中村江里子 パリからあなたへ

凱旋門が大型トラックに占拠されたデモ

  • 文&写真 中村江里子
  • 2017年9月19日
  • 凱旋門のロータリー。この日は大型トラックに占拠されているかのようでした

  • シャンゼリゼ大通りには警察車両が。警察官も多く、ものものしい警備です

  • トラックの上には人形館の人形たちが。館の中で流れる音楽なのでしょうか? 大音量で音楽が流れ、トラックはゆっくりと移動しています

  • タイヤを積んだトラック。クラクションもかなりの音です

  • ドライバーさんたちはイライラしているでしょう。フランスは主張する人たちが多いと改めて感じます

  • トラックの多くはフランス国旗を付けていました。「自由、平等、博愛」のフランス……

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 先日、私は子どもたちの学用品や習い事の道具などの買い物に行くつもりでした。一気に終わらせるために、車で移動したかったのですが……。朝、子どもたちの登校時に会った友人から「今日は、パリ市内を動かない方がいいわよ」と言われました。

 数日前から、その日は大きなデモンストレーションやストライキがありそうだとは聞いていましたが、どうやら午前中から始まっていたようです。デモの集合場所の影響で、いくつかのメトロの駅は閉鎖され、道も渋滞していました。

 徒歩でできる範囲のことをしようと思い、自宅から歩き始めると、普段以上の車のクラクションが凱旋(がいせん)門周辺から聞こえてきました。近づくと、凱旋門が何台もの大型トラックに占拠されているかのような光景で驚きました。一般車両はその横をすり抜けるように走っていますが、大渋滞です。

 これは「レ・フォラン」と呼ばれる露店商人や旅芸人の方たちが、エマニュエル・マクロン大統領による労働改革に反対してのものだったのです。改革の内容は色々ありますが、問題は市(いち)や移動遊園地などの制限に対してでした。

 観光地でもあるコンコルド広場で、大きく華やかな観覧車(常設ではありません)をご覧になったことがあるかもしれません。この観覧車を出している方(「フォランの王」とも呼ばれています)がフランス全土に招集をかけ、およそ1万台のトラックがデモに参加。400~500台がパリに集合したそうです。パリ、リヨン、マルセイユ、ル・アーヴルといった都市や周辺の高速道路を大型トラックで閉鎖。市民は、スムーズに移動することができない状況に追い込まれてしまいました。

 デモやストの日程、場所、内容などが表示されるサイトがあるのですが、この国では毎日のように起こっています。タクシーの運転手さん、オペラ座のダンサー、教職員、歯科インターン、メトロ、大統領関連などなど。パリに住んでから、数多くのデモやストを見てきましたが、今回の凱旋門の一件は初めてのことでした。

 次回は10月3日の配信を予定しています。

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PROFILE

中村江里子(なかむら・えりこ、Eriko Barthes)

写真

1969年東京都生まれ。立教大学経済学部卒業後、フジテレビのアナウンサーを経て、フリー・アナウンサーとなる。2001年にフランス人のシャルル エドワード バルト氏と結婚し、生活の拠点をパリに移す。妻であり、3児の母でもある。現在は、パリと東京を往復しながら、テレビや雑誌、執筆、講演会などの仕事を続ける。2016年には「フランス観光親善大使」に就任。著書に『エリコ・パリ・スタイル』(マガジンハウス)、『ERIKO STYLE暮らしのパリ・コラージュ』(朝日新聞出版)、『女四世代、ひとつ屋根の下』、『マダムエリコロワイヤル』(ともに講談社)、新刊『ERIKO的 おいしいパリ散歩』(朝日新聞出版)と多数。

BOOK

「中村江里子のデイリー・スタイル セゾン・ド・エリコ」(扶桑社) 中村江里子 著

中村江里子のデイリー・スタイル セゾン・ド・エリコ

 丁寧に、楽しく素敵に暮らす日々をご紹介。特集はパリのマルシェ。パリの八つのマルシェの魅力をご案内。サプライズイベント「ホワイトディナー」や、日本で取材したファッション企画や合羽橋めぐりも必見! 見応え、読み応え十分の一冊です。

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