1万円から始める草食投資

はじめの一歩を踏み出すには? 口座開設から投信選びまでの実践テクニックを伝授!

  • 2017年12月5日

 投資知識ゼロのライター・藤田が、実際に投資するまでの奮闘をつづるこの連載。これまで投資の概念や、日本人に多い「預金バカ」などについて学んできました。前回は、2017年10月1日に申し込みが始まった「つみたてNISA」が初心者にオススメだということを学びましたが、具体的には、どのように口座を開設し、投資信託(投信)を選べばよいのでしょうか。今回は実用的な話をうかがいます。藤田が実践する日もいよいよ近い……!?

  

教えてくれるのは「草食投資隊」のお三方!

渋澤健・コモンズ投信取締役会長 草食投資隊長男
中野晴啓・セゾン投信代表取締役社長 草食投資隊次男
藤野英人・レオス・キャピタルワークス代表取締役社長 草食投資隊三男
藤田佳奈美・投資知識ゼロのライター

つみたてNISAの資料を請求してみてわかったこと

藤田 前回「つみたてNISA」がオススメということがわかったので、早速、投信の資料請求をしてみました。

渋澤 お~! どうでした?

藤田 届いた資料の中には、総合取引約款や規定など、難しいことが細かい字でずらずらっと書いてあるものもありましたが、それ以外は非常にわかりやすい手引きでした。

中野 約款を読むのは大変ですよね。お気持ち察します。あれは、コストやリスクなどの覚悟ができているかどうかの確認みたいなものです。他に何か読んでいてわからないことはありましたか?

藤田 口座には特別口座と一般口座の2種類があるみたいですが、この“特別口座”ってなんのことかなと。

渋澤 投資利益の納税の仕方の違いですね。特定口座とは投資からの利益にかかる税金を投信会社が藤田さんの代わりに源泉徴収してくれる口座です。投信だけに少額投資するのであれば特定口座で大丈夫でしょう。一般口座の場合、様々な投資の損益を相殺して差金だけの納税で済まされますが、これには藤田さんが確定申告する必要があるので、ちょっと面倒ですね。今回藤田さんに開設していただきたい「つみたてNISA」は、年間の非課税投資額が40万円の制度ですから、特定口座を開設すれば大丈夫ですよ。

藤田 なるほど、わかりました! こんなにすごい皆さんに、こんな初歩的なことを直に聞いて答えていただけるなんて……、ちょっと今更ですけど感動しました(笑)。

中野 「つみたてNISA」の資料はどうでしたか?

藤田 あれ? そんな資料、同封されていましたっけ……?

藤野 「つみたてNISAの資料請求」にチェック入れないと、資料請求しそびれるのかもしれないですね。

藤田 なるほど、迂闊でした! 読者の皆さんも資料請求する際は、チェックをお忘れなく!

つみたてNISA口座開設の手続きは意外と簡単!?

  

藤野 わたしたちも、一度自分で資料請求してみて、わかりにくいところがないかチェックしたほうがよさそうですね。ちなみに僕の会社(レオス・キャピタルワークス)の投資信託「ひふみ」は、紙の資料請求ではなくPDFになっています。

藤田 それは取り寄せの手間がなくて楽チンですね。そういえば、口座開設にあたっての用意が本当に簡単で驚きました。私の場合は、同封されている資料に記入して、ここ3カ月以内に取り寄せた住民票(マイナンバー記載のもの)と、運転免許証を持っていないので代わりに住基カードを用意するだけでした。

渋澤 携帯電話を買う際と同じ感覚でいいと思います。

中野 違いがあるとすれば、たとえばオプションサービスに無条件で加入していて、それが1カ月後からは有料になるとか。僕らがやっている投信にはそういった“わな”はありません。

藤野 まあ、単に商売が下手なんですよね(笑)。

藤田 なるほど、ちょっと安心しました。投資ビギナーが知っておくべき点は他にもありますか?

渋澤 やはり、信託報酬など運用コストがかかることと、元本が保証されていないこと、価格変動するリスクがあることは、きちんと知っておいていただきたいですね。

中野 それと、絶対読んで欲しいのは、サービスガイドの1ページ目。

渋澤 それぞれの投信の目的や特色が書かれているところです。

藤田 確かにこのページだけ、感覚的というか、説明っぽくなかったです。その投信の理念とか情熱とか思いとか、感情に訴えかけるような内容でした。

藤野 あと、気をつけたほうがいいのは、資料の記入漏れ。全体の5~10%くらいで不備が出るのです。

中野 ハンコの押し方がだめでやり直しすることもありますしね。

藤田 なるほど、気をつけます。口座開設の後の流れはどうなっているのでしょうか?

中野 藤田さんの場合は「つみたてNISA」をやって欲しいので、引落口座の設定が完了するまで1~2カ月くらい待ちます。その後、手続き完了のお知らせを受け取ってください。

藤田 ……それだけですか?

ほったらかしでも大丈夫? 減額やとりやめも自由

  

藤野 そうそう。これを“ほったらかし口座”といいます。積立はまかせながら、自分は人生における重要なこと、つまり、恋愛や仕事など情熱を注ぐものに思考を働かせるのです。

中野 改めて言いますが、長期投資は、「経済活動への参画」ですからね。自分のお金がすてきなビジネスを支えるために働きに出たと思ってもらえれば幸いです。

藤野 一度始めたらやめられないなんてことはなくて、投資額を減額したり、やめたりできます。ペナルティーもほとんどありません。

中野 気楽に始めてください。始めてからわからないことがでてくるから、まずは毎月数万円から始めてみませんか?

渋澤 投信には正解がない。まずは、一歩踏み出して行動することが人生を豊かにすることにつながるということも覚えておいてほしいですね。

中野 アメリカの大手運用会社で大きな成果をあげたあるおじいさんは、自分が積み立てていたことすら忘れていたそうです。変動に焦ってジタバタする人ほど、長期投資はうまくいかない。投資していることすら忘れているくらいでいいんですよ。

渋澤 ウェブサイトで自分の口座をいつでも確認することができるのですが、一回もアクセスしたことがなかった女性に、コモンズ投信に来社した際にログインIDやパスワードを教えたら、初めて自分の口座を見て、思った以上にたまっていたので驚きの声を上げたということもありました。見ないくらいが、楽しみがあってちょうど良いのかもしれませんね。

藤田 それはワクワクする話ですね。ちなみに“長期”って何年だと考えればよいでしょうか?

渋澤 「人生何年ですか?」って聞かれても、それは誰もわからない。それと同じですね。寿命はわからないから、楽しく、毎日を充実させて生きることが大事。投資も同じで、どれぐらいの長さが適切かは変わってきます。

投信選びのポイントは“共感”

  

藤田 では、どういうポイントで投信を選んだら良いのでしょうか。

藤野 理念に共感できる投信を探すこと、ですね。

渋澤 服を買うときと同じ感覚です。あのすてきなデザインの服を展開しているあのブランドの服が好きだ、というような。

中野 ハートで感じてキュンときたところで選べば良いと思います(笑)。僕らは、たくさんの人にキュンとしてほしいから、運用する僕らの顔が見えることを大切にしています。

藤野 たとえ高スペックの商品を選んでも、それに心が動かなければ意味がありません。まずは少額からスタートするのが一つの考え方ですかね。

藤田 資料だけじゃハートがわからないですよね。まずはセミナーに行って、その投資信託が抱く情熱に共感できるかどうかを見ることが大事なのですね。

  

 最後は、いつも通り、ロマンチックでハートウォーミングな話になりましたが、だからこそ機械的で冷たく感じていた投資に、心動かされないわけにはいかない藤田なのでした。金利の低い銀行に預金するよりも、毎月つみたてNISAを通して社会活動に参加し、お金に働いてもらうことを、筆者も実践したいと思います。

 知識ゼロの状態から始まった連載は今回で通常シリーズは終わり。次回、最終回は、11月24日に行われたトークイベントの内容をリポートします。

(撮影・産屋敷光孝)

<渋澤さんプロフィール>
渋澤健・しぶさわけん
1961年生まれ。草食投資隊長男。
コモンズ投信株式会社 取締役会長
公益財団法人渋沢栄一記念財団 理事

<中野さんプロフィール>
中野晴啓・なかのはるひろ
1963年生まれ。草食投資隊次男。
セゾン投信株式会社 代表取締役社長
公益財団法人セゾン文化財団 理事
NPO法人元気な日本をつくる会 理事
一般社団法人投資信託協会 理事

<藤野さんプロフィール>
藤野英人・ふじのひでと
1966年生まれ。草食投資隊三男。
レオス・キャピタルワークス株式会社 代表取締役社長・最高投資責任者(CIO)
明治大学非常勤講師、東証アカデミー・フェロー

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