拝見!モデルルーム

まるで変形ロボット! 進化する都心マンションの未来形!?

  • 物件:CREVIA「間取りの無い家」
  • 2017年6月22日

スペースを有効活用する目的で作られた実験施設「間取りの無い家」。部屋のパーツはすべて壁面に収納されている

  • ユニットを出し入れすることで、がらんとした状態からさまざまな生活シーンにマッチした間取りに変形できるのが魅力の「間取りの無い家」

  • 壁に収納されたベッドや、間仕切りと収納を兼ねたユニットを引き出すことで、何もなかった空間に寝室が出現する

  • 壁からユニットを引き出すだけで簡単に作れる大きなスクリーンのシアタールーム

  • シアタールームやキッチン、ダイニング用のテーブル、脱衣所など、ユニットをすべて出した状態

  • こんな茶室も、使わない時は壁の中にすっきり仕舞える

  • 「間取りの無い家」の実証実験が行われているレジデンスサロン。「間取りの無い家」に関しては、一般公開は行われていない

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 がらんとしていた空間にベッドルームやシアタールーム、茶室が次々と現れ、まるで変形ロボットのように進化していく――。伊藤忠都市開発がブランドプロモーションと実証実験を兼ねて作った「間取りの無い家」は、スペースを有効活用するにはどうしたらいいかを追求したモデルルームだ。今年2月からテリー伊藤が出演したトレインチャンネルやインターネット動画でも話題となった。一般公開はされていないが、取材可能とのことなので、その不思議な空間を体験すべく、東京・小石川にある同社のレジデンスサロンを訪ねた。

CREVIA「間取りの無い家」写真特集

壁の中に格納されたユニット

 玄関を開けて中に一歩足を踏み入れると、ネーミングどおり、目の前にがらんとした空間が広がる。専有面積は89平方メートル。間仕切りがないせいか、かなり広く感じる。玄関以外に扉らしい扉は2枚。部屋とトイレ、部屋とバスルームを仕切るものだけだ。キッチンも洗面所も見当たらない。変形ロボットに例えれば、これがいわば「覚醒前」の状態。ここから用途に応じて、部屋の形が変わっていく。

 まずは寝室。壁からダブルサイズのベッドがパタンと降りてくる。そして側面の壁から間仕切りをスルスルと引っ張り出すと、ものの2~3分で6畳ほどの寝室が完成。しかも間仕切りの内側には収納スペースが備わっており、そのままクローゼットに早変わりだ。

 さらに別の壁をグッと引っ張ると、床から天井まで高さ2メートル近い幅の壁がスルスルと引き出される。内側はソファで、そこに座ると目の前には大画面スクリーン。あっという間にシアタールームになった。巨大なシェル(貝殻)に包まれたような空間は、まさにプライベートシアターだ。

 ゴロゴロと寝転べる畳敷きの茶室もある。シアタールームよりは手間がかかるが、これも壁から引き出すタイプだ。寝室、シアタールーム、茶室、これらはすべて片側の壁面から現れたが、逆サイドの壁面がまだ残っている。その中にはキッチンと移動式カウンターが隠れていた。壁面のスライドウォールを全開にし、カウンターをキッチンの対面に置けば、作業台付きのキッチンスペースとなった。

 収納スペースからロングテーブルとイスを取り出して並べれば、ゲストを招いてパーティーも十分いける。最後にバスルーム横の大きな壁を開くと、そこには洗面台が……。開いた壁はそのまま間仕切りの一部となり、カーテンを閉めれば囲まれた空間は脱衣所に変身した。「完全覚醒」した部屋には、もはや最初の何もなかった空間の面影はない。

気になる商品化の行方

 伊藤忠都市開発で商品企画を担当する武市健太さんによると、最近の都心のマンションは価格との兼ね合いから専有面積が狭くなる傾向にある。それが「間取りの無い家」の発想の起点だったという。例えばキッチンや脱衣所は、使わない時はデッドスペースになる。だから必要なときだけその空間を作り、それ以外は別の用途で使えるよう、より踏み込んだ形で部屋の可変性を高めるというアイデアへと発展した。

 ただ、実際の生活に役に立つかどうかなど課題も多く、商品化については検討中だそうだ。「限られたスペースを多様に、かつ体感的に広く使えるというコンセプトを持った商品を作っていきたい」と武市さん。この実験で得たノウハウから、さらに使い勝手や生活のしやすさを向上させた進化形「間取りの無い家」が誕生した暁には、マンションの選び方や暮らし方も、より一層ワクワクするものになっているだろう。

(文・中野剛 写真・田中さとし 構成・タラコデザイン 取材日:2017年5月31日)

【物件概要】CREVIA「間取りの無い家」
「理想の住まいを考え、創造していく」をコンセプトに伊藤忠都市開発が2015年春から展開している「CREVIA CREATIVE CHALLENGE(クレヴィア・クリエーティブ・チャレンジ)」の第三弾として、今年2月に実証実験がスタート。東京都文京区小石川にある同社レジデンスサロン内に作られたモデルルームは専有面積89平方メートル。備え付けのバス、洗面室、トイレ、キッチンのほかに、ベッドルームやシアタールーム、畳敷きの茶室の可動式ユニットが組み合わされている。なお施設は一般公開されていない。

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