キャンピングカーで行こう!

速報! キャラバンサロン2017リポート その1

  • 文 渡部竜生
  • 2017年8月30日

メッセ駅の改札を出ると、いきなり券売機。初日から多くの入場者がつめかけ、チケットコントロールを通過するや、お目当てのブースへと散っていく

 今年も、世界最大級のキャンピングカー展示会"キャラバンサロン"に来ています。ドイツ北部の都市、デュッセルドルフで8月26日から9月3日まで開催されているこのイベントは、ヨーロッパ各国のキャンピングカービルダーはもちろん、各種パーツ専門店、キャンプ用品店、ヨーロッパからアフリカ大陸にいたる各国の観光情報、保険会社やローン会社にいたるまで、およそキャンピングカーに関連するすべてが大集合。B(ビジネス客) to C(一般顧客)はもちろん、B to Bの営業活動も活発な、ヨーロッパの業界動向が即時に反映される催しなのです。

2017年の概要

 今年は昨年よりさらに会場が広がり、全14ホール、22万平方メートルでの開催。出展台数は2000台超と相変わらずのスケールです。ちなみに、日本最大級のイベント(ジャパンキャンピングカーショー)の例年の出展台数が約300台ですから、そのスケールがお分かりいただけるでしょうか。

 開催国・ドイツの経済が好調なためか、各社とも商談ブースはいっぱいです。来場者の顔ぶれを見ても、日本のように年齢層によるトレンドはほぼありません。若いカップルからファミリー、シニア層と、ほぼすべての年代が訪れている印象で、中には親子3代で真剣に議論している姿も。

どこの商談スペースでも、座席は満席。各社さまざまに趣向を凝らしたおもてなしブースを見るだけで楽しい

 肝心の出展内容に目を向けてみると、残念ながら目新しさは感じられず、というのが率直な感想です。特に大型のライナークラスに至っては去年との違いを探すのが難しいほどですが、さてこれは、市場の成熟とみるべきか、マンネリとみるべきか……。

 売れ筋の商品についていえば、日本でいうバンコン(商用バンをベースに室内にキャンピング装備を架装した車両)がやや優勢。キャブコン(専用のキャビン付きシャシーに居室部分のボディーを架装をした車両)タイプももちろん活況ですが、両タイプともにフィアット・デュカトベースが圧倒的シェアを占めていて、デュカト一人勝ちの様相です。

キャブコン・バンコンいずれもデュカトベースが圧倒的に主流。実際、街なかでもそこここで見かける車両なので、さしずめ日本でいえばハイエースだろうか

 窓メーカー、ドアメーカーといった様々な専門メーカーが多数出展しているのも例年通りですが、そうしたブースが、いわゆるCもBも関係なしににぎわっているのが印象的でした。と、ここまで考えて思い浮かぶのが「もはやディテールで差別化するしかなくなってきているのか?」という疑問です。

・ベース車両はフィアット・デュカトの専有状態
 →圧倒的な価格の安さ。デュカトを超えるベース車両が登場していない
・ヨーロッパの自動車事情
 →低燃費車の人気
 →普段使いの乗用車がコンパクト化した結果、トレーラーを引きにくくなり自走式が人気上昇

という諸事情が変わらない以上、キャンピングカーに求められるものがある程度固まってしまい、その範囲での差別化合戦になってきているのでは、と分析しました。

 車両が決まってしまっているならば、あとは居住空間の違いでしかなく、そうしたパーツごとのちょっとした違いが勝敗を分ける。変な言い方ですが「重箱の隅のつつきあい」にも見えてきます。

 とはいえ、キャンピングカー人気は相変わらずです。市場が膠着(こうちゃく)状態にあることも、悪いことばかりとは言えません。ビルダーにしてみれば、より詳細なマーケティングを行い、ディテールの違いで勝負するためにはそれだけのブラッシュアップが必要です。製品改良が進むのは、むしろこういう時期なのかもしれません。

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 さて、例年と大きな違いはないとはいえ、もちろん変化はありますので、もう少し詳細に見てみましょう。

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PROFILE

渡部竜生(わたなべ・たつお)キャンピングカージャーナリスト

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サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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