女子アスリート応援団

東京五輪は地元江の島で開催、今度こそメダルを セーリング・土居愛実さん

  • 2017年7月18日

オリンピック2大会連続出場を果たした、セーリング女子レーザーラジアル級選手・土居愛実さん(撮影:平井淳一/提供:アビームコンサルティング株式会社)

  • 3度目のオリンピック出場を引き寄せ、悲願のメダル獲得を狙う

  • 2017年6月にスペイン・サンタンデールで行われたセーリングワールドカップ・ファイナル (撮影:平井淳一/提供:アビームコンサルティング株式会社)

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 風の力を巧みに操り、水上を滑走するセーリング。女子1人乗りのレーザーラジアル級で2012年のロンドン、2016年のリオデジャネイロと、オリンピックに2大会連続で出場した土居愛実さん(23)が今、好調の波に乗っている。5月下旬にオランダ・メデンブリックで行われた国際大会では、リオの金・銅両メダリストを破って優勝。8月に同じ場所で開催される世界選手権でも頂点を目指す。

土居愛実さんの写真特集

 セーリングは、海上に設定されたルートを周回して着順を競う。潮の流れや波の動き、風の方向を読みながら船を進めるのは難しいが、「読み切れないところも競技の魅力」と土居さんは言う。ダイナミックに体全体を使い、海面と平行になるほどに体を反らせながら帆を垂直に立たせ、ヨットをぐんぐんスピードにのせていく。

手本の動きをすぐにマスター

 ヨットとの出会いは、小学校に上がる前のこと。2学年上の兄が通っていた横浜のヨットスクールで、コーチと一緒にボートの上から兄の練習を見守った。その流れから小2で自分も始めることにしたものの、当初は1人で海に出るのが怖かったという。だが、1年、2年とやるうちに、ヨットを自在に動かせる面白さに目覚めた。練習に一層熱が入り、中学生になるとユースの欧州選手権やアジア選手権に出場するまでになった。

 上達の秘密は、コツをつかむ早さにある。海外の有力選手の動きも、良さそうなものはすぐに採り入れて自分のものにしてきた。「中高で習っていたダンスも、お手本を見たらすぐにマスターできちゃうタイプでした。見て覚えるのが得意なんだと思います」

 高校入学を機に江の島が拠点のヨットスクールに移ると、ジュニア用のヨットより2回り以上も大きいレーザーラジアル級に乗り換えた。扱いに苦労したが、ハードなウェートトレーニングで腹筋や腕を鍛えながら体重を20キロ近く増やしたことでヨットを手足のように扱えるようになり、高2でユースの世界選手権2位に。「いつかオリンピックに出たい」と意識するようになった。

地元・江の島で迎えるオリンピック

 「いつか」は、思ったよりも早くやってきた。2012年の世界選手権で日本人最高位の52位になり、ロンドン・オリンピックの出場権を得たのだ。そのとき18歳。「出たいというよりも出られちゃったという感じ」だったため結果は31位と振るわなかったが、なんの気負いもなく全力を出し切ることができた。しかし、2度目のオリンピックとなったリオでは、4年間メダルをとることを目標に練習を重ねてきた思いの強さがプレッシャーとなり、レース中に頭が真っ白に。体も思うように動かず、20位に終わった。「自分が知らない自分に出会ったというか、初めての経験でした」。メンタルの強化や苦手意識のあるスタートの改善が、課題として残った。

 2020年、東京オリンピックの会場は子どもの頃から慣れ親しんだ江の島の海。通常の大会では1週間ほど前に現地に入り、潮の流れや風の特徴をつかむための海面調査を行うが、オリンピックでは多くの選手がその調査に4年をかける。“ホーム”でレースに臨めるのは、大きなアドバンテージだ。「潮の流れ、波、風。すべてを読み切って、誰よりも前を走れた時が一番気持ちいい」と話す土居さんにとって、競技を続ける上で何よりのモチベーションになるのが、勝った時の達成感。勝ちを重ねることで3度目のオリンピック出場を引き寄せ、悲願のメダル獲得を狙う。地元開催という最高の舞台で、最大の達成感を得るために。

(文・渡部麻衣子、写真・黒澤義教)

    ◇

土居愛実(どい・まなみ) セーリング女子レーザーラジアル級選手。1993年8月生まれ、神奈川県出身。アビームコンサルティング所属。167センチ、64キロ。2012年のロンドン五輪31位、2016年のリオ五輪20位。

 土居さんの兄もセーリング選手(470級、2人乗り)。リオオリンピックは、兄妹そろっての出場がかなった。「兄とはすごく仲が良くて、一緒にいるとリラックスできます」。東京オリンピックも兄妹そろっての出場を目指す。

>土居愛実さんの写真特集

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