ノジュール

<第52回>奈良「談山神社」、約3000本のカエデが彩る紅葉の名所

  • 文 田村知子(『ノジュール』編集長)
  • 2017年9月29日

談山神社の拝殿から紅葉を望む

  • 飛鳥の石舞台古墳

  • 「くすりの町」としても知られる高取の街角には漢方薬局の店も

  • 紅葉に包まれる壷阪寺

  • 高取にある、茶寮花大和の薬膳料理

  • 定期購読誌『ノジュール』10月号は発売中。表紙は、司馬遼太郎記念館(大阪市):写真:岡 泰行

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 秋らしさが日に日に感じられるようになりました。紅葉に色づく古都は大変人気の観光地ですが、今回は賑やかさから少し離れて静かに愉しめる、奈良の秋のおすすめをご紹介します。

 まずは紅葉の名所から。今年春、JR東海のCMで注目された談山神社は、大化の改新(645年)の立役者・藤原(中臣)鎌足と中大兄皇子がここで蘇我入鹿を討つ策を談じ合ったという古社です。例年11月中旬~12月上旬に、約3000本のカエデが世界で唯一の木造十三重塔をはじめとする壮麗な社殿を彩ります。CMでは、舞台造の拝殿から額縁のように切り取られた新緑を望む場面が印象的でしたが、秋にはその緑が鮮やかな紅葉に変わります。奈良屈指の紅葉スポットでシーズン中は道路が渋滞するので、午前中早めに訪れるのがおすすめです。古代史の舞台・飛鳥へもほど近く、蘇我氏の墓と伝わる石舞台古墳や、昨16年秋に開館したキトラ古墳壁画体験館 四神の館などにも立ち寄れます。

 その南、近世には高取藩の城下町として栄え古い街並みが残る高取も静かにゆっくり散策できる場所。古くから薬業が盛んな「くすりの町」としても知られ、くすりの資料館や、薬膳の専門店で薬膳料理を食べることもできます。日本三大山城の高取城跡に向かって歩けば、高取山中腹に眼病に霊験あらたかといわれる壷阪寺があります。三重塔が立つ広い境内も紅葉が彩ります。

 郊外だけでなく奈良市街でもこの秋注目の話題があります。秋限定で宝物が公開される正倉院展が今年も催されるほか、興福寺では阿修羅像を含む国宝の仏像が、通常非公開の仮講堂で期間限定公開されています。その安置形式は天平期の群像安置をイメージした立体展示で、この秋しか見られない非常に貴重なものです。ぜひお見逃しなく。

 『ノジュール』10月号では、小説や絵画など名作の地を歩く「案内人と歩く名作の舞台」を特集。生誕150年の夏目漱石ゆかりの東京早稲田~神楽坂や、今年春から連載が再開して話題の『青春の門』を辿る九州筑豊の旅などを紹介。全国の文学館や文学の舞台となった宿も掲載しています。

■ノジュール:鉱物学の専門用語で硬くて丸い石球(団塊)のこと。球の中心にアンモナイトや三葉虫の化石などの"宝物"が入っていることがある。

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