キャンピングカーで行こう!

キャンピングカー人気ベース車両、ハイエースのモデルチェンジを勝手に予想!

  • 文 渡部竜生
  • 2017年8月9日

人気のハイエースベースのバンコン(バンコンバージョンの略。バンをベースにしたキャンピングカー)ショーでは様々なタイプが並ぶが、外観はまったく同じハイエースなのに、そのレイアウトは千差万別で驚かされる

  • 同じハイエース車内に各ビルダーが様々な工夫を凝らす。思い切って宿泊機能をそぎ落とすタイプから、何から何まで装備したものまでさまざまだ

  • 「次期ハイエースか?」とも言われた、欧州向けプロエースはこんな形。ヨーロッパの前方衝突安全基準を満たすためか、ボンネットがついている

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 トヨタの200系ハイエース(ハイエースとしては5代目モデル。現行型)に、よりクリーンになった新型ディーゼルエンジン、GD型が搭載!

 「おっ」と思った方、いらっしゃるでしょう。残念ながらそれは「香港仕様」のお話。香港の排ガス規制は年々厳しくなっており、従来のKD型ディーゼルエンジンでは規制値をクリアできなくなってきたようです。

 とはいえ「海外の話でしょ」とやり過ごすにはあまりに惜しい話。今回はキャンピングカーのベース車両として特に人気が高いハイエースのモデルチェンジについて、勝手に予想してみたいと思います。

13年にわたる現行継続

 なぜこの話題をわざわざ取り上げるのか。これまでは「大幅な車体変更が必要になるため、200系へのGD型エンジン搭載はないだろう」と言われてきました。それが海外仕様とはいえ、ついに実車が登場したというのは決して小さなニュースではないからなのです。

 200系の登場、つまりハイエースが100系(4代目モデル)からフルモデルチェンジしたのは2004年のこと。以後、マイナーチェンジを繰り返しながら、既に13年が経過しています。これはハイエースの歴史の中で、最長ではないもののかなり長い方といってよいでしょう。その間、「衝突安全性向上のためボンネットがつくらしい」とか「モデルチェンジはナシで、当分はこのまま販売されるらしい」など様々なうわさが飛び交ったものです。

 そして2016年8月。同社からヨーロッパで新型のワンボックスカー「プロエース」が発表されると「次期ハイエースはプロエースの国内仕様になるのでは?」とも言われました。

 しかし、プロエースのスペックをよく見てみると、全長4600ミリ、全幅1920ミリ。これは200系ハイエースの「ロングモデルより短く」「ワイドモデルより幅が広い」(※)という、なんとも中途半端なサイズです。このサイズでは日本の4ナンバー(小型貨物車両)登録の基準を超えてしまい、高速道路料金や自賠責保険も高くなり商用車としては致命的。今後仮にプロエースのようなボンネットのあるハイエースが登場したとしても、プロエースとはまったく別物になると考えた方がよさそうです。

※現行ハイエース
車長:ロング、スーパーロングの2種類
車幅:ナロー、ワイドの2種類
車高:標準、ミドルルーフ、ハイルーフの3種類
ただし、すべての組み合わせが可能なわけではない。
(例:スーパーロングにはワイドボディーのハイルーフのみ)

 そこへ飛び込んできたのが、今回の香港仕様デビューのニュース。こうなると、フルモデルチェンジではなく、マイナーチェンジという説が色濃くなってきます。

■ディーゼルエンジンの刷新

 先程からお話ししているように、現行ハイエースのディーゼルエンジンはKD型。それに代わって、GD型ディーゼルエンジンが搭載される可能性がありそうです。KD→GDで何が変わるでしょうか。

 排気量は3.0Lから2.8Lに縮小されます。が、出力は106kwから130kwと約2割増、最大トルクは300N・mから450N・mと実に5割増になります。現時点で唯一国内販売されているGD型エンジン搭載の車両はランドクルーザー・プラドしかありません。そのプラドに試乗した限り、アイドリングの段階から「非常に静かでパワフル」という印象でした。ボンネットを開けた状態でも静かだったので、単に車体の遮音が優れていたからという話ではなく、エンジンそのものの特徴といえるでしょう。

 ランドクルーザーとちがってハイエースはキャブオーバー(運転席がエンジンの上にある構造)なので、この静かさはより強く体感されるようになるでしょう。

■ディーゼル車用6速AT搭載か

 ハイエースにはガソリン車とディーゼル車があり、ガソリン車には既に6速ATが搭載されていますが、現行のKD型ディーゼル車は4速AT。香港仕様のハイエースGD型ディーゼル車は6速ATです。もし、国内仕様のハイエースのエンジンがGD型に変更になるならば、こちらも6速ATが搭載されるのでは? と思われます。ギアが多段化することで燃費は向上しますし、エンジンのパワーアップとあいまって、走りはよりスムーズになります。居住空間を背負って走るキャンピングカーにとって、この「スムーズさ」は非常に大きなポイントといえるでしょう。

■自動ブレーキ搭載も?

 ライバルの日産NV350キャラバンにはハイエース同様、バンとワゴンの2タイプがあります。そのうちすべてのグレードのバンタイプの車両に、自動ブレーキシステム「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」を標準装備。ならばハイエースも、これに準じた装備をしてくるのでは、と予想されます。

■スーパーロング・ディーゼル4WDの復活

 かつてはあった、ディーゼル車のスーパーロングの4WD。ですが、排ガス規制の関係で排ガスの浄化方式が変わり、エンジン重量がアップ。その影響でラインアップから長らく姿を消していました。対して、新型エンジンは従来型よりも軽量です。これを機に復活するのではと予想します。

 もし実現すれば、スキーや山遊びなどがしたい! というキャンピングカー愛好家にとっては朗報でしょう。

気になる価格は?

 パワフルになったり、安全性が向上したり。歓迎すべき点が多いハイエースのマイナーチェンジですが、一つ気になるとしたら価格です。マイナーとはいえ、モデルチェンジがあれば、概して価格は上昇します。

 もちろんガソリンとディーゼルの差も気になるところです。現行でも同グレードで比較すると、ディーゼル車のほうが40万円前後、高額です。それが新型エンジンでどのようになるか、それはさすがにわかりません。

 それだけ価格差があっても、「軽油のほうがガソリンより安く、燃費も良い」「重量のあるクルマにはトルクの大きいディーゼルのほうが適している」などの理由から、ディーゼルエンジンはキャンピングカーには適していると、私は思います。

 イニシャルコストの差を、何年ほどで回収するのか、それはそのクルマの使われ方にもよるので一概には言えませんが、上記のようなビッグマイナーチェンジが「仮に」実行されたとして、どれほどの価格差になるか、それがキャンピングカーとしての商品価格にどれほどの影響を与えるか、注目していきたいと思います。

 もちろんこれらはすべて、私の勝手な予測です。外れてしまったらゴメンナサイ。ですが、ベース車両についての一考察として、お読みいただければ幸いです。

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PROFILE

渡部竜生(わたなべ・たつお)キャンピングカージャーナリスト

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サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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