小川フミオのモーターカー

10億円超えで落札! イタリア本社のフェラーリ70周年イベント

  • 文 小川フミオ
  • 2017年9月15日

【動画】イタリア本社のフェラーリ70周年イベント=小川フミオ撮影

 イタリアのスポーツカーメーカー、フェラーリが70周年を迎えた。それを記念するイベントが2017年9月9日と10日の週末を中心にイタリアで開催。フェラーリゆかりのひとたちをはじめ、オーナーや報道陣が大勢集まった。

「コンクール・デレガンス」でベストオブショーに選ばれたテスタロッサ・スパイダー(左)と340MM(写真提供=フェラーリ)

 中心となった場所はフェラーリ本社のあるマラネロ。「フィオラノ」と呼ばれる本社に隣接した有名なテストコースを使って、新旧のフェラーリが並べられたさまは、たいしたものだった。

 フェラーリは高性能で高額のスポーツカーとして世界中に知られている。創設者はエンツォ・フェラーリ(1898年-1988年)。第2次大戦で疲弊したイタリアで、すぐにレーシングカーをつくることを決意した。

 1947年はフェラーリがティーポ125というレーシングカーで、いくつかのレースにおける優勝を獲得した年だ。優秀なエンジニアとドライバーとともに名声を確立し、フェラーリは公道を走るスーパースポーツカーとして、すぐに米国に販路を見つけた。

 おもしろいのはイタリアで、フェラーリは“見えないクルマ”と言われることだ。ミラノやローマやトリノといったイタリアの大都市に住む富裕層はフェラーリを所有していても、モナコなどのリゾートに置いておくから目にする機会が少ないのだ。

 ところが、今回はちがった。マラネロというボローニャから38キロほど離れた小さな町では、いたるところにフェラーリ。欧州のオーナーたちが乗ってきて、1台3000万円を超える最新モデルですら路上にずらりと駐車させている。ファンからすると夢のような光景が展開されていた。

 イベントに集められたフェラーリは、1950年の166インターに始まり、最新のポルトフィーノまで。後者は3855ccV型8気筒エンジンの2プラス2ミッドシップであり、電動格納式ハードトップを備えるモデルだ。リグリア海のリゾート地ポルトフィーノで8日の金曜日に催された発表会でお披露目された。488など現行モデルとスタイリングイメージの共通性が高くなり、グラマラスな雰囲気に。展示車両のまわりは見物客が絶えることがなかった。

 マラネロの70周年記念イベントは、大きく二つの行事で構成されていた。土曜日はRMサザビーズによる歴代モデルのオークション。日曜日は人間でいえばビューティーコンテストにあたる「コンクール・デレガンス」。最後は英バンドのジャミロクワイによるライブ。土曜日の夜はあいにく雨にたたられたが盛りだくさんの内容で、深夜まで大いに盛り上がりを見せた。

 レオナルド・フィオラヴァンティやロレンツォ・ラマチョッティといった歴代のフェラーリ・デザイナーたちも含まれるコンクールの審査員。彼らは、340MM(1953年)と、フェラーリも傘下におさめるフィアットグループの総帥ジャンニ・アニエッリ(2003年没)が特別に注文したテスタロッサのスパイダー(86年)を“ベストオブショー”に選んだのだった。

 一方オークションには、日本(岐阜県)で20年ぶりに“見つかった”埃(ほこり)と土にまみれた69年型365GTB4デイトナなど、話題の車両が出品された。

一般走行用のデイトナとしては、いまやただ1台の軽合金ボディーという356GTB/4デイトナ(写真提供=RMサザビーズ)

 美しいボディーで人気が高く、スポーツカーを愛したカーペンターズの「ナウ・アンド・ゼン」(73年)のジャケットにも登場したデイトナ。

 1969年から73年にかけて1200台が作られたが、スカリエッティが手がけた、軽合金ボディーは5台しかないという。今回オークションに出たのは軽合金ボディーの車両。落札価格は180万7000ユーロ(約2億3490万円)。

 もうひとつ大いに注目されたのは209台限定生産と発表され即完売した963馬力のハイブリッドスポーツモデル、ラ フェラーリ・アペルタの特別仕様のオークションだ。この日のためにフェラーリでは210台目を用意したのである。

RMサザビーズのオークションにフェラーリの手で出品され10億7700万円で落札された特別な内外装のラ フェラーリ・アペルタ(写真提供=フェラーリ)

 オークションでは830万ユーロ(約10 億7700万円)で落札。「この取引価格は、21世紀に製造された自動車のオークション最高額記録を塗り替えるものです」。フェラーリ・ジャパンが用意したプレスリリースだ。

 フェラーリでは今回の売上金を「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付するとしている。恵まれない子供たちの支援を目的に世界120カ国以上で活動している国際機関である。70周年は多くのひとを幸せにしてこそ意味があるということなのだ。

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PROFILE

小川フミオ(おがわ・ふみお)

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クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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