ノジュール

<第51回>直虎だけにあらず、女城主の城・岩村城

  • 2017年8月31日

霧に包まれる岩村城

  • ひな壇状に築かれた「六段壁」とよばれる見事な石垣

  • 本丸の埋門では、3種の石垣の積み方がみられる

  • 古い町並みが続く、岩村本通り

  • 古民家を利用した、カステラCafeカメヤ

  • 定期購読誌『ノジュール』9月号は発売中。表紙は、雲海に包まれる越前大野城(福井県):写真:岡 泰行

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 数年前、雲海に浮かぶ城跡の姿で竹田城(兵庫県)が注目され、天守をもつ城だけでなく、石垣や石段などしか残っていないような城跡や山城にも観光客が多く訪れるようになりました。また、NHK大河ドラマでは女城主の活躍が展開されています。今回は、日本有数の「山城」であり、運命に翻弄された「女城主」が存在した城をご紹介します。秋は、雲海が発生しやすい季節でもあり、幻想的な風景に出会えるかもしれません。

 岐阜県の恵那駅から明知鉄道のローカル線に乗って約30分の場所に、日本三大山城(※注)の一つ、岩村城跡と、江戸さながらの町家が軒を連ねる城下町があります。城は、遠くに御嶽山や木曽駒ケ岳などを望む標高717mの高所にあり、朝霧や夕霧に包まれることもあることから別名「霧ヶ城」とも呼ばれています。動乱の戦国期に、この城を実質的に治めていたのが、女城主のおつやの方。大変美しく聡明で領民にも慕われていたといいます。城主であった夫が病死、その後武田軍に攻められ、籠城ののち家臣や領民を守るために敵側の秋山氏との政略結婚を選びます。その後、今度は武田軍を破った織田軍に攻められ籠城するも最後は開城。おつや夫婦と領民を守る条件でしたが、これを反故にされ処刑されてしまうという悲運に見舞われました。

 関ヶ原の戦いの後、松平家乗(いえのり)が藩主となり岩村にも平穏が訪れます。城跡に続く約1㎞の岩村本通りは、かつての町人町。風情ある昔ながらの町家が軒を連ね、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。いくつかの町家は公開されており、なかにはカフェや蕎麦(そば)店、ギャラリーとして営業しているところもあります。女城主の悲しい物語に思いを馳(は)せながら、城下町散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

※注:日本三大山城:高取城(奈良県)、備中松山城(岡山県)、岩村城(岐阜県)

 『ノジュール』9月号では、秋に行きたい城と城下町を紹介。VR技術を使ったバーチャル登城ルポや、被災から1年が経った熊本城の復興状況も掲載しています。ほか、近年注目される日本ワインの里や、三陸海岸の美景や2019年のラグビーW杯の開催地として盛り上がる釜石をめぐる東北のドライブルートもご紹介しています。

■ノジュール:鉱物学の専門用語で硬くて丸い石球(団塊)のこと。球の中心にアンモナイトや三葉虫の化石などの"宝物"が入っていることがある。

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