1万円から始める草食投資

不動産、FX、債券、株式の違い 投資ビギナーにオススメなのはどれ?

  • 2017年9月11日

 投資知識ゼロのライター・藤田が、実際に投資するまでの奮闘をつづるこの連載。これまで投資の概念や、日本人に多い“預金バカ”の傾向などについて学んできました。前回は、バブルから学ぶ、これからのお金のあり方についてお話しいただき、そして今回からいよいよ実践編! まずは投資の種類を知ることから始めたいと思います。

  

教えてくれるのは「草食投資隊」のお三方!

渋澤健・コモンズ投信取締役会長 草食投資隊長男
中野晴啓・セゾン投信代表取締役社長 草食投資隊次男
藤野英人・レオス・キャピタルワークス代表取締役社長 草食投資隊三男
藤田佳奈美・投資知識ゼロのライター

中野 デフレは物価が下がってお金の価値が上がるから、お金が王様。だから、お金を使わずに預金するだけでもいいのですが、インフレでは物価が上がってお金の価値が下がる。お金以外のものを持つのがインフレの基本中の基本です。お金を投資していくとインフレに負けません。
 前回話した通り、世の中は想定外に変わっていきます。約30年間常識だったことが、今では非常識になる。そして、世の中の変化に対応する手段として投資があるわけです。

藤田 生まれてこのかたデフレしか経験していないので、もしインフレが来るのであれば備えておきたいです(汗)。でも具体的に、投資ってどのような種類があるのでしょうか?

渋澤 投資には不動産、外国為替証拠金取引(FX)、金、原油など、いろんな種類がありますね。その中でも、債券と株式は投資の王道です。債券だと金利が、株式だと配当が入ってきます。

中野 債券と株式以外のものは、いわゆる“投機”の対象ですね。スロットやパチンコと概念が変わらない。それぞれ相場があって、日々目まぐるしく上下に変動するから経済っぽく映るけど、実際は数字だけが変動している。

渋澤 この金利を払うからこのくらい貸してください、つまり、借金を市場で売買できるという債券は、全体が下がると全てが同じ方向に下がっていきます。一方で、株式は、全体が下がっていてもその中で上がっていくものもある。それは株式がいわば“生命”だからです。自然界の生命にも強い種・弱い種があるのと同じで、成長できる種の株価は上がっていく。
 これに対して、債券はいわば機械的で、元本と金利しか戻ってきません。ですから生命が宿っている株式にぜひチャレンジして欲しいですね。成長を感じてもらいたい。しかし、預金思考の日本は元本が保証されている債券を選ぶ人が圧倒的に多いのが現状です。

  

中野 日本人は「もっと頑張ったら、すてきなことがあるかもしれない」というロマンや夢に対する欲望が弱いから、株式を選ばないのではないでしょうか。現代病である「デフレ病」ですね。

藤野 藤田さんのパソコンのキーパッドが壊れていても、買い替えていないのはデフレ的ですね(笑)。

藤田 デフレ病にかかっていたとは、お恥ずかしい……。

中野 デフレは病気ですよ。それが20年続いている中で生まれてきた藤田さんに伝えたいことは、マインド・リセットをしていかなきゃいけないということです。まさにアラサーの人は、僕ら以上に体に染み付いたデフレ前提の常識を拭うことが難しい。インフレは勇気を持って行動した人が報われる社会。相対的に何もしない人は勝てません。

藤田 そのインフレはいつ来るのでしょうか?

渋澤 見えないところでインフレは起こっていますね。値段は変わらないのに、量は減っているとか。とはいえ、どう動けばいいかわからない人が多いですよね。急にやれと言われてもできない。少しずつ肩慣らしをしていかないと。そのために、まずは投資の種類を学びましょう。

  

中野 投資の王様である債券と株式ですが、前者は金利を、後者は配当を産みます。これに対して、投機は値動きだけです。たとえば絵画投資やワイン投資などは、絵やワインの価値は変わるかもしれないけど、絵そのもの、ワインの本数が増えるわけではない。つまり、子は産まないです。

渋澤 だけど、投資には自分なりの“価値判断”がある。今日売りたい人もいるけど、長期的に見ている人は「まだ安い」と思っている。投資には一つの正しい答え、つまり価値判断があるわけでなく、いろんな価値があります。そのほうが健全な取引市場と言えるのではないでしょうか。

中野 例えば、タカタは倒産したけど株に価格がついているんですよ。明日は上がるかもしれないというところで勝負している人もいます。

藤野 株をやったことがない人がFXをいきなり始めることがありますよね。それは、株をギャンブルでよくないと思っているから。でもそれは間違い。

渋澤 FXは、少ない資金(取引保証金)を元手に、その何十倍もの金額の取引を可能にする「レバレッジ」という仕組みですからね。例えば宝くじであれば、外れた時の損失が決まっていますが、FXでは、失う金額は取引で損をした額にとどまりません。なぜなら、借金して取引していることと同じだから。

中野 FXは「スーパー無担保融資」ですからね。だから絶対勝てないですよ。最後はすっからかんになる可能性が高い。業者が有利なカジノみたいなものですよ。

渋澤 これから来るインフレに向けて動かなきゃいけないって言いましたけど、決してFXを勧めているわけではありません。FXは値動きだけですから。そういう意味では、投機はパチンコやスロットと一緒。

中野 次に、不動産投資について考えると、家賃という子を産む投資ではあります。ただ、不動産の価値が同じか上がれば良いですが、災害など予期しないリスクもあるので、自分がつぎ込んだお金以上に損をすることもありえます。株はすぐ売却できるけど、不動産はできないですからね。だから地味でコンサバ(保守的)な投資がオススメ。

藤田 なるほど……あれ、藤野さん起きてます?(笑)

藤野 ……。

  

藤田 では初心者がすべき地味でコンサバな投資は、株、ということでしょうか。

中野 そうですね。不動産はかなり上級者向けなので、やっぱり株と債券でしょう。

渋澤 やはり株式投資が王道ですね。いいなと思った企業に投資して、成長を期待して、配当を受け取る。株式投資をやると社会とつながっていることを確認できます。

中野 企業活動で世の中の経済は成り立っていますよね。株券を発行して、株式投資してくれる人のお金で支えられている。足りない分は借金する、それが債券です。

渋澤 なぜ株が王道かというと、その企業のオーナーの一人という意味で、当事者になれるからです。企業が事業に成功すれば儲(もう)かるし、失敗すれば損する。だけど、債券投資は他人事。倒産しても債権者にお金を返せばいい、その先の取引先がどうなろうとどうだっていい。だから株式の方が、当事者意識を持ちやすいですね。

中野 株式投資は素敵な未来を想像して投資すること。そう考えるとロマンチックでワクワクしませんか?

藤田 自分が応援したい企業に投資して、オーナーになって、成長する過程を見届けられるなんて、なんだか胸が高鳴ります!

 投資の種類だけではなく、投資と投機の違い、投資の王道である株式と債券の違いを学んだ今回。次は株式について深掘りしていきたいと思います! 乞うご期待!

  

(撮影・産屋敷光孝)

<渋澤さんプロフィール>
渋澤健・しぶさわけん
1961年生まれ。草食投資隊長男。
コモンズ投信株式会社 取締役会長
公益財団法人渋沢栄一記念財団 理事

<中野さんプロフィール>
中野晴啓・なかのはるひろ
1963年生まれ。草食投資隊次男。
セゾン投信株式会社 代表取締役社長
公益財団法人セゾン文化財団 理事
NPO法人元気な日本をつくる会 理事
一般社団法人投資信託協会 理事

<藤野さんプロフィール>
藤野英人・ふじのひでと
1966年生まれ。草食投資隊三男。
レオス・キャピタルワークス株式会社 代表取締役社長・最高投資責任者(CIO)
明治大学非常勤講師、東証アカデミー・フェロー

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