私の一枚

クールだけど愛がある母に改めて感謝 渡辺満里奈

  • 2017年9月19日

0歳の満里奈さんと、28歳の母。「小さい時は丸顔で父似でしたが、今は母に似てきましたね」

  • 活動30周年を迎えた渡辺満里奈さん

  • 9月20日に発売される30周年記念ベストアルバム「MY FAVOURITE POP」(写真は通常盤のジャケット)。初回限定盤/3900円(税別)

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 私が0歳の時に、母と撮った写真です。これを選んだのは、物心ついてから、母とこんなふうにぴったりくっついた記憶がなかったからです。私は3人姉弟の真ん中に生まれ、最初の子である姉と、初めての男の子である弟に比べると写真が少なくて。

 また、とても手のかかる子だった姉がよく母に怒られていたので、私はそれを見て「こういうことをしたら怒られるのね」と学習して、ほとんど怒られませんでした。ただ、それだけに、何というか、自分が「忘れられた存在」であるように感じていた気もします。

 私は割とドライな性格なので、母に対して、子供の時にかわいがってくれなかったからどうこう、という気持ちはまったくありません。ただ、「母は手のかかる姉と弟のほうが可愛いのね」と思い込んだところもあり、この写真を見つけた時は、「こんなのあったんだ」と、ちょっとうれしかったですね。

 今、母は献身的に私の子供の世話をしてくれています。昔、手がかからなかった分、きっちり手をかけてもらっています(笑)。私自身、二人の子供の母親となり、母親がいかに大変か、そのありがたみを実感。また母はクールなタイプで、自分の気持ちを表現するのが苦手ということが、大人になってよくわかるようになりました。言葉にしなくても、今思い返すと行動のはしばしから愛情を感じられます。

 振り返っても、母からあれこれ言われた記憶が本当にありません。芸能界に入った時もそう。姉が私の情報をオーディションに送ったことがきっかけで、ソニーの方からスカウトされたのですが、そのことを母に伝えると、反対も、励ましもなく、「あ、そう」の一言だけ。でも、仕事が始まって私の帰りが遅くなった時も、いつも起きて待っていてくれました。後で知りましたが、私が載っている記事は、全部切り抜いてくれていました。結婚する時も、驚きはしたみたいですが、やはり「あ、そう」という感じでしたね。最近思うに、私は子供の頃、怒られるようなことをしなかったので、信用されていたみたいです。

 昨年、芸能活動30周年を迎えて、振り返ると、私自身が流れに身を任せられる性格だったのがよかったかなと思っています。デビューのきっかけもそうですし、おニャン子時代も解散後も、かなり多忙な時期があり、それがもしつらかったら、ここまで続けられなかったでしょうね。高校生の時は、取材で10年後のことを質問されても、全く浮かばないことが恥ずかしかったです。その私が、まさか30年も仕事を続けられるとは夢にも思いませんでした。今は、子供が小学校1年生と4年生となり、育児が落ち着き、またお仕事も頑張りたいと思える、すごくバランスのいい時期になりました。

 私は、テレビが大好きです。見ることで楽しくなったり、笑ったり、そういう憩いの時間を生むものに自分が出られることがすごくうれしいので、続けられるものなら、40年、50年と活動し続けたい。そして、何より、このように長くお仕事を続けてこられたのは、懸命に子供の面倒を見てくれる母のおかげ。月並みですが、「ありがとう」と改めて言いたいですね。

    ◇

わたなべ・まりな タレント。1970年東京生まれ。86年おニャン子クラブ会員番号36番としてデビュー。同年10月にリリースされたソロデビュー曲「深呼吸して」は、当時オリコン初登場1位最年少記録に。おニャン子クラブ解散後は、タレントとしてバラエティー番組を中心に活動。夫はネプチューンの名倉潤さん。『満里奈の旅ぶくれ―たわわ台湾』や『ピラティス道』など自身の趣味からの著書も多数出版。

◆渡辺満里奈さん自身がセレクトした、デビュー30周年記念アルバム「MY FAVOURITE POP」が9月20に発売。デビュー曲「深呼吸して」を筆頭に「マリーナの夏」「虹の少年」などキャリアを代表するナンバーから隠れた名曲まで2枚組30曲収録。ブックレットには、山本はるきち、大江千里、佐野元春など豪華作曲家陣による名曲の数々を彼女自身が解説するライナーノーツが掲載されている。初回限定盤には、野宮真貴とデュエットした最新収録曲や大瀧詠一、小沢健二などによる提供曲の初商品化お宝音源が収録されている。

「今までもベストアルバムは出していますが、自分で選曲したのは今回が初めて。最初のアルバムからすべて聴き直し、若い時の自分の声に、真夜中に一人悶絶(もんぜつ)していました(笑)。本当にいい曲をいただいていたと感じていますが、もっと歌唱力があったらこの曲はもっといい曲なのに!!と思ったりもしました。自分が年を重ねたことで歌詞に発見があり、今だから胸がきゅんとする思いもあったりして。80年代のアイドルポップは、今ではめったにないキラキラとした音楽で、とても新鮮に感じられるんじゃないかと思います」

(聞き手:田中亜紀子)

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