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めくっても、めくっても、めくってもユルい世界観 子供も爆笑「日めくりカレンダー」

  • 2017年11月30日

もう「すごい」としか言えない。でも、たまらなくゆるい。そんな日めくりカレンダーです。1人の作家が全ページ手で描いています。しかも5年間連続、描き下ろし!

 とにかく「すごい」。もうそれしか言えない、ってこと、たまにあります。

 このコロッとして、ぶ厚いのが、まさにそれ。「ぺぺぺ日めくりカレンダー2018」です。

 例えば11月のある日には「おもいきって入ってみる日」っていう、ちょっと謎なひとことが書かれていて、それが絵でも表現されています。

 めくっても、めくっても、めくっても。365日全部に、「○○の日」と、その絵。どれも手描き、そしてもちろん同じものはなし!

このぶ厚さ! 幅と奥行きが同じぐらいあります。夫婦2人と犬・猫2匹が主人公になっています

 作るところを想像しただけで、ギョエー……ってなりそうですが。

 それを感じさせない、とぼけた作風と、力の抜け具合、ゆるい世界。途方もない時間の積み重ねにクラクラしながら、絵の脱力感でフワフワと無重力。このバランスがなんともいえない。

 でもすごいのはそれだけじゃありません。実はこの日めくりカレンダーは、もう5年も続いているというのです。しかも毎年新しく描き下ろされていて、同じネタの使い回しは一度もなし! なんてこった!

 単純に、毎日1枚描いても1年かかる。しかも聞けば考えたネタの中で、1/3がうまく絵にできなかったりしてボツになるとか。壮絶すぎる……。

 作るときは、まず言葉を考えたものを1年分ためておいて、それを一気に絵にするそうです。言葉は、一日中考えても思いつくのが6、7ネタぐらい。絵にできるのは、日に10枚ぐらい。10月に売り始めようとすると、8月か9月ぐらいには完成している必要がある……。

 って、もうこれで一年終わっちゃってません?

ちょっとシュールなその日の説明と、手描きの絵。明日の分も、あさっての分も、どんどん見たくなってしまいます

 そんなに大変な思いをしてまで、毎年作ろうと思うのはなぜなのか? その理由のひとつは「子どもからの人気」と、作者の渡邉知樹(わたなべともき)さん。

 子どもたちは、渡邉さん自身も不思議に思うほど、このカレンダーに反応して、大爆笑したりすることもあるのだとか。いったい何がそこまでの爆笑を誘うのか、描いた本人にも分かってないそうですが。

 以前ある小学校の先生が、このカレンダーを買って教室に貼ってくれたそうです。すると、生徒の間で大人気に。ついには渡邉さんが学校に招かれることになったそうです。

 しかも3時間にもわたる歓迎会が開かれて、もてなされたというからビックリ。

 このクラスでは、日直の子がカレンダーをめくって、そのページをもらえることになっているそうなのですが、まるでトレーディングカードみたいに、お互いにお気に入りのページを交換したりするそうで、人気のページは1枚が2枚と交換されたりすることもあるのだとか。

 もちろん、なぜそのページが人気なのかは、渡邉さんが見ても謎。でもそこまで気に入ってもらえたら、作家としては本望でしょう。そりゃ、やめられなくもなるはずです。

すごく面白いというよりも、嫌にならずに毎日見られるように考えて作っている、という作者の渡邉さん。でも、けっこう毎日面白いです。(ネタバレ防止のため、画像の日付は実際の商品と違う日に入れ替えてあります)

 さて、こんな不思議な日めくりカレンダーを作っている渡邉さんは何者なのか?

 自称の肩書は「絵本作家」。でも絵本はまだ出したことがないそうで。

 平たくいえば、アーティストでしょうか。絵画の作品や、鳥をモチーフにしたオブジェは、継続的に制作していて、個展や販売をする機会も多いそうです。

 絵画は抽象的な作風のものもたくさん描いていて、カレンダーとのギャップに、ちょっとした意外性あり。他にも詩を書いたり、似顔絵を描いたり、料理をしたり。

 でもその中でも特別な存在だという日めくりカレンダーの制作に向き合う姿勢は、他の作品のときとは少し違うのだそうです。他の作品では、自己表現に徹するのに対して、カレンダーはもう少し編集目線というか、使う人の目線から考えることが多いのだとか。

 例えば、シュールな濃いページが続かないようにしたり、かといって単調になりすぎないように、たまにアクセントを入れることを考えたり、少し考えさせられるような内容を入れたり、あるいは誰でも分かるような表現を入れたり。

 そうやって、絵画などの制作のときは考えないような目線を入れながら作っているのが、このカレンダーなのだそうです。

 と、言葉でいくら説明しても、やっぱりこの楽しさとすごさは、実物を見ないと伝わりません。ぜひお手元に置いて一年楽しんでいただければ。

(文・写真 千葉敬介)

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