ノジュール

<第55回>「西郷どん」ゆかりの京都をめぐる

  • 文 田村知子(『ノジュール』編集長)
  • 2018年1月4日

かつて、薩摩をはじめ西国諸藩の藩邸が置かれた伏見は酒蔵の街

  • 西郷と大久保がたびたび会談した、大黒寺の書院

  • 成就院では、寺宝の月照上人木像も特別展示される

  • 清水寺成就院は、高台寺山を借景とする「月の庭」が有名

  • 定期購読誌『ノジュール』1月号は発売中。表紙は、東寺と冬の朝焼け(写真:中田昭)

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 2018年の大河ドラマは、幕末~維新期に活躍した西郷隆盛の生涯を描く「西郷どん」。西郷さんといえば薩摩、現在の鹿児島ですが、幕末維新の舞台となった京都にも、西郷ゆかりの地があちこちに点在します。そして、2018年「京の冬の旅」のテーマも「明治維新150年記念」と「西郷隆盛」。1月上旬~3月中旬の期間中に、その時代や西郷ゆかりの特別公開(※注)も行われます。洛南から洛東にわたる、その足跡を辿ってみます。

 まずは、京都駅の南、そびえたつ五重塔が印象的な世界遺産・東寺。慶応4年(1868)、鳥羽伏見の戦いにおいて、淀方面から御所に向かって進軍する幕府軍に対し、薩摩軍は東寺に本営を築きました。西郷隆盛は、戦況を把握し指示を出すために、この東寺の五重塔に登ったといいます。両軍が激突したのは、そのわずか3・5km南の鳥羽街道「小枝橋」。もし幕府軍が突破していたら、東寺は大打撃を受けたかもしれません。

 伏見エリアで特別公開される大黒寺は、その名の通り、出世大黒天とよばれる大黒天(秘仏)を本尊とし、大黒天が薩摩藩主・島津家の守り本尊であることから、藩の祈願寺に定められました。西郷や大久保利通が会談を重ねた部屋が残されており、志士ゆかりの書や歌、肖像などが特別展示されます。

 ほか、西郷と深い絆で結ばれていた勤王僧の月照上人が住職を務めていた成就院、その二人が討幕の密議を重ねたという即宗院も特別公開されます。成就院は、清水の舞台で知られる清水寺の塔頭、即宗院は紅葉で名高い東福寺境内に立つ塔頭で薩摩藩の菩提寺でもありました。いずれも京都きっての有名寺の境内にありますが、公開される機会はめったにありません。この機会にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

 ノジュール1月号では、冬の京都を大特集。特別公開寺社をめぐるコースをはじめ、冬のあったかグルメや、老舗プロデュースのカフェ、京都のブリュワリーなど最新情報はもちろん、歴史小説と取材ルポで読み解く応仁の乱、御土居と七口など、京都を深掘りした記事が満載です。

(※注)「京の冬の旅」の特別公開は、各寺社・施設によって公開日時が異なります。詳しくは、京都市観光協会サイトでご確認ください。

■ノジュール:鉱物学の専門用語で硬くて丸い石球(団塊)のこと。球の中心にアンモナイトや三葉虫の化石などの"宝物"が入っていることがある。

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