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一般ランナーも参加可能! 超一流選手が頂点を目指す6大メジャーマラソン「WMM」とは?

  • 山口一臣
  • 2017年12月1日
  • 世界中のランナーが憧れるSix Star Finisherメダル

  • この完走証に自分の名前と各レースでの記録(タイム)が記載される

  • 喜びにあふれるSix Star Finisherたち
    ※写真は全てAbbott WMMajors公式ツイッターより

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 ワールドマラソンメジャーズ(WMM)というのをご存じだろうか。世界の6大メジャーマラソンとオリンピック、世界選手権でのマラソンの順位をポイント化してランキングをつける陸上競技のシリーズ戦だ。2006年のスタート当初は世界5大マラソンだったが、2013年から東京マラソンが加わって、現在の「6大メジャーマラソン」が完成した。2015年からアメリカの製薬会社アボット・ラボラトリーズが冠スポンサーになり、正式名称がアボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)になる。参加大会は以下の通りだ。

東京マラソン(日本/2月下旬日曜日)
ボストンマラソン(アメリカ/4月第3月曜日)
ロンドンマラソン(イギリス/4月下旬日曜日)
ベルリンマラソン(ドイツ/9月最終日曜日)
シカゴマラソン(アメリカ/10月第2日曜日)
ニューヨークシティマラソン(アメリカ/11月第1日曜日)

 各大会で5位までに入賞すると、1位25ポイント、2位16P、3位9P、4位4P、5位1Pが与えられ、マラソン男女、車いすマラソン男女それぞれ、シリーズ合計で上位3人までの選手に総額82万ドルの賞金が贈られる。優勝者は賞金の中から各自の名義で1万ドルのチャリティー寄付をすることになっている。WMMはよくテニスやゴルフの4大大会になぞらえ「マラソン版グランドスラム」などと書かれることがあるが、私はちょっと違うと思っている。テニスやゴルフのトッププレーヤーは1年間で4大会すべてに出場できるが、マラソンのトップランナーが真剣に記録をかけて6レースも走るのは不可能だからだ。せいぜい2レースが限度だろう。だからWMMは1シリーズで最大2レースまでがポイント対象となっている。

 WMMが素晴らしいのは、こうした世界の超一流選手が頂点をめざすレースに一般ランナーも参加できるということだ。6大会合計で一般参加者は約23万6000人、沿道の観客は760万人以上、参加ランナーがチャリティーで集める寄付金の総額は毎年1億5000万ドルにも上るという。レースの模様は世界5カ国以上にテレビ中継される(推定視聴者3億人)。どの大会も世界中から人が集まることを考えると、その経済効果は計り知れない。

 そして、この憧れの世界6大マラソンすべてを完走することが日本のランナーの間でも静かなブームになっている。きっかけは2013年、東京マラソンのWMM入りだったことは間違いないだろう。6大会を走破したランナーは“Six Star Finisher”と呼ばれ、各大会のレースディレクターの署名が入った特別な「6大会完走証」が発行され、WMMの公式HPに名前と記録が掲載される。一般の市民ランナーにとってこれ以上の名誉はないはずだ。さらに2016年以降は完走証とともに写真のような「Six Star Finisherメダル」がもらえるようになった。ブームに一層の拍車がかかったことは言うまでもない。かくいう私も、前回お伝えしたように2013年の東京マラソンをきっかけに“SSFチャレンジャー”になっている。しかも、6大会平均でサブ4(マラソン4時間切り)などというおバカな目標まで立ててしまった。

 だか、私が「世界6大マラソン制覇」などという大それた野望を思いついた当初、周りにそんなことを考えているランナーはまだほとんどいなかった。例えば、いま「ワールドマラソンメジャーズ」のキーワードで検索すると2014年10月にアップされた文芸春秋のスポーツサイトNumberWebの記事が出てくるが、そこには〈日本人の「Six Star Finisher」はたったの8人だけ〉と書いてある。記事は、そのうちの一人にインタビューしたものだ。私がWMMの最初の遠征(NYCマラソン)をした当時、日本人のSSFは一桁しかいなかったのだ。ところがこの3年の間にチャレンジャーの数は雨後のタケノコのように増え、それどころか私の知り合いでも6大会コンプリートが続々と誕生するようになった(焦る…)。実際、どれくらいの数がいるか公式HPに掲載されたフィニッシャーを根性で数えてみると、全体で約2400人中、日本人と思しき名前は100人ちょっといた。まだ、レアかもしれない。

 最近は主催者側にも小憎い演出があって、Six Star Finisherが完成する最後のレースでは番号入りの普通のゼッケンに加えてSSF最終レースであることを示す特別なゼッケンが渡される。チャレンジャーランナーはそれを背中に付けて走るのだ。すると、周囲を走る世界中のランナーや沿道の観客から「コングラチュレーション!」と声をかけられまくるという仕掛けである。

 さあ、ここまで読んだらみなさんの中にもやってみたくなった人がいるのではないか(笑)。もちろん、いろいろハードルがある。絶対に必要なのが「お金」と「時間」と「走力」だ。走力のある人(男子ならサブ3~サブ3.5クラス)は若干お金は節約できる。その他、仕事との兼ね合いや家族の理解などクリアしなければならない課題もある。そして、なによりいちばんの関門は各大会へのエントリーをどうするかだ。

 これらの課題解決については、次回以降、お楽しみに。

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PROFILE

山口一臣(やまぐち・かずおみ)

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1961年東京生まれ。ゴルフダイジェスト社を経て89年に朝日新聞社入社。週刊誌歴3誌27年。2005年11月から11年3月まで『週刊朝日』編集長。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。その後、朝日新聞出版販売部長、朝日ホール総支配人を経て14年9月からフォーラム事務局員。16年11月30日に朝日新聞社を退社。株式会社POWER NEWS代表取締役。2010年のJALホノルルマラソン以来、フルマラソン17回完走! 自己ベストは3時間41分19秒(ネット)。

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