森秀光 お金のセオリー

株式投資はギャンブルか?

  • 森秀光
  • 2017年8月9日
  • serpeblu / Getty Images

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 株式投資は「ギャンブルと同じ」「リスクが大きい」「損をする」……。こうした投資にまつわる負のイメージがあってなかなか株式投資に踏み込めない、という方も多いのではないでしょうか。「投資」は「投機」や「ギャンブル」とは本質的に異なります。それぞれの違いは、「ゲームの参加者の利益の総額」で判断する考え方がヒントになります。

 まず、競馬・宝くじ・パチンコなどの「ギャンブル」は、主催者が運営料を徴収するため、全員の掛け金の総額より少ない金額を参加者が取り合うことになります。これは、参加者の利益の総額がマイナスになる「マイナス・サム」ゲームです。このようなゲームの参加者は、短期的に利益を得ることはありますが、長期的には利益より損失の方が大きくなります。

 また、株式のデイトレードや為替のFXトレード(証拠金取引)などは、手数料が相対的に小さいため、ほぼ「ゼロ・サム(利益の総額がゼロ)」ゲームといえます。取引の目的は、短期的な資産価格の上下動や価格のひずみのサヤ抜きなどですが、これは「投資(investment)」ではなく「投機(speculation)」です。

 これに対して、株式などへの「投資」は、長期的に企業や国全体の経済成長に伴って全体の資産価値が増え、市場参加者の利益の総額も増えていく「プラス・サム」ゲームであることが前提となっています。例えば、過去10年という長期でみると、株式投資の平均リターン(年率)は日本株式3.1%、外国株式6.3%(いずれも2017年6月末時点)となっており、リーマン・ショックで株価が40~50%以上下落した2008年を含めても、参加者の利益の総額が1~4割程度増えています。

 つまり、「投機」や「ギャンブル」は長期的な期待リターンがゼロまたはマイナスであるゲームであるのに対して、「投資」は期待リターンがプラスとなるゲーム(経済行為)である、ということになります。投機やギャンブルは、資金を増やし続けるのは難しいため、あくまで趣味や娯楽と考えるのが無難ではないでしょうか。株式投資の注意点は、売買に手数料がかかるため、その頻度が高くなるほどプラス・サムからマイナス・サムゲームに変化していくことです。株式投資は長期保有を前提とすることが重要であるゆえんです。

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PROFILE

森秀光(もり・ひでみつ)

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1966年生まれ。一橋大学経済学部卒業。1990(平成2)年に野村證券(株)入社後、主に個人富裕層向けの資産運用アドバイス、企業オーナー向けのコンサルティング業務に従事。2011年より森オフィス(株)代表取締役として個人向け資産コンサルティング業務に従事。中立的な立場から、有価証券だけでなく、不動産、自社株、相続・事業承継など、多様な側面から資産の分析を行い、最適な解決策を提供することを目指している。主な著書に「超低金利・大増税時代の資産防衛戦略」

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