テーマで見る世界の名画、今こそ再び画集を手に[PR]

  • 2017年11月22日

《グランド・オダリスク》ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル Photo © RMN-GP (musée du Louvre) / Thierry Le Mage / AMF-DNPartcom

  • 『ART GALLERY テーマで見る世界の名画』
    刊行中(毎月15日頃発売) ❶❷巻重版出来!!
    ❶ヴィーナス 豊饒なる愛と美の女神
    ❷肖像画 姿とこころ
    ❸風景画 自然との対話と共感
    ❹宗教画 聖なるものへの祈り
    ❺ヌード かぐわしき夢
    ❻静物画 静かな物への愛着
    ❼風俗画 日常へのまなざし
    ❽歴史画 人間のものがたり
    ❾神話と物語 創造の玉手箱
    ❿象徴と寓意 見えないもののメッセージ

    全巻一時払い特価 全巻セットをご予約いただくと 50,000円→45,000円(+税)
    特価期限:2018年1月31日(水)まで
    各巻定価5,000円(+税)
    ●お問い合わせ
    集英社 書籍販売部 TEL.03-3230-6393

 集英社創業90周年記念企画の一環として、『ART GALLERY テーマで見る世界の名画』(全10巻)が9月28日から刊行となった。監修者は青柳正規、木島俊介、中野京子の3氏。時代や作家ではなく、テーマごとに編集されている点が興味深い。第5巻『ヌード』の責任編集でもある中野京子さんに寄稿してもらった。

    ◇

作家・ドイツ文学者
中野京子さん
なかの・きょうこ/北海道生まれ。西洋の歴史や芸術に関する幅広い知識をもとに絵画エッセーや歴史解説書を多数発表。著書に「怖い絵」シリーズ(角川文庫)、『残酷な王と悲しみの王妃』(集英社文庫)など。上野の森美術館で開催中の「怖い絵展」では特別監修をつとめる。

さまざまな画家による多様な世界観の展開

 『ART GALLERY』は、これまでとは全く違う切り口の美術全集だ。1巻1テーマに絞ることで見えてくるものは何か? それは──監修の青柳正規先生が指摘されたように──個人別や時代別の画集からは得られにくい「画家の世界観を比較できる」こと。言い換えれば、世界観の多様性に目をみはり、新たな気づきを促すということだ。絵画鑑賞がさらに楽しくなるのではないだろうか。

 昨今は欧米でも美術全集の発行が激減したと聞く。出版不況の日本は言うまでもない。かつては複数の世界文学全集や児童文学全集とともに、美術全集も各種あり、多くの家庭がそれらを買い求めた。知は力であり、美は生きる糧だと信じていた時代は、エネルギーの漲る時代でもあった。今こそ再びそれが求められているように思う。

 パソコンでいくらでも絵は見られるが、しかし、その画像は透過光によって見せられている。本物の作品は反射光でしか見ることはできない。ネットによる記憶と実物に大きな差を感じるのはそのせいなのだ。そして言うまでもなく、印刷物は反射光で見る。色彩の微妙な表現は、幸いにも印刷技術の格段の進歩によって、かなり実物に近いものを味わえるようになった。

 何より、いつでも手近に画集があるというのは、自分ばかりでなく同居する家族、特に感受性の強い子供や若者には大きな意味を持つ。気が向いたときに開くページは、いつしか心に深くふかく沁みとおってゆくのだから。

ヌードからこぼれるなまなましい心

 筆者は第5巻「ヌード」(2018年1月15日発売予定)を責任編集した。「ヌード=ストレート(異性愛)の男性向けの裸婦」という通念を、まずは打ち破りたかった。

 ヌード作品の魅力は、衣服をまとわぬ「むき出しの肉体」でしか語り得ない、さまざまな感情のドラマにあろう。従ってゲイやレズビアンの画家が描く同性ヌードや、全て削ぎ落とした冬枯れの木のように魅力的な老人の裸体なども取り上げた。

 表紙画の女性(上図のアングル作品)の場合は、画家の巧みな計算が一種異様な迫力を生み出した好例だ。椎骨が5本も多い彼女は、なまめかしい白蛇のごとく振り返り、我々を見つめてくる。

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