小川フミオのモーターカー

ひと味ちがうスポーツワゴン、ジャガー新型「XFスポーツブレイク」試乗記

  • 文 小川フミオ
  • 2017年11月2日

全長4955ミリ、全幅1880ミリ、全高1496ミリで既存のサルーンより5ミリ長く37ミリ高い(写真提供=ジャガー・ランドローバー)

 ジャガーが新型車「XFスポーツブレイク」を発表。ポルトガルはポルトの近郊で試乗会を開催した。ぼくもそこを訪れることができた。

 「ブレイク」というのは英語で書くとbrake。馬車の時代からあった言葉で、いまでもステーションワゴンがこう呼ばれることがある。

リアにはセルフレベリング機能付きインテグラルリンク・エアサスペンション装備(写真提供=ジャガー・ランドローバー)

日本にはまず「Rスポーツ」が導入される模様で、サルーンと同様に後輪駆動となる(写真提供=ジャガー・ランドローバー)

 XFはジャガーのラインアップにおいては、最上級車種XJと、軽快なXEの間に位置している。メルセデスEクラスやBMW5シリーズがライバルだ。

 余裕あるサイズの車体と、操縦性のよさと、独特の乗り味を特徴とするXF。ワゴン版に「スポーツ」の文字がつくようにひと味ちがうキャラクターだ。

1.6平米と大きなパノラミックルーフのブラインドもテールゲートもジェスチャーで操舵(そうだ)できる(写真提供=ジャガー・ランドローバー)

 ポルトは古くから栄えているポルトガルの大きな港湾都市で、ポルトワインでも知られている。そこから内陸部に走りワイン用のブドウ畑を縫うような道を走った。

 乗ったのは日本にも輸入される予定の2リッター4気筒ガソリンエンジンモデルがメイン。250馬力の最高出力と365Nmの最大トルクを持つ。

「Rスポーツ」の内装はブラックとレッドによるスポーティーな雰囲気が印象的(写真提供=ジャガー・ランドローバー)

 このクルマのよさは気持ちよく曲がっていく身のこなしだ。試乗車は後輪駆動。「Rスポーツ」という薄いタイヤをはじめスポーティーな仕様だったせいもあるが、カーブの続く道でめっぽう楽しい。

 やたら神経質ではないが、かといって鈍感ではない。直進性も高いが、左右いずれかにステアリングホイールを切ったときに、車体が向きを変えていく動きが気持ちいいのだ。

後席もぜいたくなつくりだ(写真提供=ジャガー・ランドローバー)

分割可倒式のシートを備え、荷室容量も565リッターで、見た目より積載容量は大きいといえる(写真提供=ジャガー・ランドローバー)

 エンジンに非力さはまったくなく、アクセルペダルの踏み込み量への反応もするどいぐらい。回転が上がっていくとかすかに耳に心地よい高めの排気音が聞こえてくる。

 ジャガーはドイツ車とは違い、ダイレクトにスポーティーさを前面に押しだしてこない。でも運転していて楽しい。しかもいまここで書いたように操縦性や乗り味などは独特だ。

シリコンシルバーと呼ばれる塗色だとまた雰囲気が違う(写真提供=ジャガー・ランドローバー)

 もうひとつXFスポーツブレイクのよさは、雰囲気だと思う。ぜいたくさというか。低く感じられるルーフラインと伸びやかなサイドウィンドーが軽快である。

 「ルーフのラインに心を砕きました。サルーンが先にあるので部品の共用をしなくてはなりませんが、白紙から作ったようにサイドウィンドーをきれいにデザインできたのも自慢です」

単一カラーにコントラストステッチといって縫い目が目立つデザインになった仕様も好ましい(写真提供=ジャガー・ランドローバー)

「デジタル執事」とジャガーでは定義する10インチの「Touch Pro」インフォテインメント・システム(写真提供=ジャガー・ランドローバー)

 デザインを統括したジャガーカーのウェイン・バージェス氏は、XFスポーツブレイクで出かけたワイナリーの中のレストランで、そう語ってくれた。

 荷室の容量はしっかり565リッターもあるというけれど、実用一辺倒ではないキャラクターもよい。ジャガー広報担当者は「洒落(しゃれ)者のクルマ」と表現したが的を射ているとぼくは思った。

フルLEDヘッドランプも用意される(写真提供=ジャガー・ランドローバー)

 インテリアもジャガーに共通する大きな魅力だ。理詰めではないような造形感覚と、なんとなく温かみのある素材使いと、それに色彩感覚にも目を引かれる。

 「ひょっとしたらこの秋にも」とジャガーランドローバージャパンは日本での発表時期をほのめかす。

 既存のサルーンでみると「Rスポーツ」が989万円なので、それよりすこし高くなるかもしれない。ぜいたくなスポーツワゴンという好ましい存在なので、導入が楽しみだ。

 【動画】「ジャガー XFスポーツブレイク」はこちら

シングルピースで軽量化をはかったテールゲートにはジャガーのシンボルが誇らしげについている(写真提供=ジャガー・ランドローバー)

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PROFILE

小川フミオ(おがわ・ふみお)

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クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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