銀座・由美ママ 男の粋は心意気

自分自身で動くからこそ、その経験には学びがあり成長がある

  • 文 伊藤由美
  • 2017年7月6日

  

  • 銀座「クラブ由美」オーナーママ・伊藤由美

[PR]

 仕事だけではなく、何事においても共通するのですが、何でも人にやってもらうことが平気な人がいます。言葉を変えれば、人に頼りきりな人です。以前に「クラブ由美」で働いていた女の子から「あとはよろしく系」の女友達の話を聞いたことがあります。

 例えば、彼女がその友達から「映画を観(み)に行こうよ」と誘われて「いいよ」と答えたとします。すると、その友達は「私、よく知らないから、おもしろそうな映画調べてみて。映画館もどこがいいか調べておいてくれる?」と言って、彼女に丸投げ。それはお茶や食事などでも、一事が万事なのですね。

 彼女が「私はどんな映画でもいいから、あなたに任せるわ」と言うと、面倒なのか「じゃあ、いいや」となるのです。「仕方ないから、私が全部決めて連絡してあげると『サンキュー、やっぱ頼りになるわ』って。私のこと、コンシェルジュと思っているのかしら」と呆(あき)れていました。

 自分で動かず、人に頼るばかり。申し訳なさそうにしたり、できない理由を説明するならまだしも、当たり前のように「じゃあ、やってよ」。これでは、周囲の視線も冷たくなってきます。でも、当人がその視線の冷たさに気づいていないこともよくあるケースでしょう。

 何でも頼りきりの人といえば……。仕事がデキない人には「恥をかかない、汗をかかない、動かない」という共通点があるというのが、銀座で多くのビジネスマンを見てきた私の持論で、そういう人を「3かない人間」と呼んでいます。

 例えば、仕事で何かわからないことがあったら、すぐに誰かを頼る人。わからないから人に聞くのがなぜ悪い? という意見もあるかもしれませんが、もちろん疑問を解決するのは大切なことです。困ったときやわからないとき、誰かにヘルプを求めれば解決が早くなる場合もあるでしょう。ただ、そのような人は、調べればわかるようなことでも自分で調べず、考えればわかるようなことでも自分で考えず、すぐに人に聞くという傾向が強いように思えるのです。まず、可能な限り自分の力で調べてみる。自分の頭で考えてみる。それでもわからなければ、そこで初めて人を頼って教えてもらえばいいのです。

 結果だけを得たところで、そこからは何も学べません。自分自身で動くからこそ、その経験には学びがあり成長があるのですよね。

 次回は7月20日の配信を予定しています。

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

伊藤由美(いとう・ゆみ)銀座「クラブ由美」オーナーママ

写真

東京生まれの名古屋育ち。18歳で単身上京、クラブ「紅い花」に勤務。その後、19歳で「クラブ宮田」のナンバーワンに。さらに22歳で勝新太郎の店「クラブ 修」のママに抜擢される。1983年4月、23歳でオーナーママとして「クラブ由美」を開店(2013年に30周年を迎えた)。15年11月に「シャンパーニュ騎士団」より叙勲、オフィシエ(将校)を女性経営者として初叙任。著書に『スイスイ出世する人、デキるのに不遇な人』『銀座の矜持』(共にワニブックス)、『粋な人、無粋な人』(ぱる出版)、『記憶力を磨いて、認知症を遠ざける方法 銀座のママと脳神経外科医が語る、記憶の不思議とメカニズム』(ワニ・プラス)などがある。また、女優の杉本彩さんが理事長を務める「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva(エヴァ)」の理事も務め、動物愛護活動をライフワークとする。

BOOK

「できる大人は、男も女も断わり上手」(ワニブックスPLUS新書) 銀座「クラブ由美」オーナーママ 伊藤由美 著

 銀座「クラブ由美」オーナーママ 伊藤由美
「はっきりNOと言えればこんなに楽なことはないけれど」。誰しもが日常感じていることであろう。銀座で35年間にわたって一流クラブのオーナーママを務めてきた著者は「長年、政財界で活躍するお客様と接してきて感じるのは、できる人は男女ともに、断わり方がお上手だということです」と語る。また、お店で働く数多くの女性たちを見てきて、断わり上手な女性の方が長いスパンでお客様の信頼を獲得できることも感じてきたという。ビジネスから恋愛まで、著者が接客のプロとして大切にしてきた、今すぐ使える、角の立たない「お断わりの作法・技術」。

今、あなたにオススメ(PR)

Pickup!

Columns