森秀光 お金のセオリー

当面使わない、まとまったお金は預金と債券、どちらで運用する?

  • 森秀光
  • 2017年6月28日
  • (Sean_Kuma / getty images)

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 昨年4月の本コラム「個人向け国債の隠された魅力とは?」で、安全資産として「個人向け国債変動10年」の魅力について解説しました。ポイントは、銀行の定期預金より高い金利で、1年以上保有すれば元本割れがなく、最低金利が保証されていることに加えて、各金融機関が実施するキャッシュバックキャンペーンなどで実質的な金利を大幅にアップできることです。案の定、人気となって、平成28年度の個人向け国債の発行額は9年ぶりの高水準となりました。この超低金利の環境下で、将来の金利上昇に備えた「変動金利型」であることも人気の要因となったと思われます。

 読者の皆さんの中でも、「当面使う予定のない、まとまったお金があって、利息は多い方がいいけど元本割れだけは回避したい」という方は、「債券」を選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

 債券と預金を比較してみましょう。まず、両者の共通点は、満期まで待てば元本や利子の支払いが約束されていることです。他方、異なる点は、債券は満期日まで待たなくても、市場で売買できることです。ただ、債券の価格は日々変動しているため、途中で換金する場合は、購入価格より安くなることもある点に注意が必要です。

 元本返済や利払いの「安全性」についてはどうでしょうか。債券の場合は、債券を発行している国や企業が存続する限り、債務の履行が約束されることになります。これに対して預金は、金融機関が破綻(はたん)した場合、預金保険制度によって、預金者1人当たり、1金融機関ごとに、対象預金の元本1千万円までは保護されますが、1千万円超の部分や利息などについては、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われることになります。

 つまり、債券や預金の「安全性」は、企業や金融機関の財産状況などに左右されるため、債務履行能力をランク付けした「格付け」などを目安に判断することになります。例えば、「格付け会社」である格付投資情報センター(R&I)では、企業や金融機関の総合的な債務履行能力を示す「発行体格付」を付与していますので、そうした意見を参考にします。

 一般的に、格付けの高い債券ほど利回りは低く、格付けの低い債券ほど利回りは高いといったリスク・リターンの関係があります。通常、社債は国債よりも格付けが低く、利回りは高くなります。債券を購入する際には、利回りだけでなく、格付けなどの「安全性」も確認しておくことが大切なのです。

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PROFILE

森秀光(もり・ひでみつ)

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1966年生まれ。一橋大学経済学部卒業。1990(平成2)年に野村證券(株)入社後、主に個人富裕層向けの資産運用アドバイス、企業オーナー向けのコンサルティング業務に従事。2011年より森オフィス(株)代表取締役として個人向け資産コンサルティング業務に従事。中立的な立場から、有価証券だけでなく、不動産、自社株、相続・事業承継など、多様な側面から資産の分析を行い、最適な解決策を提供することを目指している。主な著書に「超低金利・大増税時代の資産防衛戦略」

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