横田尚哉 誰のため?何のため?

「お盆休み」って何のため?

  • 文・横田尚哉
  • 2017年8月3日
  • dreamnikon/Getty Images

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 もうすぐ、お盆ですね。お盆に休みを取って帰省する人も多いです。2017年の8月11日「山の日」は金曜日です。11日から16日の6連休という人が大半でしょうか。もしかしたら、17日と18日を有給休暇にして、10連休という方もいらっしゃるかもしれません。

 そもそも「お盆休み」って何のためなのでしょうか。そして、それは今も求められているのでしょうか。

 昔の働き方に「丁稚(でっち)奉公」というのがありました。年少のうちから商店の下働きとして、住み込みで働くコトです。丁稚に出す家族は、自分の息子を商家に託します。商家は、親御さんの子どもを預かり、商いのコトだけでなく、しつけも教えました。

 それゆえ、丁稚奉公中は、起きてから寝るまでのすべてが商家のしきたりに従って生活します。甘えは許されず、実の親やきょうだいに会いたくても会えませんでした。ただ、年に二度だけ実家に帰ることが許されました。それが、盆と正月です。丁稚にとって帰省する喜びは、ひとしおだったことでしょう。

 そう考えると、ファンクショナル・アプローチ的に言い換えると、帰省は親族や地域との《絆を深める》とか、心休まる実家で《精神を癒やす》といった目的があるのでしょう。

 帰省するだけなら、いつでもいいと思います。盆と正月に何か特別なファンクションがあるとすれば、神事や仏事に関することではないでしょうか。正月には神社に詣で、盆には先祖をまつるという日本人の多くが行っている行事と関係があるように思います。《神仏を敬う》というファンクションですね。丁稚奉公中であっても、そればかりは帰省を許していたのでしょう。

 今の時代はどうでしょう。丁稚奉公のような働き方はなくなり、自宅から通勤していればその必要はなくなります。一人で生活しているとしても、帰省しないと《絆を深める》コトができないとか、《精神を癒やす》方法は帰省しかないという時代ではありません。毎日でも連絡が取れるようになりました。

 むしろ、休暇の《キッカケを作る》とか、休暇の《時期を合わせる》といった役割がありそうです。キッカケがないと休めないというのも残念ではありますが、休日消化という大義名分のもと、休みやすくなっています。工場や店舗などは、休業する時は一斉でないと実現しません。みんなが帰省することで、旧友にも会えます。

 そして《神仏を敬う》ために休暇を使うことよりも、家族や仲間と《旅行を楽しむ》ために使う人もいます。このあたりは、欧米のサマー・バケーションのような位置づけになっています。

 大切なのは、自分は何のためにお盆に休むのかを、明確にしておくことです。無意味に帰省しているだけでは、価値がありませんね。ファンクションを明確にし、それを全うすることがお盆休みの価値を高めることになります。

 良いお盆休みをお迎え下さい。

ファンクショナル・アプローチ(FA)では「役割=ファンクション」を《》で表しています。

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PROFILE

横田尚哉(よこた・ひさや)

横田尚哉

経営コンサルタント、改善士。株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役社長。大手コンサルタント会社、本社部長から単身独立。世界最大の企業・GE(ゼネラル・エレクトリック)の改善手法をアレンジして10年間で総額1兆円分の公共事業の改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円を実現させた実績を持つ、業界屈指のコンサルタント。著書に『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ』『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』(いずれもディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ビジネススキル・イノベーション』(プレジデント社)、『第三世代の経営力』(致知出版社)、『問題解決で面白いほど仕事がはかどる本』(あさ出版)など。

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