森秀光 お金のセオリー

いま債券を買うなら「固定金利」と「変動金利」のどちら?

  • 森秀光
  • 2017年7月12日
  • (Sean_Kuma / getty images)

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 前回「個人向け国債10年変動金利」について解説しましたが、これは金利の変化に連動して利率が変化する「変動金利型」で、どちらかというと債券の中では特殊な商品でした。債券には、国債のほか、政府保証債、地方債、金融債、普通社債などさまざまな種類があります。発行額が圧倒的に多いのは、購入時の利率が満期まで変わらない「固定金利型」です。もし今債券を購入するとすれば、「固定金利」と「変動金利」、どちらが有利でしょうか?

 「固定金利型」債券の良い点は、購入した時点で満期まで保有した場合の最終的な投資結果(キャッシュフロー)が見えることです。たとえば、最近発行された東京電力関連会社の社債は、利率(年)0.52%、年限5年、年2回利払い、100万円単位という条件でした。仮に、5年以上使わないまとまったお金があって、当社債を購入して満期まで保有した場合、金利の変化に関係なく、発行会社が破綻(はたん)しない限り、半年ごとの利子額「額面金額×利率(0.52%)×1/2」が確定していることが大きなメリットといえます。

 他方、留意点は、固定金利型の場合、急にお金が必要になって、途中で換金しなければならなくなったときに、売却時の市場金利の状況によって、売却益が出ることも売却損が出ることもあることです。利率が固定された債券は、購入した後に金利が上昇した場合、相対的に魅力が薄れてしまうため、価格は下落することになります。反対に、購入時よりも金利が下落した場合は、相対的に魅力が高まり、価格は上昇します。一般に、「金利が上昇すると債券価格は下がり、金利が低下すると債券価格は上昇する」という関係があります。「債券価格は金利と逆方向に動く」と覚えておきましょう。

 固定金利か変動金利かを選択する上で、目安になるのが購入時の金利水準です。現在低金利で、近い将来金利が上昇すると予想されるときには、変動金利型の商品で、かつ短期のものが有利になります。反対に、金利がピークと判断されるときは、今後金利が下がることが予想されるため、固定金利で、かつ長期の商品が有利な選択になります。現在は空前の低金利で、インフレ政策がとられていることから、近い将来金利が上昇することも予想されます。したがって、今債券を購入するなら、「変動金利型」で、いつでも元本割れなく換金できるものを選ぶのが得策ではないでしょうか。

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PROFILE

森秀光(もり・ひでみつ)

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1966年生まれ。一橋大学経済学部卒業。1990(平成2)年に野村證券(株)入社後、主に個人富裕層向けの資産運用アドバイス、企業オーナー向けのコンサルティング業務に従事。2011年より森オフィス(株)代表取締役として個人向け資産コンサルティング業務に従事。中立的な立場から、有価証券だけでなく、不動産、自社株、相続・事業承継など、多様な側面から資産の分析を行い、最適な解決策を提供することを目指している。主な著書に「超低金利・大増税時代の資産防衛戦略」

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