キャンピングカーで行こう!

トレーラー人気、ますます上昇中、専門のショーに行ってみた

  • 文 渡部竜生
  • 2017年11月8日

会場には様々なトレーラーが。イギリス車でアメリカ車を引く、そんな遊びができるのもトレーラーならでは

 増え続けている、キャンピングカーの登録台数。その中でも、特にキャンピングトレーラーの人気が急上昇中です。2016年のトレーラー販売台数は国産車が50台。たった50台で急上昇中って言われても……と思うなかれ。これまで、トレーラーの国産車というのはほとんどなかったのです。人気ぶりと市場の拡大を受けて国産商品が増えた結果の50台であり、対前年比でいえば7倍にもなります。以前からある輸入トレーラーのほうも、年間327台。対前年比では2.7倍です。国産、輸入を合わせると年間377台。

 欧米に比べれば少ない台数でも、キャンピングトレーラーが一日一台程度売れたのだと思うと、なかなかの人気ぶりなのがお分かりいただけるでしょう。

9年ぶり! トレーラー専門のショー

 そんな中、東京都昭島市にある「モリパーク アウトドアヴィレッジ」で、「キャンピングトレーラーフェスティバル」が開催されました。いつものキャンピングカーショーと違って、並んでいるのはトレーラーだけ。好天にも恵まれ、多くの来場者でにぎわっていました。

 トレーラーフェスティバルが開催されるのは、実はこれが初めてではありません。以前は静岡県内のキャンプ場などで開催されていましたが、2008年を最後に休止していました。ここ最近のトレーラー人気の上昇に合わせて復活した、という訳です。

 今回のショーは11社が参加。国産・輸入車、コンパクトタイプから大型まで、バラエティーに富んだ25台が並びました。隣接する「モリパーク アウトドアヴィレッジ」はアウトドア用品専門のショッピングモールなので、ショーを目的に来た人に加え、モールを訪れたついでに見に来る人も多かったようです。初めてトレーラーを見た人からは、「トレーラーって全部、専用の免許(けん引免許)がいるんだと思ってた」「普通の車でも引っ張れるんですね」という声が。

未舗装ながら広い敷地なので、試乗会も開催できた会場。残念ながらこの場所はラグビー場が建設されるため、今回で使用できなくなる

 トレーラーは以前もご紹介したように(→食わず嫌いは損をする? キャンピングトレーラー)

・イニシャルコストが低い
・ランニングコストが安価で済む
・スペース効率が良い

のが魅力です。しかし、日本のクルマ社会の中ではまだまだ少数派であるために、「運転が難しいのでは?」「けん引するには特別な車が必要なのでは?」と敬遠する人が多いのも事実です。

 実際は車両重量が750kg未満なら、けん引免許は必要ありませんし、けん引する車(ヘッド車)は1800ccクラスのファミリーカーでも問題ありません。今回のショーは東京ビッグサイトや幕張メッセのような大規模なものではありませんでしたが、展示をトレーラーに絞ったおかげで、そうした実情を理解してもらえたようです。

大人気だった「運転体験」

 会場で特に人気を呼んでいたのが「トレーラー体験試乗」。閉鎖された私有地ということで、免許に関係なく「けん引免許」が必要なサイズ(大型タイプ)のトレーラーにも挑戦OK! ヘッド車も用意されていますし、何より各販売店の“先生”が同乗してくれるのが心強い。みなさんおっかなびっくりながらもチャレンジしていました。

「左に下がりたいなら、ハンドルを右に切って……!」トレーラーならではのバックにみなさん「?」の嵐。戸惑いながらも楽しそうな試乗会

 具体的にはパイロンを回って、カーブのタイミングの違いを体験したり、難しいとされるバックに挑戦したりと、ヘッド車とトレーラーの関係を体感できる内容でした。

 キャンピングカーにあこがれているという体験者の一人に話を聞いてみました。杉並区から来た会社員の岩崎敦さん(47)は2児のパパ。普段はファミリーカーとして三菱自動車の「デリカ D:5」に乗っているといいます。

 「トレーラーは初めて運転しました。お借りしたヘッド車は『ボルボ S60』。普通のセダンですよね。引っ張ったのはHobby社の要けん引サイズでした。ヘッド車のパワーとトレーラーの大きさを考えても、もっと重たく感じるのかと思ったのですが、全く感じませんでした。バックは確かに難しいけれど、ちょっとコツを教えてもらったら意外とできるもんだな、と」。体験したことでぐっと実感がわいたという岩崎さんが、さっそく展示ブースのスタッフに聞いてみたところ……。

 「『うちのデリカでも引っ張れますかね?』って聞いたら、『もちろんです』、って。中古車だと100万円を切るものもあるそうで、なんだか急に遠いあこがれが現実味を帯びてきちゃいました。どうしよう……」と、にやにやが止まらない様子。

 ちなみに、岩崎さんが中古トレーラーをじっくり見て驚いたのが「新車みたいにきれい!」だったこと。

 もちろん、中古車は一つひとつ条件が違います。が、毎日使うものでもありませんし、エンジンもないので、長距離を走ったからといってそれほど摩耗するものでもありません。冷蔵庫やベッド、キッチン、タイヤなど、ビルダーがしっかり手を入れてくれた商品なら、中古とは思えないほどきれいなものに出会えることも珍しくはありません。

「引っぱる文化」は加速するか?

 乗用車で何かをけん引する文化。日本にはまだまだ根付いているとは言えないかもしれません。日本車でも海外向けモデルのカタログにはしっかり「けん引可能重量」が記載されていて、純正オプションにヒッチメンバー(けん引用連結器具)も用意されているのに、国内販売モデルでは数えるほどです。

 そんな中、先日発売されたマツダのSUV「CX-8」には純正でトレーラーヒッチが用意されました。けん引能力は750Kg以下。つまり、けん引免許不要サイズのトレーラーならボートトレーラーでもバイクトレーラーでも、もちろんキャンピングトレーラーでも引っぱれるというわけです。

法律上、走行中のトレーラーに人は乗れない。が、その分、荷物は積める。遊び道具をたくさん詰め込んで出かけよう! ※宿泊中の荷物の保管場所にはご注意を

 愛車(乗用車)の後ろに、目的に応じたトレーラーを連結して出かける生活。カーゴトレーラーを使えば仕事にも活用できそうです。

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 つい先日閉幕した東京モーターショーでも、電気自動車やIoTの活用ばかりが取りざたされていましたが、クルマ文化の多様化、深化の方向性として、トレーラーが珍しくない時代が来ると、ますます楽しくなると思います。

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PROFILE

渡部竜生(わたなべ・たつお)キャンピングカージャーナリスト

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サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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