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人生で通りすがった誰かを思い出して『エモい』気持ちに はあちゅうさん、初の小説を語る

  • 2017年11月7日

  

 人気ブロガーで作家のはあちゅうさんが、9月に出版した初めての小説『通りすがりのあなた』について語るイベントが、10月31日朝、東京都渋谷区のBOOK LAB TOKYOで開かれた。

 はあちゅうさんは、慶応大学在学中からブロガーとして活動し、ブログが書籍化された。卒業旅行のために企業からスポンサーを募り、世界一周旅行をしたことでも知られている。その後、電通のコピーライターなどを経てフリーになった。ツイッターのフォロワーは15万人超。著書に「半径5メートルの野望」などがある。

 『通りすがりのあなた』は、7編が収録された短編集。どの話も、主人公が、ある期間だけ身近にいた人たちを回想する。イベントで、はあちゅうさんは自作について次のように説明した。

 「この作品では、名前のつけられない人間関係を扱っています。私は人間関係とは、白黒ではなく、グレーな部分がほとんどだと思っています。若い子が『エモい』という言葉で表現するような気持ちを込めました」

 司会者は、「映像作品のような具体的な描写が印象的だが、どのように創作しているのか」と質問した。

 「ほとんどの作家さんが、最初の小説を書く際にしていることだと思いますが、自分の経験から出している部分が多いです。小さいころから小説家になりたかったので、『これは覚えておいて、いつか書いてやろう』と思う出来事があると、頭の中に『ピンタレスト』で保存するように強く留めてきました。鮮やかに残っている記憶に、日記やブログから付け足して、そこに創作を加えて作品にしています」

  

 本の出版にあたって、各メディアの文芸担当記者の取材を受けたはあちゅうさん。特に印象的だったのは、どの記者も「私はインドでこういうことがあって」と、主人公に似た自分の体験について話してくれたことだったそうだ。

 「担当の編集者さんは、『こういう取材は初めてです』と言ってくれました。読みながら、自分の記憶を通りすがっていった誰かを思い出してもらえたら、私の試みは成功です」

 参加者からは、次作に長編小説を期待する声もあった。実は、書いたままとなっている長編小説があるそうだが、出版時期は未定。「表現が稚拙だったと思うところがあって、手直しするか、寝かせるか迷っています。次の『のびのび期』にもう一回見直してみようと思っています」

 はあちゅうさんは、12月に本を2冊、手帳を1冊出す予定。先日、期間限定の「お祭りサロン」を開いて、本の出版を一緒に盛り上げてくれる人の募集を始めている。ネット時代の作家を目指す活動は、これからも注目を集めそうだ。

  

 今回のイベントは、早寝早起きの習慣づくりを目指すグループ「朝渋」が主催した。「朝渋」は、朝7時半から9時まで「BOOK LAB TOKYO」(渋谷区道玄坂2丁目)で、同様のイベントを定期的に開催している。 

 参加者から、前向きに生きるためのアドバイスを求められたはあちゅうさん。

 「ちゃんと朝起きて、朝渋に参加できる皆さんなら、何でも出来ます」

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 と、太鼓判を押して、笑いを誘っていた。

(取材・写真 &マガジン編集部)

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