手を引かれての旅行体験からスポーツまで、中心はVR 先端コンテンツ技術展

  • 2017年6月29日

【動画】コンテンツ東京2017の「先端コンテンツ テクノロジー展」=竹谷俊之、久土地亮撮影

  • 「アタリ」社が展示していた被写体を複数のアングルから撮影する装置=竹谷俊之撮影

  • 株式会社アバッタのウィンドサーフィンを疑似体験できる装置=竹谷俊之撮影

  • 「AOI Pro.」の「VR Private Tour(VR個人旅行)」の映像

  • ビービーメディアのガイド「NAT」

  • PROTOTYPE社が展示していたオートバイの運転を再現する装置

[PR]

 最新技術を使った表現や演出を集めた「先端コンテンツテクノロジー展」が28日から、東京都江東区の東京ビッグサイトで始まった。展示の中心は、VR(バーチャル・リアリティー=仮想現実)やAR(オーグメンティッド・リアリティー=拡張現実)と呼ばれる技術を駆使した映像・音楽体験で、オートバイやウィンドサーフィン、野球といったスポーツを疑似体験できる装置や、シューティングをはじめとした各種ゲームが並んだ。それらのコンテンツへの没入感を高めるため、高性能なVRゴーグルなど関連機器のメーカーも出展していた。

 人だかりができていた展示の一つが、映像制作会社「AOI Pro.」の「VR Private Tour(VR個人旅行)」。案内役の人に手を引かれながら、美しい景色の中を“歩く”体験ができる。体験者はVRゴーグルを装着して、装置の前からのびる“手”をにぎると映像がスタートする。ゴーグルの中では、案内役の女性が「こっちこっち」と語りかけ、手を引っ張る。引かれるままに歩き始めると、足の下にある装置が、足の動きを打ち消すように動作するため、歩いたつもりでも、外から見ると同じ場所で足だけ動かしている。映し出される森や洞窟、海岸の美景は、千葉県内で実際に撮影された映像からつくられている。場面に合わせて送風機が体験者の顔に風を当て、かすかに森の香りなど3種類のにおいも出す。

 同社体験設計部の吉澤貴幸部長は、妻に手を引かれて世界を旅するインスタグラムの投稿が人気のムラド・オスマンさんの映像を見て、この装置を企画したそうだ。吉澤さんは「誰もが世界各地に旅行したいと思っているが、お金がかかったり、時間がなかったり、さまざまな理由で実現できない人も多い。従来のVRコンテンツよりも訴えかける感覚を増やしたこのコンテンツで、より現実に近い旅行体験をしていただきたい。空間だけでなく、表示させる映像次第で、過去の日本を歩く体験も可能になる」と話す。

 体験者に脳波を測定するセンサーも装着してもらうことで、どの場面でどんな感情を抱いたか、リアルタイムに計測できるようにもなっていた。同社は、VR旅行のほか、野球のバッターボックスに立ち、時速165キロの速球を打ち、キャッチャーミットで受けるコンテンツも展示していた。

 VR以外の先端技術で注目を集めていたのが、デジタルコンテンツ制作会社アタリが展示していた「フォトグラメトリー(写真測量)」で作った映像だ。これは被写体を複数のアングルから撮影して精巧な3次元データを作る技術で、人間を撮影すれば、本人そっくりの3Dデータを作り出すことができる。展示された映像では、同社の飯塚岳人社長を撮影してつくられた3Dデータが、目をぎょろぎょろさせたり、ほほえんだりする。飯塚社長本人に説明してもらいながら見てみたが、ビデオカメラで本人を撮影した映像だと言われても信じてしまいそうな出来だった。

 飯塚社長によると、海外ではすでに人物の3Dデータが映像コンテンツに“出演”している。今後は、人気の俳優やタレントの3Dデータを作成して、CM制作に使用するなどの活用が想定できるそうだ。「忙しいタレントさんのスケジュールを押さえるコストよりも、3Dデータで作品をつくるほうがコストがかからないかもしれない。すでに著名人の3Dデータを管理するビジネスも立ち上がっている」と解説してくれた。

 そのほか、AR技術の応用としては、空間認識システム「Google Tango」を使い、スマートフォンをかざすことで、展示の説明が表示されるガイド「NAT(ナット)」を展示したビービーメディアや、また、先進コンテンツテクノロジー展のエリアのすぐ隣で展示していたヤマハの立体音響制作技術「ViReal(バイリアル)」も人気があった。ヤマハの技術は、自分が管弦楽の奏者に囲まれて演奏を聞いていると感じさせる“音”の録音と制作を可能にしていた。

 今回紹介した展示は、コンテンツ関連ビジネスを集めた総合展示会「コンテンツ東京2017」の一部で、30日まで開催されている。

(文・&M編集部)

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

今、あなたにオススメ(PR)

Pickup!

Columns