横田尚哉 誰のため?何のため?

スーパー銭湯って何のため?

  • 文・横田尚哉
  • 2017年8月18日
  • kuppa_rock/Getty Images

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 スーパー銭湯の激戦区が横浜市鶴見区にあります。半径200mの中に三つのスーパー銭湯があるのです。第二京浜道路(国道1号線)が鶴見川を横断するあたりです。今は銭湯を見かけることはほとんどなくなりましたが、スーパー銭湯に行ったことのある人は多いのではないでしょうか。

 自宅にお風呂があるのが当たり前となった今、そもそもスーパー銭湯を多くの人が利用するのは、何のためなのでしょう。激戦区が生まれるほどになった背景は何なのでしょうか。気になりましたので、今回取り上げてみたいと思います。

 銭湯は、昔から入浴施設として生活に溶け込んでいました。各戸に風呂が設置されるようになってからは、徐々に私たちの回りから消えていきました。地域によっては、温泉につかることのできる銭湯もあります。そういうところでは、なくなることはなく今も利用されています。

 そう考えると少なくとも銭湯には、入浴によって《身体を清潔にする》役割や《血行を良くする》効果などがあり、それにより《身体を癒やす》目的があるわけです。当然、スーパー銭湯にも同じファンクションがあるはずです。

 一方で健康ランドという施設があります。これは、入浴に娯楽要素を取り込んだもので、《来場者を楽しませる》仕掛けがあり、身体だけではなく《気分を癒やす》トコロだということです。その分、入場料金も高くなっています。

 スーパー銭湯は、銭湯と健康ランドの中間の位置づけではないでしょうか。基本的には《身体を癒やす》目的ですが、入浴後の休憩スペースでのサービスが充実している感じがします。《飲食をとる》コトができ、仮眠を想定したリクライニングチェアで《身体を休める》コトもできます。費用もそんなに高くはありません。

 そんな施設が車で気軽に行ける距離にあれば、休日を過ごす場所に最適だと思うかもしれません。午前中にひとっ風呂入り、あがってきたら昼食を食べ、休憩所で昼寝ができます。ゲームをしたりテレビを見たり、ちょっとしたイベントがあればそれに参加したり。まるで、自宅のリビングでくつろぐような時間を過ごせるのです。もちろん、いろんなお風呂やサウナや岩盤浴を巡って過ごすのも悪くありません。

 カフェでケーキセットを食べるもよし、明るいうちからビールを飲むもよし。あっという間に時間が過ぎ、夕方にもう一度入浴して食事すれば、あとは家に帰って寝るだけです。

 鶴見区の激戦区は、東京・川崎・横浜の通勤圏であり、多くの人が住んでいます。行楽帰りや仕事の帰りに立ち寄って、身体も気分も癒やしていけます。そして、第二京浜道路は一日中運転してきたドライバーにとっても、ちょうど都合の良い地点になっています。 3店舗には、ゴルフやテニスのスポーツ施設が併設されていたり、2万冊以上のコミックが読み放題だったり、女性スタッフで結成したアイドルグループのパフォーマンスがあったりと、それぞれに特徴があり、その時の気分によって選べます。

 家族と外に出かけたいが、出かけるとお金もかかるし時間もかかる。歩きまわって体力を消耗したくないし、渋滞に巻き込まれて精神も消耗したくない。天候を気にしたり、子どもの安全を気にかけたりせずに過ごしたい。その全てを同時に満たす、今の時代の要望にあったトコロということですね。

 この夏、お近くのスーパー銭湯に出かけてみてはいかがでしょうか。

<参考>
ヨコヤマ・ユーランド鶴見
RAKU SPA 鶴見
おふろの国

ファンクショナル・アプローチ(FA)では「役割=ファンクション」を《》で表しています。

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PROFILE

横田尚哉(よこた・ひさや)

横田尚哉

経営コンサルタント、改善士。株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役社長。大手コンサルタント会社、本社部長から単身独立。世界最大の企業・GE(ゼネラル・エレクトリック)の改善手法をアレンジして10年間で総額1兆円分の公共事業の改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円を実現させた実績を持つ、業界屈指のコンサルタント。著書に『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ』『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』(いずれもディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ビジネススキル・イノベーション』(プレジデント社)、『第三世代の経営力』(致知出版社)、『問題解決で面白いほど仕事がはかどる本』(あさ出版)など。

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