小川フミオのモーターカー

手の届きそうなぜいたく「三菱ギャランΛ」

  • 世界の名車<第175回>
  • 2017年8月14日

リアクオーターピラーにターンシグナルが埋め込まれた2000スーパーツーリング仕様(写真提供=三菱自動車)

  • 北米では当時提携関係のあったクライスラーの販売網でプリマス・サッポロとしても売られた(写真提供=三菱自動車)

  • 1980年まで生産され2代目へとモデルチェンジ(写真提供=三菱自動車)

  • 北米市場にも投入されたので米国規格に適合する角形ヘッドランプが採用されていた(写真提供=三菱自動車)

  • キャビンのデザインが美しいと思わせるアングル(写真提供=三菱自動車)

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 1976年はけっこうおもしろい年だった。日本車の話だけれど、キャラがたっているモデルがいろいろ登場したからだ。

 トヨタ自動車が豪華になった3代目マークIIを、本田技研が欧州的な雰囲気のある初代アコードを、そして三菱自動車が独自のリッチな雰囲気のあるギャランΛ(ラムダ)を、それぞれ発売した。

 12月に登場した三菱ギャランΛは、6カ月前に発売されていたギャランΣ(シグマ)の2ドアクーペ仕様だ。

 といってもおもむきはだいぶ異なる。2515ミリのホイールベースは共通ながら、ぐっとコンパクトに見えるキャビンをもち、パーソナル感が強い。

 特徴的なのは太いリアクオーターピラーとラップアラウンドタイプのリアウィンドー。70年代まで日本車が強く影響を受けた米国車的な雰囲気を持ちつつ、全長4650ミリ、全幅1675ミリと日本の路上に合ったコンパクトな枠のなかで全体の雰囲気をうまく仕上げていた。

 厚みのあるボディーは一般的にはスポーティーになりにくいが、ギャランΛの場合、ホイールハウスのフレア(車体部分のふくらみ)をうまく使って厚ぼったさを感じさせなかった。

 同時にリアクオーターピラーは後輪のほぼ真上にくるよう設計され、古典的な美のプロポーションを守っていた。全体のバランスがいいスタイルなのだ。

 デビュー時、エンジンは2リッターのみ。4気筒エンジンが回るときの独特の振動を打ち消すバランサー「サイレントシャフト」を搭載したアストロン80だ。シングルカーブ版(105馬力)とツインカーブ版(115馬力)があった。

 77年には1600ccエンジンを追加。79年には大排気量化に向かうセリカやフェアレディZといったライバル車に対抗するため2600ccも用意された。

 新車価格は150万円前後で、カローラやシビックの廉価モデルの約2倍。日産ブルーバードなどよりはるかに高価だった。でも頑張れば買えない額ではない。手の届きそうなぜいたくさ。ギャランΛの魅力はそこだったのだろう。

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PROFILE

小川フミオ(おがわ・ふみお)

写真

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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