モーターサイクル・リポート

世界から注目を集める80sビンテージ・レース「テイスト・オブ・ツクバ」

  • 河野正士
  • 2017年8月18日

「D.O.B.A.R./ZERO-1」クラスに参戦したヤマハRZ350R

 日本のビンテージバイクシーンが、世界から注目されている。ここでいう“ビンテージバイク”とは、1980年代を中心とした日本のメーカーのバイクのことだ。“ビンテージバイク”という言葉は、70年代以前のアメリカやヨーロッパのブランドの古いバイクをイメージさせる。70年代を境に、それまでバイク市場を牽引(けんいん)してきた欧米のバイクブランドは、高い技術力と低価格を実現した日本のバイクに席巻され、80年代以降はバイクメーカーの勢力図は、すっかり日本車中心に塗り替えられてしまった。したがって、その“古き良き”時代のビンテージバイクとは、70年代以前の欧米メーカーのバイクとなるわけだ。

オリジナルのスタイルを守るクラスもあれば、フレームに手を加えることや最新のサスペンションを装着することが許されたクラスもある

 しかし、80年代に青春期を過ごしてきた“かつて”の若者たちが、新しい“ビンテージバイク”と定義したのが80年代を中心とした日本製バイクだ。そしてここで紹介する、毎年5月と11月に茨城県筑波サーキットで開催されている「テイスト・オブ・ツクバ(TOT)」は、その80sビンテージ・レースの中心的存在だ。

 開催クラスは全12クラス。排気量やエンジン形式、フレーム形式や改造範囲によって分類されている。主な車両は日本車を世界の頂点へと押し上げた、空冷直列4気筒エンジンを搭載したモデルや2ストロークマシンたちだ。レース規則によって、その年代のバイクの雰囲気を崩さぬよう、改造範囲が細かく制限されている。そういった貴重なマシンが全力で走る排気音を聞き、その姿を見ることができる貴重な場所でもある。

「D.O.B.A.R./ZERO-1」クラスに参戦したスズキRG500Γ

 面白いのは、同じような現象がヨーロッパでも起こっていることだ。ベルギーのスパ・フランコルシャン、フランスのル・マン、イタリアのモンツァなど、ヨーロッパを代表するサーキットで、80年代を中心とした日本のバイクによるスプリントレースや耐久レースが行われ、人気を博している。そしてそこに参加する多くのライダーや、パーツサプライヤーが、「TOT」の存在を知り、こぞってそのスタイルやチューニングメニューを参考にしている。彼らもまた、物心ついたときからバイクと言えばレースで活躍してきた日本車であり、若かりし頃からそれに憧れているのだ。

「D.O.B.A.R./Monster EVO」クラスに参戦したスズキGS1000

 欧州のカスタムバイクイベントには、“カフェ”や“スクランブラー”といった、いまトレンドのカスタムスタイルのマシンに交じり、空冷直列4気筒エンジンを搭載したモデルや2ストロークエンジンを抱くマシン、レーシングスタイルにカスタムしたマシンも多数展示されている。そしてその車両の出展者はみな「TOT」の存在を知っていて、いつか筑波サーキットに行きたい、と口をそろえるほどだ。

 ここで紹介する、完成度の高い「TOT」のマシンたちを見れば、世界での人気の高まりも十分に納得できるだろう。

>>フォトギャラリーはこちら

■テイスト・オブ・ツクバ https://www.jasc.or.jp/withme/tot_top/index.html

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PROFILE

河野正士(こうの・ただし)ライター

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二輪専門誌の編集部員を経てフリーランスのライター&エディターに。現在は雑誌やWEBメディアで活動するほか、二輪および二輪関連メーカーのプロモーションサポートなども行っている。ロードレースからオフロード、ニューモデルからクラシック、カスタムバイクまで好きなモノが多すぎて的が絞れないのが悩みのタネ

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