11月の八ケ岳麓で1泊2日の山岳レース「OMM JAPAN 2017」

  • 2017年12月8日

 

 The Original Mountain Marathon(以下、OMM)は、現在のアドベンチャーレースの起源にもなった最も歴史のある山岳レース。初開催は、1968年のイギリス(当時はKarrimor International Mountain Marathon)にさかのぼります。

  

 これまで、イギリスをはじめ、アイスランド、日本で開催。日本での初開催は2014年で、今年は4回目。舞台は長野県の八ケ岳の麓となりました。

  

 1人ではこのイベントに挑むことができません。必ず「2人1組」のチームを構成し、そのチームで1泊2日もの間、テントなど山で必要な装備をすべて背負い共に行動するのです。

 また、「OMM JAPAN」の特徴の一つに、あえて気候条件の厳しい時期に開催するという点があります。確かに11月の八ケ岳山麓は寒い。今回のイベント中も氷点下10度を記録しました。寒さ対策をし過ぎると荷物が重くなる。荷物を軽くすることばかり考えると、寒さ対策が不十分になる。このあたり、どの程度まで自分が耐えられるかを考えながら、優先順位をつけてイベントに挑むのです。

  

「OMM JAPAN」はトレイルランニングのような印象を受けますが、スタートからシンプルにゴールを目指すトレランとは、一線を画しています。「OMM JAPAN」のタイプは、大きく二つにわけることができます。

 一つは、「Straight」と呼ばれるコース。これは、オリエンテーリング形式を採用し、コントロールポイント(以下、CP)を指定された順番に回って所要時間を競うもの。

 もう一つの「Score」は、ロゲイニング方式を採用し、一定の制限時間の中でより得点の高いCPを獲得するために、自由にルートを選択しながら進むもの。正確なナビゲーションとプランニングが好成績をおさめるためのポイントとなります。走力があるチームが好成績をおさめるわけではないのです。

参加コースはこちら。
・Straight A:合計走行距離約65km、制限時間10時間/日、獲得標高約3000m/日
・Straight B:合計走行距離約55km、制限時間9時間/日、獲得標高約2500m/日
・Straight C:合計走行距離約35km、制限時間7時間/日、獲得標高約1500m/日
・Score Long:制限時間7時間/1日目、制限時間6時間/2日目
・Score Long:制限時間5時間/1日目、制限時間4時間/2日目

 参加者の皆さんは自身のレベルに合ったコースを選択するのですが、どれを選んでもそれなりの距離を進まなくていけません。それどころか、山中で、見わたすと誰もいないという状況に陥ることもあり、冷や汗をかくことも。

 事前講習で指導された迷子対処方法は、見覚えがあるところに戻ること。そして、自分を信じずに、コンパスを信じること。

 グーグルマップではなく、コンパスや地図とにらめっこする機会は非日常的で新鮮でした。

  

 そんなタフなレースですが、今回は約1300人の参加者が集まりました。みなさん、それ相応のアウトドアの専門家と思いきや、意外とエンジョイ志向の参加者も。和気藹々(わきあいあい)とルートを決めて、ゆっくりと自然を満喫しながら歩く姿が見られましたし、テント泊での食事とお酒にこだわったため、リュックがパンパンになっている方も。なかでも、リュックからポテトチップスがはみ出している参加者が印象的でした。

 楽しみ方は人それぞれ。大会側も「OMM JAPAN」のことをレースとは表現せず、「イベント」と表現し続けていました。

  

 結局、同イベントは、他のチームとの競争が目的ではなく、徹底的に自分たちと向き合い、選択し続けるものということが理解できました。

 温かさを取るのか、荷物の軽さを取るのか。限られた行動時間のなかでもう一つCPを取りに行くのか、留まるのか。自分の残りの体力とパートナーの残りの体力は同じなのか、異なるのか。そもそも右に行くのか、左に行くのか……。

「OMM JAPAN」という非日常的な環境下で、自分たちの能力と向き合い、今の自分に何ができるのかを探り続けるという、とても現実的な機会となったのです。

  

 フィニッシュ時の達成感は参加した者にしかわからないもの。その笑顔が物語っていますね。

 山での総合力が問われる同イベント。皆さんも来年、参加してみませんか、それとも?

 公式サイトはこちら

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(写真・OMM JAPAN official)
(文・高橋龍宇)
(動画・林 賢哲)

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