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いざベルリンマラソン! 目指すは「サブ4」……まさかの結果に!!

  • 山口一臣
  • 2017年9月29日
  • さあ、いよいよスタートだ。この時点ではもう開き直っている……

  • 白熱するレース(REUTERS)

  • そして3時間台でゴール! ゼッケンが途中でとれてしまった

  • タイム記載の証書

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 ベルリンマラソンのコースは男子だけで過去7回もの世界記録が出た屈指の高速コースとして知られている。現在の世界記録、デニス・キメット(ケニア)の2時間2分57秒も2014年にこのベルリンでマークされた。44回目に当たる2017年大会(9月24日)では、この高速コースに昨年のリオ五輪の覇者、エリウド・キプチョゲ(ケニア)、世界歴代2位のネニサ・ベケレ(エチオピア)、元世界記録保持者のウィルソン・キプサング(ケニア)が挑戦するとあって、記録が更新されるのではないかと注目を集めていた。

 なかでもキプチョゲは今年5月に自動車のF1サーキットを使って数人のペースメーカーが交代で引っ張るというイベントで、42.195kmを2時間0分25秒で走り切った。次は正式な競技で世界新記録を出すのではないかと、このベルリンに期待が集まっていた。結果は、予想通りキプチョゲが優勝したが、世界記録樹立はならなかった。2時間3分32秒。前日夜の豪雨と当日の小雨というややバッドなコンディションが災いしたようだ。キプサング、ベケレはレース中盤でリタイアするというアクシデントに見舞われた。一方、日本から出場した東洋大学出身の設楽悠太(ホンダ)は、2時間9分3秒とフルマラソンの自己ベストを更新して6位に入った。

 そして、その設楽選手の記録から遅れること約1時間50分、スタートから3時間58分51秒(ネット)で私は第44回ベルリンマラソンのフィニッシュラインを通過した。ギリギリの3時間台、サブ4達成ができたのだ! やったぁ〜! ブラボー! \(^o^)/ さあ、語るぞ〜(笑)。その前に、言うまでもなく今回「サブ4復活」ができたのもこの連載のおかげである。プロジェクトを見守っていただいた読者のみなさまには改めてお礼を申し上げたい。ありがとう〜。

 しかし、今回ほど不安で憂鬱(ゆううつ)なレースはなかった。現地時間の木曜日夜にベルリン入りしてからスタートの号砲を聞くまで、ほんとに憂鬱で仕方がなかった。前回報告した通り、なんともビミョーで中途半端な仕上がりだったからだ。これが、昨年12月の青島太平洋マラソンのように初めからタイムを諦めていれば、気楽なものだ。だが、今回のようにそれなりに練習を積んで目標が半分達成できているという状態がいちばんやっかいだ。

 前回の原稿を書いた後、出発日前日夜に夢の島陸上競技場で“刺激走”をやった。刺激走とは、レース前の最後の仕上げのようなもので、筋肉と脳に「さあ、レースですよ!」と刺激を入れる意味があると言われている。同時に最終的なコンディションを把握して、本番当日の作戦を考える参考にする。スピードはレースペースより少し速めの設定で、それほど長くない距離を走る。私の場合、サブ4(キロ5分40秒)が目標だったので、月曜日にキロ5分30秒でペース走12kmをやった後、水曜日に刺激走としてキロ5分25秒で4000mペースを刻んだ。結果は上々で、かなり楽に走り切れる感じがした。本番は、それより15秒遅く走ってもOKなのだ。

 「これは、ひょっとするとイケるかも」と正直思った。しかし、イケるとしても4時間ギリギリになるであろうことはこの段階で予想がつく。この「4時間ギリギリ」ほど辛いレースはない。サブ4達成するには、最後まで諦められない、気が抜けない。疲労が限界近くになってもペースを落とすことは許されない。脚が重くなっても歩けない。つまり、後半は確実に辛く苦しいレースになるということなのだ。でも、連載があるからやるしかない。レース前はそんな心境だった。もちろん、どんなレースでも最後は辛く苦しいものだ。だが今回は、辛く苦しくても勝てる保証がないのだ。すべては、事前の準備不足が原因だった。

 マラソンはマネジメントのスポーツであるということは、この連載でも何度か書かせてもらった。事前の準備が万端なら、当日は計画通りに走ると結果が得られる。例えば、私が自己ベストを出した2016年の東京マラソンがそうだった。3時間45分切り(平均キロ5分19秒)を目標に計画を立て着実に練習を積んだ結果、レース前の30km走は5分20秒でクリア、直前のハーフマラソンは4分台後半で走り切った。前回、ちょこっと触れた計算式に入力するとフルマラソンの予想タイムは3時間37分と出た。大学入試の模擬試験で「A判定」をもらったようなものだった。体重も順調に減って68kg台に。すべてが計画通り。勝てるとわかっていれば、どんなに辛く苦しくても粘り切ることができるだろう。しかし、今回のベルリンは辛く苦しくなることだけは確実で、目標のサブ4が達成できるかどうかはまったく霧の中だったのだ。

 それだけに、今回の3時間58分51秒はメチャクチャうれしい! 自己ベストから17分32秒ビハインド、過去19回のマラソン中6番目の成績だったが、この達成感は格別だ。「サブ4復活プロジェクト」成功の報告ができて本当によかったーーーなんてことを書いていたらアッと言う間に紙幅が尽きてしまった。当日の作戦と戦いぶりはまた次回、お楽しみに!

【追伸】ところで、この週末は東京マラソンの一般抽選の結果発表があった。私の周辺でも当たった人、ハズレた人の話題で盛り上がった。私はベルリンのホテルで「ハズレ」のメールを受け取った。残念! あとはダメモトの2次抽選を待つだけだ。

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PROFILE

山口一臣(やまぐち・かずおみ)

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1961年東京生まれ。ゴルフダイジェスト社を経て89年に朝日新聞社入社。週刊誌歴3誌27年。2005年11月から11年3月まで『週刊朝日』編集長。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。その後、朝日新聞出版販売部長、朝日ホール総支配人を経て14年9月からフォーラム事務局員。16年11月30日に朝日新聞社を退社。株式会社POWER NEWS代表取締役。2010年のJALホノルルマラソン以来、フルマラソン17回完走! 自己ベストは3時間41分19秒(ネット)。

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