口福のランチ

のど越しのよいそばと上品な甘さの鳥そぼろ飯「蕎麦 たじま」(東京・西麻布)

  • 文・写真 ライター 森野真代
  • 2017年10月4日

角の立ったやや細打ちの麺。辛めのつゆを少しだけ付けて

  • しっとりとしてほんのり甘い鳥そぼろ飯

  • この日の小鉢は、ゴマの濃厚な香りがするゴマ豆腐

  • 四角いそばにちなんで、店内のインテリアも直線と角の組み合わせ

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 今週の税込み1000円以内のお得ランチは、西麻布の「蕎麦 たじま」。広尾駅からテレ朝通りを10分ほど歩くと、一見、そば屋には思えないおしゃれなたたずまいのお店があります。

 私にとって、一人ランチに重宝するのがそば屋。麺だけでさっと済ませることもあれば、親子丼やかつ丼などの丼物を注文することもあります。おなかの具合によってはセットで注文することも。一人客も多く、おしゃべりしながらゆったりとランチというよりは、黙々と食べてさっと出ていく。相席でも気にならない。その雰囲気が好きで、仕事でよく行く場所では、そば屋をチェックしてマイリストに入れておくのです。

 たじまは開業して12年目を迎えますが、いつも開店前から行列ができています。ランチタイムの一押しは、「もりそばと鳥そぼろご飯のセット(1000円)」。小鉢、香物、ネギとすりたてのワサビがつき、そばは「かけそば」、ご飯は「季節の炊き込みご飯」も選べます。風味豊かなそばはもちろんですが、ほんのりとした甘みの鳥そぼろがまたおいしいのです。

 見るからにおいしそうな角の立ったつややかなそばが竹ざるに盛られて来ます。どちらかというと細打ちで、のどごしがいい。つゆは辛口。「付けすぎると辛いくらいのつゆをちょこっと付けて、ずずっーとすするのが自分好み」と店主の田島基行さん。

 そば粉は産地を特定せず、いくつかをブレンドし、ひき方も、粗いものと細かいものを混ぜて使います。「一定の産地やひき方にすると、季節や粉の状態でそばの味わいが変わってしまいます。いつも変わらない味わいを提供することが大切です」と田島さん。「それに、ブレンドしたほうが、個性が混ざり合い、味に深みが出ます。

 田島さんはそば屋の息子として生まれましたが、店を継がなければという強い意志はなかったそうです。「もとからの麺好きが高じて始めました。ただやるなら本気でと、森下・京金、市ヶ谷・大川や、新橋・本陣房など3つの有名店できっちり修行し、最後に野菜料理「正」での勉強を終えてから始めました」

 そば屋らしからぬ店舗は、温かみのある店というよりは、スタイリッシュでモダン。店舗を作る時にデザイナーに伝えたことは、自分がこれから先10年、20年、30年と続けるのにふさわしい店にしてほしいということ。ガラスや柱をはじめ、店内には角張ったところが多いが、それはそばの切り口を表現しているそう。“角”が目立つ店内とは異なり、接客は温かさと親しみに満ちています。ミシュラン・ビブグルマンに選ばれるのも納得です。

<今回のお店のデータ>
蕎麦 たじま
東京都港区西麻布3-8-6
03-3445-6617
http://www.sobatajima.jp/

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PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

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