キャンピングカーで行こう!

キャラバンサロン2017リポート その2

  • 文 渡部竜生
  • 2017年9月6日

広い会場には所狭しと各社の最新・現行モデルが並ぶ。大手ビルダーともなると1社で50台以上、1館を専有して展示している

 先週に引き続き、世界最大級のキャンピングカーショー、キャラバンサロンからのリポートです。先週は速報版として、全体を見渡しての印象についてお伝えしましたが、今回はもう少し詳細に(フォトギャラリー付きで)お話ししましょう。

日本のキャンピングカーショーと何が違う?

 毎年メッセ・デュッセルドルフを訪れるたびに感じるのが、その都市計画の見事さです。メッセは市内中心部から電車で15分ほどですが、キャラバンサロンの入場券を持っていれば、イベント開催中、市内すべての電車とバスが乗り放題というのが、まず驚きです。メッセ自体は電車の駅、あるいはバスターミナルと直結。降車してから最初の展示車両まで、3分とかかりません。

平日でも多くの人が訪れる人気のショー。土日ともなれば、通路を真っすぐ歩けないほど

 さて肝心の展示はどうでしょう。

 日本で規模の大きいショーとしてはジャパンキャンピングカーショー(幕張メッセで開催)や東京キャンピングカーショー(東京ビッグサイトで開催)があります。いずれのショーでも、毎回、展示ブースの位置は変わります。しかし、キャラバンサロンでは、毎年、展示の位置はほぼ変わりません。ほとんどのブースの装飾も毎年同じで、これも「代わりばえがしない」印象につながっているのかもしれません。

 来場者にとってみれば、お目当てのブースにいち早くたどり着ける、ともいえるでしょう。何しろ、幕張メッセと東京ビッグサイトを合わせたよりもさらに広い会場です。すべてをくまなく見ようとすれば、丸三日はかかるでしょう。今年からスマホアプリが導入され、チケットも会場案内もすべてスマホで見られるようになっていたので、より利便性は高まっていたようです。

リアリティーを追求した展示、老舗ブランドの挑戦も

メインステージ以外は夕暮れ時のような暗さにしてあったハイマーブース。スペースをゆったりと使った展示は、それだけで高級感を印象付ける

 毎年変わらない展示をしているとご紹介しましたが、それでも各社、何とか差別化を図ろうと腐心しています。そんな中、今年際立っていたのは、業界の雄・ハイマー社でした。

 本来ならなるべく会場を明るくして商品を照らし出し、ディテールを競うのが当然だと思うのですが、なんとハイマーは会場の照明を“夕暮れ時レベル”まで落としていました。それもこれも、ハイマーだけで一館専有しているからこそできること。

 その狙いは、車内の美しさを強調したかったのだろうと思われます。外が暗いおかげで、各車両の室内照明が際立ち、特に間接照明の効果がわかりやすくなります。キャンプ中の昼間は車外で過ごすことが多いことを考えると、夜の雰囲気をよりリアルに再現できるのはインパクトのあるアピールです。会場が暗い分、外装のディテールは見づらくなりますが、それもこれも、ブランドを確立しているハイマー社だからこその思い切りともいえます。

 日本のショー以上にリアルな展示が多いのもヨーロッパの特徴です。モデルルーム並みに、オシャレな食器や花などを飾って演出するのは日本もヨーロッパも変わりませんが、冷蔵庫の容量や洗濯物の干し方に至るまで展示しているあたり、キャンピングカー先進国だと実感します。

 冷蔵庫の前には食品を詰め込んだカート(スーパーで見かける大型のカート)が。コンパクトに見えてこれだけの食品が収まってますよ、というアピールです。洗濯物はクルマのリア部分にロープを張って、干してあります。テント素材の撥水(はっすい)力をアピールするのに、シャワーで水をかけて実演しているブースもありました。

 なぜそこまで具体的に訴求するのか。それは奥さま方の発言権・決定権が強いからなのでしょう。会場のあちこちで、メジャーテープを片手に、セールス担当を質問攻めにしている主婦の姿を見かけます。女性を納得させられなければキャンピングカーは売れないようです。

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 日本でも最近、熱心にチェックする奥さんを見かけるようになりました。最初に欲しがったのは夫のほうなのに乗り始めたら妻がすっかり入れあげている、というユーザーも珍しくありません。日本にもいよいよキャンピングカーが根付いてきた証拠だと思うとうれしい限りです。

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PROFILE

渡部竜生(わたなべ・たつお)キャンピングカージャーナリスト

写真

サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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