小川フミオのモーターカー

魅力にやられた、アウディ新型SUV「Q5」「SQ5」試乗記

  • 試乗記
  • 2017年10月12日

燃費はQ5がリッターあたり13.9キロ、SQ5が11.9キロ(JC08モード)

 アウディQ5とそのスポーツグレードであるSQ5がフルモデルチェンジして、2017年9月に発売された。さっそく試乗したところ、すごいクルマだった。とくにSQ5には驚かされた。

 「Q」とはアウディのラインアップにおけるSUVのイニシャルだ。現在は、Q2にはじまり、Q3、このQ5、そしてQ7という展開。

全長4685ミリ、全幅1900ミリ、全高1665ミリ(SQ5は1635ミリ)

 新型Q5は全長4685ミリ、全幅1900ミリ、全高1665ミリ(SQ5は1635ミリ)。家族で余裕をもって乗りたいというひとにはジャストサイズといえる。

 従来よりサイズが少し大きくなったのでより室内の快適性が向上、とアウディジャパン。でも軽量になって燃費は向上しているのだ。

 Q5 2.0 TFSI quattro(657万円~)とSQ5(887万円~)の違いをごくおおざっぱに説明しよう。前者は252馬力の2リッター4気筒エンジン搭載で、パートタイム4WDをうまく使う効率優先。

 SQ5は354馬力の3リッターV6エンジンで、フルタイム4WD。かつ後輪駆動に近い走りで、スポーティーなドライブを好むひとにより向いているとされる。

「アダプティブクルーズコントロール」や「アウディプレセンスシティ」など安全装備や運転支援システムも豊富

 はたして個人的に刺さったのはSQ5だ。ひとことでいうと、楽しい。比較的余裕あるサイズのSUVだが機能主義一辺倒でなく、むしろ快楽主義。

 V6エンジンはこれまでスーパーチャージャー装着だったが、新型SQ5は低回転域からカバーするツインスクロール式ターボチャージャーに変更された。

 走り出しから力強く、エンジン回転をそのまま上げていっても、力(トルク)が落ち込むことなく、ぐんぐんとおもしろいように加速する。

 しかも中音と高音がきれいに混ざった吸気音と排気音が気分を高めてくれる。アクセルペダルを踏み込んだだけでSQ5の魅力にやられる。

居心地のいい室内でオプションで液晶による「バーチャルコックピット」が選べる

 サスペンションはものすごくていねいにセッティングされている。車体は路面の状況で左右にへんに揺れることはいっさいなく、みごとな安定性だ。

 ハンドルを切ったときの動きは俊敏で、カーブを曲がるのはまるでスポーツカーのよう(というと少し言い過ぎか)。でも余裕あるサイズのSUVなのに走りが楽しいのは確かなのだ。

 SQ5にはアウディドライブセレクトといって「オフロード」「エフィシエンシー」「コンフォート」「オート」「ダイナミック」「インディビデュアル」と乗り味のモード設定を変えられる。

「アウディドライブセレクト」はオートモードがオールマイティー

 モードによって、足回りの硬さや変速タイミングや操舵(そうだ)力(ハンドルの重さ)が変わる。「コンフォート」は多少ふんわりした乗り心地になるとか。

 「ダイナミック」はサスペンションの設定がハードになり、アクセルペダルの踏み込み量に対して加速が俊敏に。ワインディングロードではいいだろう。

SQ5にはオートマ式8段トランスミッション搭載

 なかでも「オート」の設定はとてもよい。走り方に応じて適切な足回りの設定やハンドリングの重さを選んでいってくれる。出来のよいSUVであるSQ5の魅力がたっぷり味わえるモードだ。

 Q5は走り方によって四つの車輪への駆動力を事前に調整していく新世代のクワトロシステムを持つ。負荷が少ないときは後輪を切り離し、前輪駆動にして燃費効率を高める。

標準は写真のQ5のように機械式のメーターだがこれも悪くない

 それに対してSQ5のクワトロシステムは走りと安全性を両立させたもの。乗ると2台は明らかに違う。

 付け足しみたいになってしまったが、もちろんQ5 2.0 TFSI quattroもよい。ソフトな乗り心地で、パワーも十分。ただし選べるならSQ5がお勧めだ。これが結論。

リアシートは左右独立してスライド可能で使い勝手がよい

 見た目は少し地味ながら質感はあいかわらず高く、細部にいたるまでボディーも内装も作りはとてもよい。アウディのことはよく分かっている人もSQ5に乗ってみてほしい。きっと新たな発見があるはずだ。

 手ごわいライバルも多い。レンジローバー・ヴェラール(699万円~)、ポルシェ・マカンS(841万円~)、メルセデス・ベンツGLE(868万円~)、BMW X5(896万円~)といったクルマが思いつく。

荷室は通常で550リッターと広い

 どれも個性があって甲乙つけがたい。そこにあってアウディSQ5のキャラはというと、作りのよさと走りの質感だろう。手をかけて作られている。

 オプションパッケージも豊富なので、ふところのあたたかいひとは、このクルマのある生活をたっぷり楽しめるはずだ。

とくにSQ5はサスペンション設定がじつに緻密(ちみつ)ですばらしいロードホールディング

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PROFILE

小川フミオ(おがわ・ふみお)

写真

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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