金メダル。そのためには「所属チームでの活躍はもちろん、代表メンバーとして定着しないといけない」。なでしこの高倉麻子監督とは16歳の頃からのつきあい。U17でW杯を制したとき、指揮をとっていたのが高倉監督だった。北川さんが全幅の信頼を寄せる監督からは、フィジカルの強さやテクニックに加え、最近は戦術理解度が上がってきたことが評価されている。今後の課題は「守備の連係強化と、もっと得点に絡めるようにプレーの選択肢を増やすこと」と表情を引き締めた。

 オリンピック出場は、両親への親孝行でもある。「12歳で家を出ることになってすごく寂しかったけど、親はもっと寂しかったと思う。それでも送り出してくれたから今があるので、絶対に金メダルをとりたいです」

(文・渡部麻衣子、写真・黒澤義教)

    ◇

北川ひかる(きたがわ・ひかる) サッカー選手。1997年5月生まれ。石川県出身。浦和レッドダイヤモンズレディース所属

 趣味はバイオリン。「サッカーが最優先だったからレッスンがある日以外は練習しなかった」が、保育園の頃から週1回で通い始め、小学校でも続けた。「耳が良かったのか、譜面を見て練習しなくてもなんとなく何回か曲を聴けば弾けたんです」。今でも帰省するとバイオリンの演奏を楽しむという。

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