銀座・由美ママ 男の粋は心意気

誰とでも世代を超えた関係性が築ける人こそ“真の粋人”

  • 文 伊藤由美
  • 2017年6月8日

  

  • 銀座「クラブ由美」オーナーママ・伊藤由美

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 「今の若いヤツは……」「オレが若い頃は……」。こんな言葉が口癖になっている上司や先輩がいますよね。職場に限らず、世の中全般的なお決まりのフレーズでしょう。あまり自覚症状がないようで、つい口に出してしまう条件反射なのかもしれません。かつては50~60代以上の世代の常套句(じょうとうく)だったと思いますが、最近は30代の若者世代でも使われているような気がします。私などに言わせれば「あなただって、今の若い人でしょ」なのですが……。

 ちなみに若者への嘆き節は、今に始まったことではないようです。古代エジプトやローマの遺跡などにも「最近の若者は……」の壁面文字があったという話を聞いたことがあります。どれほど時代が移り変わろうとも、世代間での様々なギャップは生まれるものなのだと、妙に納得したのを覚えています。

 「オレが若い頃、仕事は先輩を見て自分で覚えたものだ。それを今の若い連中はイチから言わなきゃ動かない」。そして、その言葉の後には「だから、お前らもそうしろよ」というひと言が隠されているのは言うまでもありません。会合の席で、若い新人相手に上司が話している光景が目に浮かんできます。

 確かに、上司の言うことにも一理あります。本人はそうした若い時代を過ごすことで、仕事に打ち込んできたのかもしれません。でも、それはあくまでその人の生き方であり、価値観なのですね。人にはそれぞれ生きてきた環境があり、背景があります。そこから個性や個々の価値観が生まれてくるのです。そう考えれば、自分の価値観をそのまま他人に当てはめて押し付けるのは無理がありますよね。まさに無粋なのです。

 ただし、これはそのまま若い世代にも言えること。上司や先輩たちの価値観を「古い」「時代に合わない」と決め付けてしまうのもまた、無粋でしょう。「自分の世代が正しくて、相手の世代は間違っている」という、その価値観自体がいかがなものでしょうか。

 世代や生きてきた時代、培われた価値観は違っても、人から教えられ、学ばされ、気付かされることはたくさんあります。違う環境や世代から生まれた価値観を頭から否定せず、自分の価値観だけを押し付けず、バリアフリーにして人と向き合う。誰とでも世代を超えたそんな関係性を築ける人こそ“真の粋人”だと思います。

 次回は6月22日の配信を予定しています。

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PROFILE

伊藤由美(いとう・ゆみ)銀座「クラブ由美」オーナーママ

写真

東京生まれの名古屋育ち。18歳で単身上京、クラブ「紅い花」に勤務。その後、19歳で「クラブ宮田」のナンバーワンに。さらに22歳で勝新太郎の店「クラブ 修」のママに抜擢される。1983年4月、23歳でオーナーママとして「クラブ由美」を開店(2013年に30周年を迎えた)。15年11月に「シャンパーニュ騎士団」より叙勲、オフィシエ(将校)を女性経営者として初叙任。著書に『スイスイ出世する人、デキるのに不遇な人』『銀座の矜持』(共にワニブックス)、『粋な人、無粋な人』(ぱる出版)、『記憶力を磨いて、認知症を遠ざける方法 銀座のママと脳神経外科医が語る、記憶の不思議とメカニズム』(ワニ・プラス)などがある。また、女優の杉本彩さんが理事長を務める「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva(エヴァ)」の理事も務め、動物愛護活動をライフワークとする。

BOOK

「粋な人、無粋な人 自分では気づかない恥ずかしいこと」(ぱる出版) 銀座「クラブ由美」オーナーママ 伊藤由美 著

 銀座「クラブ由美」オーナーママ 伊藤由美
「みっともないから、おやめなさい!」。粋な人と無粋な人の違いとは? 粋な人はモテる。粋な人は出世をする。やってはいけない恥ずかしいことを心得ている。無粋な人は、自分がなぜモテないのか、出世しないのか、それに気づかない。銀座・高級クラブのオーナーママとして30余年。人間観察のプロが明かす、粋な人はやらない57のこと。

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