私の一枚

スペースシャトルで土井さんと宇宙飛行した「星つむぎの歌」 平原綾香

  • 2017年12月11日

宇宙飛行士の土井隆雄さんと共に

  • 3作目のミュージカル作品出演となる平原綾香さん

  • 平原綾香さんが主役のメリー・ポピンズに扮するミュージカル「メリー・ポピンズ」

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 これは、宇宙飛行士の土井隆雄さんが、2008年の宇宙飛行から帰還した際に開かれたパーティーでの写真です。土井さんがスペースシャトル「エンデバー号」に搭乗したのは、国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」の打ち上げ後の1便目でした。その彼を応援しようと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と山梨県立科学館の連携プロジェクトで作られた曲「星つむぎの歌」を私が歌わせていただき、そのご縁でパーティーに出席していました。

 私と土井さんが持っている写真を見てください。土井さんは、スペースシャトル内の無重力空間で、私のCDを浮かせて撮影してくださいました。背景には美しい地球と「きぼう」が写っています。この貴重な写真を見た瞬間、自分のCDが宇宙に行ったことがリアルに感じられ、感動して涙が出てしまいました。この曲は、スペースシャトル内のウェークアップコール(目覚まし曲)にも使われ、本当にうれしかったです。

 このパーティーに先立ち、フロリダのNASAケネディ宇宙センターで打ち上げを見ることができました。近づくと危険なので、発射台から6.5キロほど離れた場所から見学したのですが、それでも大迫力で、打ち上げの瞬間、「バリバリバリバリ」という大きな音とともに、夜の闇が昼間のように一気に明るくなりました。アニメ「ドラゴンボール」の神龍(シェンロン)が出てくる時はこうなんじゃないかとイメージするほどの光景でした。

 「星つむぎの歌」は、2000を超える公募から採用された300人の詞をつむいで作られた曲です。みんなの想いが土井さんと一緒に宇宙に行けたことは本当にすばらしいです。私にとっても“宇宙デビュー”の曲となりました。実は私、前世は宇宙人だと占いで言われたことがあるのですが、あながち間違いじゃないかもと思いました(笑)。

 土井さん以外にも、毛利衛さんや向井千秋さんなど宇宙飛行士の方々にお会いする機会がたくさんありました。みなさんすてきな方ばかりで、温和で動じず、聡明(そうめい)で研究熱心。「やる時はやる、やらない時もやる」みたいな(笑)。

 私が宇宙飛行士のみなさんにお会いすると、必ず次の質問をします。「どんな宇宙人を見ましたか?」って。すると、みなさん含みのあるほほ笑みを浮かべながら「その話は……また今度」と答えてくれます。ゾクッとしちゃいますよね。肯定にも否定にも受け取れる言い方がさすがです。

 この世界には、常識を変えていくヒーローたちがいます。宇宙飛行士はその代表的な存在だと思います。昔は宇宙に人が行くなんて考えられなかったのに。スポーツでも、新記録が出ると、その後はその記録の壁を越える人が続くそうです。不可能を可能にしたヒーローたちのおかげで、私たちは安心して新しい時代に歩みを進めることができるんだと思います。わたしが宇宙に関わることができたのも、「Jupiter」を歌ったおかげだと感謝しています。そして、土井さんたち宇宙飛行士のみなさんに出会えたことで、私自身も変わり、今まで無理だと諦めていたことも、「やってみなければわからない」と思えるようになりました。私自身もいつか宇宙に行って歌えたらと願っています。

    ◇

ひらはら・あやか シンガー・ソングライター。1984年東京生まれ。洗足学園音楽大学ジャズコースサックス専攻卒業。大学在学中の2003年「ジュピター」でデビュー。04年の日本レコード大賞新人賞など様々な賞を獲得。「明日」「誓い(NHKトリノ・オリンピック放送テーマソング)」、など多くのヒット曲を歌う。ミュージカル初挑戦は14年、「オペラ座の怪人」の続編ミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」でクリスティーヌ・ダーエを演じた。

◆平原綾香さんと濱田めぐみさんがダブル主演を務めるミュージカル「メリー・ポピンズ」が2018年3月に開幕する。P.L.トラバースの小説を基にウォルト・ディズニーによって製作され、アカデミー賞5部門を受賞した世界的大ヒット映画が、ミュージカルとなりウエストエンド、ブロードウェイを始め世界各国で上演を重ねている。いたずら好きの子供2人がいるバンクス家に、ある日不思議な子守メリー・ポピンズがやってくる――。世界中で愛される物語が、迫力のダンスとマジカルな舞台セット、心躍る楽曲の数々と共に、傑作ミュージカルとして日本初上陸。プレビュー公演2018年3月18日(日)~3月24日(土)、本公演3月25日(日)~5月7日(月)東急シアターオーブ、5月19日(土)~6月5日(火)梅田芸術劇場メインホールにて公演。

 「ミュージカル出演は今回で3作目です。映画は見ていましたが、メリー・ポピンズという存在を深くは知りませんでした。演じるにあたって、生い立ちなどを調べても原作にも詳しい情報は書かれていなくて、つかみどころがない。いろいろと不思議な現象を起こすメリー・ポピンズは、実は宇宙人という説もあるんですって!(笑)。今回はダンスシーンが多いのですが、実は私のバレエ経験は長いんです。小学1年から高校2年まで真剣に取り組んでいましたし、最近もまた練習を始め、ようやく踊れる作品に出会えたとすごくはりきっています。もちろん歌も多いので、歌手としての経験、これまでのオペラの歌やミュージカルの体験を全て注いで演じるつもりです。皆さんに満足していただけるよう、そして楽しんでいただけるメリー・ポピンズを演じられるように頑張ります」

(聞き手:田中亜紀子)

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