モーターサイクル・リポート

ホンダが満を持して投入した新250スーパースポーツ「CBR250RR」

  • 河野正士
  • 2017年9月8日

いま日本を含むアジア市場でもっとも注目を集める250ccクラスにホンダが満を持して投入したニューモデル「CBR250RR」

 今年4月にホンダが発表した250ccスーパースポーツモデル「CBR250RR」が好調な売り上げを記録している。すでにライバル社が先行して250cc市場に新モデルを投入する中、4月中旬のニューモデル発表後(発売は5月中旬)わずか数日で、今年の年間販売計画台数3500台を大きく上回る台数を受注したという。

 CBR250RRは2015年の東京モーターショーでコンセプトモデルを発表。また16年には生産を担当したインドネシアで先行発売され、市場の期待度が高まってからの日本発売となった。

ホンダのスーパースポーツモデルの血統である「CBR」の名前と、操る楽しみの最大化というシリーズ共通の思想も受け継ぎ、クラス初やクラス最高の技術が盛り込まれた

 ホンダが徹底的にこだわったと胸を張るのは車体だ。走りに集中できるライディングポジションにくわえ、荷重コントロールなど操作の自由度を高めたという。そのポイントとなったのが、ステップ周りやシート前方の絞り込み。足つき性が良く、乗ったときに車体との一体感もあり、それだけでバイクを思い通りに扱える感覚が増す。

 エンジンは新設計のDOHC4バルブ直列2気筒250cc。ホンダのMotoGPマシン/RC213Vの設計ノウハウも取り入れ、コンパクト化とともに軽量化にも努めたという。また混合気を効率よくシリンダー内に補充するため、上方から直線的に吸気経路を確保するダウンドラフト式吸気レイアウトを実現。エアクリーナーボックスを、一般的なシート下からエンジン上方に移動させることで、シート周りを絞り込んだスリムなフレームに収めた。

徹底的に作り込まれたフレーム。リニアなハンドリングと高い接地感により、ワインディングでよりアクティブな走りを実現している

 またCBR250RRにはクラス初の電子制御スロットルが採用されている。扱いやすさをサポートするという共通の思想から「RC213V」や「CBR1000RR」と同じ基本システムを使用。

 幅広い走行シーンを想定し「スポーツ」「スポーツ+」「コンフォート」の三種類のライディングモードも装備している。一般的にワインディング(曲がりくねった道)で運転する場合、より高出力を求めて、通常より大きくスロットル操作を行う傾向にある。そこでライディングモードの「スポーツ+」を選ぶことで、小さなスロットル開度で高出力を得られる設定としている。

 また市街地では低い速度域で頻繁にグリップ操作を行っている。ライディングモード「コンフォート」を選ぶことでスロットル操作に対するエンジンの反応が穏やかになり、スムーズなライディングが可能になる。

 オールラウンドな「スポーツ」モードも他のモードと同様に、ライダーが乗り方を変えるのではなく、エンジンの出力特性を変化させ、走るシチュエーションやライダーの意思に合わせて、マシンをフィットさせるという思想で作られている。

 さらに日本仕様車には、乗り心地の向上に加え、ワインディングでの運動性能向上を目指しラジアルタイヤ(ダンロップ・スポーツマックスGPR-300)を装着。それに合わせたサスペンションセッティングを施した。

CBR250RRのために新規開発されたエンジン。開発の初期段階では数値目標を定めず、開発メンバー自身がすごさを体感できるかをテーマに、感覚的なパフォーマンスを求めたという

 現在250ccクラスは、アジアマーケットに向けた各メーカーの世界戦略車でひしめき合っている。1980年代の日本と同じように経済成長著しいアジア市場において250ccモデルは、頑張れば手が届く距離にある憧れの存在だ。法律により輸入車や二輪車の排気量上限が決められている国もあり、そこでは最高級モデルとなる場合もある。

 欧州では、この250ccモデルと車体やサスペンションを共通とする300ccモデルも人気だ。欧州など二輪先進国では、日本同様、既存ユーザーの高齢化や若者のバイク離れが進んでいる。コンパクトな車体と程良いパワーで走りを楽しむことができ、販売価格や維持コストも安い300ccクラスのマシンは、市場を活性化させるカンフル剤として大いに期待されている。

 また250/300ccモデルを使ったレースも盛んだ。アジアでは15年より250cc市販車をベースにしたレース「アジアプロダクション250(AP250)」がスタートし人気を博している。MotoGPなど二輪モータースポーツを統括する国際組織/FIMも17年より、300cc市販車をベースにした世界選手権レース「スーパースポーツ300」をスタートさせた。より広い国や地域で、若手ライダーの登竜門として250/300ccモデルが使用されているのだ。

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PROFILE

河野正士(こうの・ただし)ライター

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二輪専門誌の編集部員を経てフリーランスのライター&エディターに。現在は雑誌やWEBメディアで活動するほか、二輪および二輪関連メーカーのプロモーションサポートなども行っている。ロードレースからオフロード、ニューモデルからクラシック、カスタムバイクまで好きなモノが多すぎて的が絞れないのが悩みのタネ

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