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Amazon Echoも発売開始 注目の“スマートスピーカー”を買うべきか

  • 文・ライター、ブロガー 堀 E.正岳
  • 2017年11月17日

いよいよ日本でも発売された「スマートスピーカー」。 [gettyimages]

 この冬、声で情報を検索し、家電を操作できる「スマートスピーカー」が、新しいタイプのIT家電として注目を集めている。

 10月6日には「Google Home」と、「Google Home Mini」が日本でも発売。そして、世界で2000万台以上が販売されている「Amazon Echo」も、招待制ながら販売が始まった。

 さらに、開発では後れをとったものの高品質のスピーカーを武器にシェアを狙うアップルの「HomePod(日本では発売未定)」や、LINE社の「Clova WAVE」などもあり、一気に競争が激しくなっている。

 そんな話題のスマートスピーカーとは、実際に何ができて、何ができないツールなのだろうか? 「買って損をした!」ということがないように、その現状と今後の展望をみてみよう。

スマートスピーカーができること

スマートスピーカーは、声でさまざまな操作ができる。 [gettyimages]

 まず、スマートスピーカーの基本的な機能を押さえておこう。Google Homeや、Amazon Echoといったスピーカー型の機器は、居間などに置いて音楽を楽しむスピーカーであると同時に、Wi-Fiに接続してインターネット上のクラウドサービスに音声でアクセスできる。

 例えばGoogle Homeは「今日のニュースは?」と音声で質問するだけでその日のニュースを読み上げ、Googleカレンダーに登録した予定をチェックし、渋滞情報までもお知らせしてくれる。特に多くの人がスマホで使っている、Googleの各種サービスとの連携が強力なのが特徴だ。

 Amazon Echoにも同様の機能があるが、とりわけ特徴的なのが、音声認識システム「Alexa」を使ったさまざまな拡張機能(スキル)に対応していることだ。すでに海外では、さまざまな企業が作成した15000種類以上の拡張機能が利用可能となっており、コーヒーやピザの注文から、近くの映画館の情報や占いまで、多様な情報にアクセスが可能だ。日本でもサービス開始に合わせて、さまざまなメーカーが参入する予定なので、こういった便利な機能がどんどん拡充されてくるだろう。

 これに対してGoogle Homeも、サードパーティーの企業と連携するActions for Googleという取り組みを開始しており、食べログ、トクバイ、SUUMO、楽天レシピなどといった企業やサービスの参加が発表されている。

 そして、スマートスピーカーはこうしたインターネット情報端末としての役割に加え、ホームオートメーションのハブとしても機能する。Spotifyのような最近人気の音楽配信サービスから曲を流し、Netflixなどの配信サービスの動画をテレビに表示させる。そして、Wi-Fi機能に対応している電球や、防犯カメラ、ドアロック、電気プラグといった機器も音声で操作できるようになる。

 もちろん、現時点では、スマートスピーカーはPCやスマートフォンができること「以上」の何かが可能なわけではない。ただ、いままでスマホでしてきたアレコレを、音声だけでコントロールするという「情報との新しいふれあい方」を実現するツールといえそうだ。

音声認識は正確だがエラーも気になる。機能の制限も

Google Homeは音声認識の精度は非常に高いが、まだコマンドが少ない。 [gettyimages]

 では、実際の使い勝手はどうなのだろうか? 発売されたばかりのGoogle Homeをさっそく利用してみたので、その使用感をご紹介しよう。

 まず、音声認識の精度は非常に高く、「ねえ、Google」とぽつりとつぶやいたコマンドでも、Google Homeは明確に聞き取って実行してくれる。だが、実行できるコマンドが少ないことと、言い方を間違えるだけでエラーになることが多いことには不満を感じてしまった。

 例えば「○○への道順は?」と聞いた場合には、「ここから徒歩で駅に歩き、○○線に乗り換え、所要時間は約1時間です」と詳細な回答が帰ってくる。しかし、同じ質問を「○○へはどのくらいかかる?」と言い換えただけで「すみません、お役に立てそうにありません」というエラーの応答になってしまうのだ。単純な命令や質問であっても理解してくれないケースが多く、発展途上のツールであることを再認識させられる。

 また、ホームオートメーションも、現時点では電灯のオンオフといった簡単なものが中心で、エアコンや自宅のインターホンなどといった既存の機器との対応はまだ進んでいない。現状では、自分で機器を操作するほうが早いことが多く、特に理由がない限りスマートスピーカーを使うメリットはそれほどない。

 残念ながら、Google Homeであれ、今後発売予定のAmazon Echoであれ、現時点では日常生活が劇的に便利になるということはなさそうだ。

スマートスピーカーには未来がある

今はまだ制限が多くても、未来に期待してスマートスピーカーをぜひ使ってほしい。 [gettyimages]

 では、便利になるまで購入は待つべきなのか。それでは、加速する世界の流れに取り残されてしまう。今はまだ制限が多くても、未来に期待してスマートスピーカーをぜひ使ってほしい。

 現状では、Wi-Fiを通してスマートスピーカーで制御できる家庭内の機器は数少ないが、そのほかの機器が対応するのも時間の問題といっていい。Wi-Fi対応のテレビや体重計が珍しくなくなったように、さまざまな家電がネットワークにつながってくるはずだ。

 先ほどの道順の例でみたような音声認識システムの限界も、開発によって次第に乗り越えられつつある。

 そして、今後数年でもっとも進化することが期待されているのは、すでにインターネット上に存在する情報とのマッチングだ。

 例えば、ゴミの出し方で悩んだら、「スプレー缶の捨て方は?」と聞くだけでスマートスピーカーが住んでいる場所に合わせた処理方法やゴミの日を適切に答えてくれるようになるだろう。今までのように、検索キーワードを考えながら、わかりにくい自治体のWEBサイトを何ページも見て回る必要はなくなるのだ。

 インターネット上には、行政サービスから日々の買い物にいたるまで、人々のさまざまな質問やニーズに対する答えが用意されている。あとは、それがスマートスピーカーに利用可能な形で整理されていくことで、SF映画でみたような、コンピューターがどんな質問にも答える未来が実現していくのだ。

 ついに日本でも、Amazonのスマートスピーカー「echo」の販売が始まった。それと同時に、交通機関の時刻表検索、ホテルの予約、さまざまなウェブメディアの情報配信、銀行や投資会社との連携、ゲームや占いにいたるまで、100社265種類のスキルがリリースされることが明らかになっている。そしてその数はこれから伸びる一方だ。

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 スマートスピーカーをいま試すことは、そうしたすぐそこにある未来を体感し、備えることでもある。こういった新しい技術は、体感してみないとその使い勝手や利点・欠点などが実感できないものだ。市場が成熟するのを待っていたら、生活向上のタイミングは何年も遅れ、ビジネスでの新規参入のチャンスも逃してしまうだろう。今スマートスピーカーを体験するのは、そうした未来への投資でもあるのだ。

(文・ライター、ブロガー 堀 E.正岳)

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