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教科書に名前を刻んだ男。コラアゲンはいごうまんという生き様

  • 2017年9月8日

  

 「ヤクザ事務所へ潜入してください」「刺青について調べなさい」「SM嬢の奴隷になってもらいます」――ワハハ本舗主宰の喰始(たべはじめ)さんからの過激な指示を忠実に実行し、そこで得た体験談を舞台で語って早15年。ネタのため教科書に出てくる人物名の登場回数を調べていたはずが、太平洋戦争後に発行された教科書の歴史にまでたどり着き、最後は「よしひろ」という自身の本名を文章問題に刻んでしまった男――。過激すぎるネタで勝負する体験ノンフィクション漫談芸人のコラアゲンはいごうまんさんに、今の想いを聞いた。

    ◇

――刺青に関しては、少し前には大阪でタトゥーを医師法違反で禁止するという裁判もありました。これまで語り続けてきたネタが今、時代の沸点とシンクロしているように感じられます。

 刺青の話は、三代目彫よしさん(以下彫よし)や初代彫鯉さん(以下彫鯉さん)にも影響しますからね。そんな状況であるにもかかわらず、実はお二人とも「刺青はなければない方がいい」って考えなんです。彫よしさんは「でも、刺青は昔も今も未来もある。だったら、彫師が正しくやらにゃって感じかな」って言うんです。

 ここまで僕がドキュメンタリー漫談をやってこられたのも、そうしたいろんな人が「こいつを何とか世に出すために、普段は出さんけど、もうひとエピソード言うたろか」っていう心意気のおかげやと思います。せやから僕、今も全然売れてませんけど、こうやって取材してもらえたり、50人とはいえ(今年の7月1日に行われた)高円寺のライブが前売りで完売になったりね。少なくともバイトせんでも暮らせるのは、現場にいる人からじゃないと絶対に出てこない言葉を聞かしてもらえたことが、全てですよ。

――コラアゲンさん自身が現場に行き続けてきたからこその結果だと思います。

  

 ありがとうございます。彫よしさんの言葉ですけど、「金は出さずに、顔を出しな」ですね。あれ、本人にマンツーマンで言われたら、ほんましびれますよ。

 全然話違いますけど、僕の本に教科書のネタがありますやん(『コレ、嘘みたいやけど、全部ホンマの話やねん。』収録:調べて驚いた、教科書の深〜い話)。で、来年から道徳の教科書が右傾化するってニュースがあったから、前に(別のネタで)取材させてもらった右翼団体の統一戦線義勇軍・針谷(大輔)議長に「どう思いますか?」って聞いたんです。そしたら、「(和菓子屋じゃなくとも)コンビニでもいいよね」って言うてはりましたもん。本当に愛国心を持って活動してる人は、そんなことにとらわれない。もっと本質的なとこを見てますやん。

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 僕ね、文科省にも電話かけて聞きましたけど、返答が「上から言われたので」だけでしたからね。そこはせめて、バリバリの右翼であってほしいじゃないですか。なんの思想もないやつらが、「愛国心」「郷土愛」「高齢者への尊敬と感謝の念」という三つの項目をクリアしなあかんからって帳尻合わせでぶち込んだ和菓子屋さんよりも、「金は出さずに、顔出しな」っていう“彫よし論”こそ道徳の授業に入れるべきやと思いますけどね。(次ページへつづく)

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